【岩崎俊夫BLOG】社会統計学論文ARCHIVES

社会統計学分野の旧い論文の要約が日課です。

時々、読書、旅、散策、映画・音楽等の鑑賞、料理とお酒で一息つきます。

アラン・クロスランド監督「ジャズ・シンガー(The Jazz Singer)」(アメリカ、1927年)

2019-10-30 22:20:56 | 映画

              
  この映画は、ユダヤ教の厳格な父に育てられた少年ジェイキーが家の伝統を継がず、家出してジャズ・シンガーとなり、成功をおさめ、父の死の直前に和解するという物語。世界最初のトーキー映画である。全体の3分の2ほどが画面展開に説明文字を挟む従来のサイレント版、残りの部分が歌の入るトーキー版になっている。

 ニューヨークのユダヤ人街に暮すユダヤ教のラビノウィッツ家は五代にわたって司祭長をつとめ、教会の聖歌の先唱役を担う家柄、父親は息子ジェイキー(アル・ジョルソン)を後継ぎにするべく教育したが、彼は父の言いつけにそむき、酒場で歌を唄っていた。父はジェイキーを勘当同然に扱った。ジェイキーは家業を継ぐことを嫌い、家出。母親はそんなジェイキーに同情し、父親にとりなそうとするが聞き入れなかった。

 家出したジェイキーはショー・ビジネスの世界に飛び込み、数年を経てジャズ・シンガーとなり、名前もジャック・ロビンと変える。酒場でうたう(「汚い手、汚い顔」「トッツィー」など)。彼は、メアリー・ディル(メイ・マカボイ)という女性を紹介された。彼女は、彼の「声に涙がある」と賞賛。互いに心が惹かれあい、彼女の援助を得て、ジェイキーはニューヨークのブロードウェイの舞台公演ミュージカル・コメディに出演することとなった。ニューヨークに戻ってジェイキーは久しぶりに家に寄り、母と対面し、ジャズ・ピアノを演奏してみせるが父親とは依然対立が続いた。

 公演を翌日に控えた日、教会では贖罪の式の日にあたっていたが、先唱役を担うはずの父が危篤であることを知らされた。舞台出演と父と和解して欲しいとの母の願いの間で、ジェイキーは悩む。

 悩みに悩んだ末、ジェイキーは母親の懇願を受け入れ公演を中止。父の最期に立会い、和解した。先唱役として聖歌隊とともに唄った。

 ラストシーンは、ショーでの舞台。黒人風に黒塗りのメークアップでジェイキーが母親の前で唄う「マミー」は、情がこもって秀逸。


ジャン・ピエール・メルヴィル監督「影の軍隊 (L’armee des Ombres)」(フランス,1969年)

2019-10-29 21:03:03 | 映画








1942年,ドイツ占領下のフランスで実際にあったレジスタンスの闘士として生きた活動家の物語です。パリ,ロンドン,マルセイユ,リヨンを舞台に,組織的連繋のなかで展開された地道な抵抗運動の様子が淡々と,しかし時として非情な形で綴られます。

第二次世界大戦中に出版されたジョゼフ・ケッセルの小説の映画化。全編に重苦しい雰囲気が漂うレジスタンスの闘士たちへのレクイエムです。

リノ・ヴァンチュラ、シモーヌ・シニョレが好演です。

バッファロー,ルピン,ジョニー,フィリップのいずれの闘士もレジスタンス活動を続けるなか,ゲシュタポに捕まり,非業の死を遂げます。そのことが告げられ,映画は幕となります。戦時下,ドゴール派の抵抗活動の様子を,虚飾のない抑制されたスタイルで描いた佳品です。



フォルカー・シュレンドルフ監督「ブリキの太鼓」(西独・フランス、1979年、142分)

2019-10-29 10:58:14 | 映画

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以下のような、奇怪な話が連続する。それだけ読めば、なんとも不条理なとりとめもない映画に思えるのだが、実際に観ると不思議な魅力をもった映画である。映画史ではかなり高い評価を得るのが常である。それもうなずける。

19399月l日、ダンツィヒの郊外のカシュバイの荒野で芋を焼いていたアンナ(ティーナ・エンゲル)がスカートのなかに逃亡兵を匿い、それが原因で(?)女の子が産まれる。

