【岩崎俊夫BLOG】社会統計学論文ARCHIVES

社会統計学分野の旧い論文の要約が日課です。

時々、読書、旅、散策、映画・音楽等の鑑賞、料理とお酒で一息つきます。

安達朋博ピアノコンサート

2019-12-21 23:07:36 | 音楽/CDの紹介


安達朋博さんのピアノコンサートに出かけました。「いたばし afternoon concert」の第2回目です。場所は板橋区文化会館。

演奏曲は、チャイコフスキー「クリスマス」、ショパン「幻想即興曲」、ベートーベン「悲愴ソナタ」、ラフマニノフ「ヴォカリーズ」、リスト「愛の夢」「ラ・ヵンパネラ」「ノルマの回想」、ペヤチェヴィッチ「バラ・赤いカーネーション」などです。アンコールでは、「ニューシネマパラダイス」、他2曲を演奏しました。緩急自在の演奏で、実力者です。クロアチアで研鑽し、この国との音楽

交流の担い手でもあります。
無口なように見えましたが、トークが好きなようで、演奏曲の説明、自身のクロアチア体験、幼少のころの母親の思い出など、楽しそうに語ってくれ、記憶にいつまでも残るコンサートでした。

西村由紀江「ピアノ」

2019-12-15 16:17:14 | 音楽/CDの紹介
ピアニスト・西村由紀江さんのCD[ピアノ」です。西村さんの弾く曲は、どれも語りかけてくるリズムと音色です。時々、ラジオやメディアで何か語りかけてくるようなピアノだとふと耳を澄ますと、それは西村さんのピアノだったことはよくあります。

音楽的センスに乏しいわたしにもわかる優しさです。

1. ピアノ
2. 風の旅(BS朝日「世界の名画」のテーマ曲)
3. 忘れないために(「NHKアーカイブス」テーマ曲)
4. 道の途中で
5. 鬼政(テレビ朝日系「鬼龍院花子の生涯」より)
6. 前へ
7. 回想(BS日本「こころの歌」エンディング曲)
8. 椿(テレビ朝日系スペシャルドラマ「鬼龍院花子の生涯」テーマ曲)
9. あっ、見つけた
10. 世界をつなぐもの
11. 自由への階段
12. いつか帰る場所



「愛の夢」~山浦文友香"Loves Dream " Harp Concert

2019-10-26 00:02:07 | 音楽/CDの紹介




大雨のなか、山浦文友香さんのハープコンサート(板橋区立文化会館)を聴きに行きました。曲目は、映画音楽(ムーンリバー、A Time For Us)、アイルランド民謡(サリーガーデン、ダニーボーイ)、日本の童謡や歌謡曲、クラッシック(月の光[ドビュッシー]、愛の夢[リスト]、亡き王女の為のパヴァーヌ[ラヴェル])など、バラエティーに富んだものでした。グランドハープとアイリッシュハープの2つを使い分けての演奏でした。

山浦さんの説明によると、グランドハープは弦が47本で40キロほど、ペダルが7つついています。アイリッシュハープのほうは、弦が27本で7キロほど、ペダルはありません。

 ハープ単独のコンサートは初めてでした。エッジの効いた、緩急自在の音色は、心にしみました。アッセルマンの「泉」を演奏してくれましたが、この人はハープの大御所のようで、彼が作曲したこの曲はハープの魅力を存分にひきだした、いい曲でした。

横井久美子50周年記念コンサート(なかのゼロホール)

2019-07-24 14:49:32 | 音楽/CDの紹介
先日の日曜日、横井久美子さんの50周年記念のコンサートが「なかのゼロホール」でありました。

横井さんの名は、わたしがまだ学生だった頃、周囲に歌声運動があり、そこから知りました。「たんぽぽ」「橋をつくったのはこの俺だ」「うどん屋娘」など、明るい歌が多かったです。レコードも買い、いまでも手もとにあります(レコードのジャケットは下に掲載)。

今回は50周年ということで、横井さんは30曲ぐらい歌いました。知らない歌ばかりでしたが、楽しい2時間でした。ファンが多いようで、このホールがほとんど満員でした。1000人ぐらいのお客さんはいたのではないでしょうか?




