カウンセラーがカウンセリンググループであった3人の女性に「トランス」という治療法を施し、心の奥底に眠る本当の自分自身を気付かせるというものです。これがミュージカル形式で展開されていきます。
3人の女性(小西萌子さん、村岸優希さん、迫田萌美さん)の歌が見事ですし、アンサンブルのダンスにも拍手です。若い人がこういう舞台をつくってくれるのは、うれしいです。
なお、「キンケロ・シアター」(写真)というのは、キンキンこと愛川欣也さんとケロンパことうつみ宮土理さんによって建てられた劇場です。
昨日、紹介した加藤大介著「南の島に雪が降る」を舞台化したものです。DVDに録画されたものがありましたので、それを観ました。脚本は中島敦彦さんです。加藤役を演じたのは落語家の柳家花緑さん、その妻を演じているのは元宝塚歌劇団の大和悠河さんです。彼女はオランダ人のリリィ役も演じています。2015年8月に浅草公会堂で公演されたものです。
内容は太平洋戦争中、パプア・ニューギニアに実際にあったマクノワリ歌舞伎座での話です。原作とほぼ同じとはいえ、舞台なのでいくつか工夫がこらされています。まず、上記のオランダ人の女性は原作では出てきませんが、舞台ではかなり大きな役割で登場しています。歌う場面もかなりあり、そんなこともあって大和さんが抜擢されたものと思います。確かに、女性が全く出てこないと華やかさに欠けますし、歌う場面がると魅力的味わいが出てきます。それから現地の子どもがでてきますが、これも原作にはありません。さらに演劇分隊に所属する人たち、またリリィさんが歌う日本の歌「椰子の実」(島崎藤村作詞)は、原作にはありません。
柳家花緑さんは、こんなにお芝居が上手だったとは知りませんでした。感情移入、すばらしかったです。
築地にある東本願寺のなかのブディストホールで、ミュージカル「我が輩は狸である」を観ました。是枝正彦さん作・演出です。
四国全土の狸一族の次代のリーダーと目されるロミ丸。この地では人間が開拓の名のもとに環境破壊が進み、狸の生活圏がおびやかされていました。ロミ丸はその現状を憂え、人間どもの様子をさぐるため街に出てきます。ロミ丸はかつて修行のため人間界で勉強したことがあり、その時の友達だったノボに協力を頼みます。
しかし、ノボはジュリ絵という女の子にのぼせあがっていました。ロミ丸はノボに逆に恋の手助けを依頼されてしまいます。ジュリ絵の父親は開発推進派で、狸族にとってはやっかいものですが、娘のジュリ絵は父の考え方に真っ向から反対していました。
お互いが助けあうことを条件に、ロミ丸はジュリ絵に会いにいきますが、一目ぼれしてしまいます。そしてジュリ絵もロミ丸に惹かれていきます。
しかし、ロミ丸は狸族の一員、ジュリ絵は人間。一緒になれるはずがありません。しかし、秘薬がありました。それを飲むとロミ丸は人間になることができます。しかし、二度と狸にはもどれません。リーダーになることをあきらめなければならないのです。しかし、ロミ丸は人間になることを決心します。
ロミ丸はリーダーのドロ兵衛の娘メリタンとの結婚が予定されていました。しかし、ロミ丸がジュリ絵に出会ってからは、疎遠にされてしまいます。メリタンはジュリ絵にも秘薬を飲ませることを考えます。
ロミ丸は秘薬で人間に、しかしジュリ絵は秘薬で狸に。 さて、この顛末は??
狸一族の現リーダーを演じた岡智さんは、声量がすごいです。多くのミュージカルの経験を積んだ俳優さんです。ロミ丸の神永圭佑さんは演技、歌とも抜群です。
朗読劇的要素も取り入れて、風祭ゆきさんが担当していました。長い舞台経験があるので、さすがにオーラがあります。(昨日たまたま見ていた映画[DVD]「セーラー服と機関銃」に出演していました)
「AKB48」の吉川七瀬さんはジュリ絵役で出演していました。
岡本麗さんと鶴田真由さんの二人芝居です。
里佳(鶴田真由)は夫の和彦と2ヶ月前に離婚して、今は一人ぐらしです。釣り糸をたれボッとしていることにはまっていますが、職探しをしています。彼女はかつてエリート社員でしたが、そのプライドの高さがわざわいしているのか、なかなか新しい仕事がみつかりません。その彼女は元夫の和彦の浮気を理由にマンションから追い出しました。
ある日、和彦の母、みどり(岡本麗)が京都から突然里佳の部屋にやってきました。離婚したことを知らされていなかったみどりは驚きますが、彼女は夫とケンカして家を出て来ていたのです。理由はやはり夫の浮気でした。行き場のないみどりはこのまま里佳の部屋に居すわることに決めますが、里佳は承知しません。しかし、里佳の私生活に遠慮なく介入してくるみどり。
耐えられなくなった里佳はかつての夫に苦情の電話をかけます。そして里佳は、ある驚くべきことを知ります。みどりが上京してきた理由は、実は彼女の浮気だったのです・・・。
東おんなと京おんな、ふたりの丁々はっしのわたりあい。これは見ものです。