・第一次大戦、成長した女の子アグネス(アンゲラ・ヴィンクラー)はドイツ人のアルフレート・マツェラート(マリオ・アドルフ)と結婚。しかし、彼女は従兄のポーランド人ヤン(ダニエル・オルブリフスキ)と愛し合いオスカルを生む。

3歳になったオスカル(エンゲル・ベネント)は誕生日に、母からブリキの太鼓をプレゼントとしてもらう。この日からオスカルは成長がとまる(成長を拒否し自ら階段から落ち成長を止めた)。この時、オスカルは超能力をもつようになり、太鼓を叩きながら奇声をあげるとガラスがこなごなに割ることができるようになる。

・毎週木曜日になると、アグネスは安宿でポーランド郵便局に勤めるヤンと愛し合う。

・オスカルが市立劇場の大窓のガラスを割ったその日、第三帝国を成立を狙うヒットラーの声がラジオの拡声器をとおしてダンツィヒの街にに響いた。

・両親とサーカス見物に出かけたオスカルは、そこで10歳で成長を止めたという団長のベブラ(フリッツ・ハックル)に会う。オスカルは彼から小人の生き方を聞く。

・ヤンも含めた海岸に遠出したおり、岸に打ち上げられた馬の生首からウナギがはい出てくる。それを目にしたアグネスは激しく嘔吐する。実は彼女は妊娠していた。ヤンが父親である。

・その事件以来、魚をむさぼる彼女は自死する。

・やがて、ナチ勢力が跋扈し、ポーランド郵便局襲撃事件が起こる(19399月l日)。そこで銃殺されるヤン。


・マツェラート家に、オスカルの母親がわりに16歳の少女マリア(カタリーナ・タールバッハ)が来る。オスカルとベッドを共にする彼女は、やがてアルフレート(マツェラート)の妻になり、息子クルトを生む。


・クルトを自分の子と信じるオスカルは、その子が3歳になったら太鼓を贈ると約束する。

再会したベブラ団長と共に慰問旅行に出る。オスカルは慰問団のヒロイン、ロスヴィーダ(マリエラ・オリヴェリ)といい仲になるしかし、連合軍の襲撃の日、彼女は爆撃のなかで死んだ。

・クルトが3
歳の誕生日。ドイツ敗戦の前夜であった。銃撃戦でソ連兵に射殺されるマツェラート。

・マツェラートの葬儀の日、オスカルはブリキの太鼓を棺の中に投げ入れ、彼は成長していくことを決意する。


・祖母アンナ(ベルタ・ドレーフス)は彼を介抱しながらカシュバイ人の生き方を語る。


・成長をはじめたオスカルは、アンナに見送られ、汽事に乗ってカシュバイから西ヘと向かって行く。



マレーネ・ディートリッヒの美しさ

2019-10-28 20:10:48 | 映画

ジョゼフ・フォン・スタンバーグ監督『嘆きの天使』(ドイツ)1930年、80分     

 

 教育に携わる者は洋の東西を問わず,世俗から一線を画して人生を生きていがちです。そのため,世俗の世界に踏みこむと,そもそも免疫がないので,その世界に埋没し,身を滅ぼすことがあります。教育者たる男性の理性が女性の魔力に跪くとき,事態はもっと悲劇的です。

 この映画は,独身中年男性の教育者がその人生を破滅させていく悲劇的結末を,明快な構成で示した作品です。同時に,この映画の内容は,上映当時,ベルリンに花開いたワイマール文化を象徴していました。映画の主題は,悦楽を享受する大衆文化による旧来の古い道徳的,権威主義的な価値観の駆逐でした。

 原作は,ハインリッヒ・マンの小説「ウンラート教授(ダメ教授)」。ハインリッヒ・マンは「魔の山」で有名なトーマス・マンの弟です。

 舞台はドイツの港町,ハンブルク。イマヌエル・ラート(エミール・ヤニングス)はギムナジウムの英語教授で独身です。厳格な,しかし鼻持ちならない堅物教師で,生徒たちから「グズのラート教授」と綽名がつけられていました。