野木交響楽団 第8回定期演奏会

2019-07-10 20:03:03 | 音楽/CDの紹介


先日の日曜日、野木交響楽団「第8回定期演奏会」に出かけました。野木駅は宇都宮線の古河駅のひとつ先です(蓮田からみて)。この駅に降りたのは初めてです。会場のエニスホールも初めてです。

演奏曲目はロッシーニの歌劇「泥棒かささぎ」序曲、ドヴォルザークの序曲「謝肉祭」(作品92)、そしてブラームスの交響曲第1番・ハ短調(作品68)でした。

アンコールでは、ハンガリー舞曲、星に祈りを、そしてどういうわけか映画「男はつらいよ」の主題歌でした。

この交響楽団もかなりの実力があります。指揮者の田村さんがよくまとめていました。コンサートマスターの石井さん、クラリネットの植田さんの演奏姿勢が目立ちました。クラリネットは安定感があり、音に深みが感じられました。ティンパニはしっかり、全体をしめていました。ブラームスの一番は圧巻でした。


春日部交響楽団第27回定期演奏会 メンデルスゾーン「ヴァイオリン協奏曲 ホ短調」・ベートーヴェン「交響曲第5番 運命」

2019-05-26 20:48:37 | 音楽/CDの紹介


今日は暑かったですが、音楽会の会場で、心身ともリフレッシュしました。

春日部交響楽団第27回定期演奏会が春日部市民会館「大ホール」でありました。曲目はメンデルスゾーン「ヴァイオリン協奏曲 ホ短調」とベートーヴェン「交響曲第5番 運命」です。指揮者は臼木忠臣さんです。

アマチュアのオーケストラですが、なかなかの実力です。メンデルスゾーンのヴァイオリン・コンチェルトでは安藤梨乃さんがヴァイオリンを弾きました。久しぶりの本格的なヴァイオリンの音色に感動しました。

ベートーベンの5番はもう何度も聴きましたが、聴くたびに新鮮です。弦楽器に力量が感じられ、木管もよく響いていました。

埼玉県にはこのような市民オーケストラがたくさんあるようで、これからいくつかまわってみようと思います。

ショスタコ-ヴィッチ「交響曲第5番『革命』」(埼玉中央フィル第23回定期演奏会)

2019-05-22 10:53:30 | 音楽/CDの紹介


19日、ショスタコヴィッチ「交響曲第5番『革命』」(埼玉中央フィル第23回定期演奏会)が久喜総合文化会館大ホールであり、聴きにいきました。この演奏曲の前に、ベルリオーズ「ファウストの功罪」よりラコッツィ行進曲、ドリーブ「バレエ組曲『コッペリア』より」が演奏されました。指揮者は、岸本祐有乃さんです。

このオーケストラはアマチュアですが、かなりのレベルです。「革命」はよくまとまっていましたし、迫力があり、団員一丸となって最後(第4楽章)をもりあげました。コンサートマスターはかなりの実力者との印象をもちました。曲がすばらしいのはもちろんです。

今回よくわかったのですが、ティンパニはみせどころがたくさんあります。ハープやピアノが入っているのは以外で、CDなどでは気が付きませんでした。

Duo Concert 河野彩&Sebastien VICHARD (於:ソフィアザール・サロン[東京・駒込])

2019-01-07 00:02:48 | 音楽/CDの紹介
   

画像にあるヴァイオリンのコンサートが駒込(ソフィアザール・サロン)でありました。河野彩さんは、嘗て、わたしの勤務先での同僚の娘さんです。今はパリで、演奏に励んでいますが、一時帰国されての新年の演奏会でした。会場は個人の家の2階がコンサート用のつくりになっているというもので、50人も入ると満員です。この日は補助の椅子もでて、盛況でした。演奏者のすぐ近くで、本格的生演奏が聴けるのですから、贅沢そのものです。

 曲目は次のとおりでした。
・プロコフィエフ ヴァイオリンとピアノのための5つのメロディー 作品35 (1925年)
・モーツアルト ヴァイオリンとピアノのためのソナタより
 KV8  ト長調 2楽章 アダージョ(1764年)
 KV306 ニ長調 3楽章 アレグレット (1778年)
 KV380 変ホ長調 2楽章 アンダンテ コン モート (1781年)
 KV379 ト長調 1楽章 アダージョ~アレグロ (1781年)
・ブラームス ヴァイオリンソナタ第1番 ト長調 作品78 (1879年)

・石島正博 La Foret de Puijo 
 
 河野さんの演奏は感情、感性がヴァイオリンの音色に託していかんなく発揮され、そこが素晴らしいと思います。この日のブラームスのソナタの演奏は圧巻でした。

 ピアノのセバスチャン・ヴィシャールさんとの息もぴったりで、癒しと至福のひとときでした。充実した音楽会でした。

「イル・ディーボ東京公演」(日本武道館)

2018-09-22 14:24:39 | 音楽/CDの紹介
 

イル・ディーボの東京公演がありました。場所は日本武道館です。2年半前には、東京公演のチケットがとれず、仙台公演に出かけましたが、今回は運よく入手できました。

 会場は満席です。8割くらいが女性です。あるいは9割くらいかもしれません。わたしは一階席のD=10の席でした。

 公演の内容は、最近、発売された「TIMERESS」からのもの、過去に人気の高かかったものなどです。ラテン系の曲、ビートルズ・ナンバー、オペラなでレパートリーの広さは定評があります。カクテル光線のなか、重厚なハーモニーが会場いっぱいに広がります。ペン・ライトを振る女性、スタンディングで踊りだす女性、もりあがりがすごいです。

 メンバーのなかでは、ウルスの声量に深みがでてきたことが印象的でした。4人のコーラスは円熟の味わいです。アンコールは、「マイ・ウェイ」でした。

川井郁子ヴァイオリン・コンサート

2018-05-12 20:26:12 | 音楽/CDの紹介

川井郁子Violin Concert                                  

 川井さんのヴァイオリン・コンサート(於:川口総合文化センター・リリア音楽ホール)に行きました。円熟しつつある彼女の演奏に堪能しました。

 プログラムは以下のとおりです。
<Part1>
①リベル。タンゴ(アストル・ピアソル)

②水風景(川井郁子)
③パッション・イン・ブルー(川井郁子)
④亡き王女のためのパヴァーヌ(モーリス・ラヴェル)
⑤チャルダッシュ(ヴァイットリオ・モンティ)
⑥序奏とロンド・カプリチオーゾ(カミーユ・サン=サーンス)
<Part2>
①花音ーかのんー(川井郁子)
②夕顔(川井郁子)
③エル・チョクロ(アンヘル・ヴィッジョルド)
④ラ・クンパルシータ(マトス・ロドリゲス)
⑤レッド・バイオリン(ロドリーゴ/アランフェス協奏曲より)

*以上の他に数曲オリジナル曲が入りました。

 曲目はタンゴあり、自作の曲あり、クラシックのアレンジがあり、バラエティーにとんでいました。「花音」は最近生まれたお子さん(1歳3か月)の娘さんの名前です。ヴァイオリニストでありながら女性として、母として演奏に、作曲に精力的にとりくんでいます。ピアノにフェビアン・レザ・パネさん、ギターに天野清継さんが付いていました。

 川井さんの特徴は自分で作曲したものがかなり入っていること、ラテン系の官能的な演奏に魅力があること、そしてクラシックからの編曲がプログラムに入っていることです。この日は、これら3つの要素が如何なく発揮されて、バイオリンの音色は多彩でに、秋の冷気に響いてさえわたっていました。