 ある日,ラート教授は悪戯生徒がもっていた踊り子の写真を発見し,その写真を手掛かりに彼らが「嘆きの天使」という居酒屋に通っていることを突き止めました。

 彼は居酒屋に見回りにでかけました。これがラート教授の運のつきでした。

 居酒屋には大勢の踊り子がいましたが,なかでも歌がうまかったのは,抜群の肢体の持ち主であったローラでした(マレーネ・ディートリッヒ)。

「嘆きの天使」に出入りするうち,ラート教授はローラに優しくされ,そこがすっかりいごこちのよい場所になってしまいました。

 ローラは、居酒屋
で官能的に唄います。「♪恋するために生まれてわたし,恋だけがわたしの生きがい。♪わたしはそういう女なの,わたしは恋しかできない女。♪寄ってくる男たちは火傷する,焔にむらがる蛾のように。♪恋するために生まれてわたし,わたしは恋しかできない女」

 ラート教授の噂は学校内のスキャンダルとなりました。この後の展開はいかに??

 1933年,ナチスがこの映画をその「退廃性」を理由に上映禁止としたことは有名です。ドイツ映画の凋落は,ナチスの台頭とともに始まりました。

監督: ジョセフ・フォン・スタンバーグ,製作: エリッヒ・ポマー,原作: ハインリッヒ・マン,脚本: ロベルト・リーブマン,撮影: ギュンター・リター,音楽: フリードリッヒ・ホレンダー 

出演: エミール・ヤニングス,マレーネ・ディートリッヒ,クルト・ゲロン,ハンス・アルベルス


世界的ベストセラー「アンネの日記」の映画化

2019-10-28 00:03:58 | 映画


ジョージ・スティーヴンス監督「アンネの日記」米、1959年、150分

「アンネの日記」は世界的ベスト・セラーになったアンネ・フランクの同名の日記の映画化です。

 舞台はオランダ。アンネはユダヤ人の少女。ナチスの強暴なユダヤ人狩りをのがれ,アンネは家族(父,母,姉)とともに,彼らに好意をもつクラレル氏の工場の屋根裏部屋で暮らしています。もしナチに見つかれば、そのまま収容所おくり。物音をたてないよう息をひそめる毎日,アンネは日記を書き続けます。

 屋根裏生活に別の家族が加わり,アンネはその家族の男の子ピーターと親しくなります。周囲の人にも温かく見守られ,若者らしい会話がかわされます。

 しだいに食糧がなくなり,共同生活が成立たなくなると思われた矢先,ラジオが連合軍のノルマンジー上陸を報道がありました。歓喜して,抱き合っているところに,靴の足音。しかし,足音はゲシュタポのそれでした。

 アンネもピーターも無慈悲に収容所に連行されていきます。何と悲しい結末でしょう。

 屈託なく,人間を信じて疑わなかったアンネを演じたミリー・パーキンスは,小柄で黒い大瞳,利発な顔立ちに短い黒髪,役柄にぴったりの少女でした。


グレン・ミラー物語(The Glenn Miller Story)アンソニー・マン監督、アメリカ、1954年

2019-10-27 21:10:31 | 映画
「ムーンライト・セレナーデ」などの名曲でビッグ・バンドの黄金時代を築いたスイング・ジャズの神様、グレン・ミラーの半生を、妻ヘレンとの愛情に重きをおいて映画化した作品である。ストーリーはいくつかのエピソードを織り込み、軽快な多数の音楽が挿入されて展開する。

 妻になるヘレンとの出会いと結婚。ロサンゼルスのベン・ポラック楽団に在籍するトロンボーン奏者グレン・ミラー(ジェームス・スチュアート)は、楽団が彼の出身地デンバーを訪れたさい、大学時代の同級生ヘレン(ジューン・アリスン)の家に二年ぶりで電話をかけ、仕事が終わり次第、訪問することを約束した。ヘレンは彼を待つがなかなか来ない。夜半になって、グレンは待ちくたびれて就寝中のヘレンを通りから大声をあげて起こし、パジャマ姿の彼女に質屋で求めた「真珠の首飾り」のフェイクを誕生日祝いにプレゼントした。

 翌日、二人は母校コロラド大学を訪れた。ヘレンは、グリークラブが歌う「茶色の小瓶」を大好きな曲だと言った。グレンはこれからシカゴ、ニューヨークと巡業に出ること、自分の楽団をもち、自分の音楽を作ることが夢であると話した。ところが、そこへ友人のチャーミーが車でグレンを迎えにきて、唖然としているヘレンをのこし、立ち去ってしまった。二年後、グレンはポラック楽団を辞め、苦しい生活の中で編曲を中心とした音楽づくりに苦労していた。夜のニューヨークの通りを歩いていると、ばったり知人に出会った。彼にショウのための新しい楽団編成への誘いを受けた。直後、グレンは街角で「茶色の小瓶」の曲を耳にし、突如ヘレンを思いだした。「結婚だ、もう待てない」と、別の男性と婚約中であった彼女を電話でロサンゼルスから呼び出し求婚。

 強引な結婚の後、やりくり上手なヘレンが貯めていた「グレン・ミラー楽団基金」でグレンはバンド活動を開始した。しかし、「本当の楽器の組み合わせが分からない」との模索の中、トラブルでバンドは解散、そしてヘレンの流産。その後、苦労の甲斐があり、知人の援助もあってバンドは復活。サックスとクラリネットをとりこんだ美しい演奏で大人気を得た。スイングを中心とした新しい音楽のスタイルが受け入れられ、レコードの売上げは驚異的な伸びを示した。二人の養子もでき、グレンもヘレンも幸せだった。おりしも第二次世界大戦、入隊の請願をしたグレンは大尉として任官通知を受けた。「軍の中でも自分の楽団を持ちたい」と言うグレンの願いがかない、軍の式典でのブルース演奏が、国を出る者に何よりの贈り物になったと評価されたのを契機に「グレン・ミラー楽団」が編成された。グレンは、戦時下のロンドンで連合軍の慰問演奏を続けた。

 連合軍の欧州上陸、パリ解放、終戦も間近と思われた一九四四年一二月、グレンはクリスマス特別番組に出演するために濃霧の大西洋をロンドンからパリに飛んだ。これが運命の搭乗となった。グレンの乗った飛行機はパリに着かず、彼は事故で帰らぬ人となった。クリスマスのパリからの生中継を、本国で子ども、友人のチャーミーと聴くヘレン。ラジオでグレン・ミラー楽団が奏でたのは、この日のヘレンのために彼が編曲したスウィング版「茶色の小瓶」であった。

 ルイ・アームストロング、シーン・クルーパ、モダネイヤーズ、フランセス・ラングフォード、マーティー・ナポレオン、ベイブ・ラッシンらの演奏家が特別出演している。


「愛の夢」~山浦文友香"Loves Dream " Harp Concert

2019-10-26 00:02:07 | 音楽/CDの紹介




大雨のなか、山浦文友香さんのハープコンサート(板橋区立文化会館)を聴きに行きました。曲目は、映画音楽(ムーンリバー、A Time For Us)、アイルランド民謡(サリーガーデン、ダニーボーイ)、日本の童謡や歌謡曲、クラッシック(月の光[ドビュッシー]、愛の夢[リスト]、亡き王女の為のパヴァーヌ[ラヴェル])など、バラエティーに富んだものでした。グランドハープとアイリッシュハープの2つを使い分けての演奏でした。

山浦さんの説明によると、グランドハープは弦が47本で40キロほど、ペダルが7つついています。アイリッシュハープのほうは、弦が27本で7キロほど、ペダルはありません。

 ハープ単独のコンサートは初めてでした。エッジの効いた、緩急自在の音色は、心にしみました。アッセルマンの「泉」を演奏してくれましたが、この人はハープの大御所のようで、彼が作曲したこの曲はハープの魅力を存分にひきだした、いい曲でした。

『マルクスの恐慌論』(桜井書店、2019年)

2019-10-25 00:04:43 | 経済/経営
編著者の小西一雄先生、前畑憲子先生から献本として、『マルクスの恐慌論』(桜井書店)が届きました。全体が770ページの大著です。偉業としかいいようがありません。全部を通し読みするのは,わたしにとってはいささか難儀で。「はじめに」と「あとがき」をこれから読みます。




こんな時代がありました!

2019-10-24 12:03:19 | スポーツ/登山/将棋
日本シリーズは、ソフトバンクが4連勝でした。工藤監督は名将の域に達しています。

わたしが子どもだったころの日本シリーズを思い出しました。3連敗した西鉄が稲尾の力投で4連勝した昭和33年の日本シリーズです。母が編み物をしながらラジオで聴いていたのを思い出します。母は西鉄を応援していたと思います。理由はわかりません。その影響があってわたしも子ども時代は西鉄ファンで、アンチ巨人でした。稲尾、中西、豊田の時代です。

いまはとくにどの球団をひいきにしている、ということはありませんが、心の底にはアンチ巨人があるのか、と思います。ソフトバンクのファンではありませんが、昨日はラジオを聴きながらしらずしらず、ソフトバンク側にたっていました。

手元に写真のような本がありました。新聞記事はその付録です。




マーヴィン・ルロイ監督「心の旅路」(アメリカ、1947年)

2019-10-21 23:51:21 | 映画
豊かな,しかしシリアスな人間ドラマを製作した1940-50年代のアメリカ映画のひとつです。グリア・ガースンの美しさが光ります。

第一次大戦末期、イギリス中部のメルブリッジの精神病院に、戦線で砲弾のショックで過去の記憶を失ったジョン・スミス(ロナルド・コールマン)という兵士が収容されていましたが、ある霧の深い日、彼は町からさまよいでてしまいます。ところがあるバーでポーラ(グリア・ガースン)と偶然出会います。彼女はジョンの境遇をしり、同情もあって、心をよせるようになります。ふたりはデヴォンの静かな片田舎で生活をはじめ、男の子が生まれます。

ジョンには原稿を書く仕事も入ってきます。しかし、ある日、新聞社を訪ねる途中で、車にぶつかり大けがをします。そのショックで忘れていた記憶がよみがえり、陸軍大尉時代の自分をとりもどしますが、逆にポーラとの3年間の生活が記憶から消えてしまいます。

ジョンは本来のチャールズ・レーニアになり、とんとん拍子に実業家として出世します。逆にポーラは家を出たまま行方不明になったジョンを探しますが、見つからず、男の子もなくし、途方にくれていました。偶然、雑誌の記事で実業家チャールズが秘書を探していることを知り、応募し採用されます。ポーラはジョンのもとで一生懸命働きますが、3年間の記憶を失っているジョンは気が付きません。さて、この二人の関係の行方は・・・。









台風19号余波

2019-10-15 00:44:03 | その他
就寝前、ラジオを聴いています。

台風19号による爪痕の実態がだんだん明らかになってきました。堤防の決壊による水害が広範で、住宅、建造物、田畑、ライフラインが致命的損害を受けています。

今回明らかになったのは、堤防とダムだけにたよる治水行政の限界です。自然の猛威の前では、ひとたまりもありません。

阿武隈川、千曲川、利根川、那珂川、信濃川など有名な大きな河川のほかに、名前を今まで聞いたこともない川が日本列島には毛細血管のように走っていますが、これらの河川のあちこちで決壊し、濁流が生活圏を侵食しています。

テレビでは、世田谷で多摩川が決壊し、床上浸水して困っている家族が、深刻な表情で写っていました。川越の水害も深刻ですし、北陸新幹線の「長野新幹線車両センター」で10の編成列車(一編成の製造費は33億円)が、水没しているのにも驚きました。停電も深刻です。

また雨が降り始めています。深夜にも強まるようです。台風が通り過ぎたからといって、まだまだ安心はできません。



台風(19号)一過

2019-10-13 20:12:04 | その他
台風一過。昨晩とはうってかわって静かな夜。一時は小さな「池」のように冠水していた自宅前の道路は、朝には水がひいていて、ことなきをえました。

しかし、今度の台風の被害は、報道されているように甚大です。血管のように走っている河川の堤防が、広域にわたって降った豪雨で決壊しています。山のほうで降った雨が下流に流れ、いまなお予断を許さない状況です。
写真は蓮田の元荒川です(自宅から2キロほど)。午後3時頃に撮ったものですが、水位が上昇し河川敷が水没し、決壊寸前だったことがわかります。