 第一部は白いドレス、第二部は青のドレス、演出効果もありました。

 10月からは朝のラジオ番組にレギュラー出演とのこと、また近々ニューヨークのカーネギーホールの演奏も決まっているそうです。何故、こんなことを知っているかというと、演奏は軽いトークを挟みながら進んだからです。

 アンコール曲は「浜辺の歌」でした。情感のこもった演奏でした。

おしまい。


茂木大輔『オーケストラ楽器別人間学』新潮社、2002年

2018-02-12 10:05:49 | 音楽/CDの紹介
 
茂木大輔『オーケストラ楽器別人間学』新潮社、2002年。
 
 どういう人がどういう楽器を選ぶか?(第1章:楽器選択運命論)。 いかなる楽器がいかなる性格をつくるか?(第2章:楽器別人格形成論)。第3章では、有名人がどの楽器に合うかをみたてています。趣旨がよくわかります。

 第2章は、楽器ごとに「音色」「合奏機能」「演奏感覚」が示されているので、参考になることが多いです。

 「みのもんた」は指揮者、「石原慎太郎」は「ティンパニ」、松田聖子は「コンサートマスター」、「爆笑問題」の二人はヴァイオリンとピアノ。見立てが面白いです。

 著者はオーボエ奏者ですが、なぜオーボエを選んだかというと、「細くて、円錐形で、美しく感じられたから」だそうです。それではさらに何故、トランペットやフルートでなかったというと、この2つはあまりにも多くの演奏家がいるからだそうです。著者は、「人知れず」努力することが好きなんだそうです。

 そして、オーボエという楽器に性格を育てられたそうです。「弱腰で」ヘナヘナした芸風だったおれは、照れくさくとも堂々と発言しなければダメな場面があることを、オーボエの演奏上の課題を通じて教えられた、とあります。つまり、オーボエを吹くことで、自分の性格に変化をもとめられた」のだそうです(p.299)。

「混声合唱とオーケストラのためのカンタータ・土の歌」(佐藤眞作品集)

2016-08-06 18:00:00 | 音楽/CDの紹介

        

 一年に一度、NHKだったと思いますが、高校生の合唱コンクールがあります。時間があれば見ます(テレビ)。合唱、コーラスは、テーマをもった歌を多数の人たちで作り上げ、そのプロセスが見えるので、好きです。
 子どもが小学生、中学生だったころには学級ごとのコーラスのコンクールのようなものがあるのが普通で、親御さんは子どもの成長をかみしめながらそれを聴きます。その親御さんも自分たちがその経験をもっていて、その記憶とともに子どもたちの歌を鑑賞するのです。

 最近、よく取り上げられるのが、大木敦夫作詞・佐藤眞作曲の「土の歌」の第7楽章です。第7楽章しか知らず、ほかの各章はどのようなものかを知りたくてこのCDを買って聴いているところです。

 第7楽章の歌詞は、以下のとおりです。

 母なる大地のふところに
 われら人の子の喜びはある
 大地を愛せよ
 大地に生きる人の子ら
 その立つ土に感謝せよ

 平和な大地を
 静かな大地を
 大地をほめよ たたえよ土を
 恩寵のゆたかな大地を
 われら人の子の
 大地をほめよ
 たたえよ 土を

 母なる大地を
 たたえよ ほめよ
 たたえよ 土を
 母なる大地を ああ
 たたえよ大地を ああ
 
<CD収録作品> 東京混声合唱団
「混声合唱とオーケストラのためのカンタータ・土の歌」
第1楽章 農夫と土
第2楽章 祖国の土
第3楽章 死の灰
第4楽章 もぐらもち
第5楽章 天地の怒り
第6楽章 地上の祈り
第7楽章 大地讃頌

「混声合唱団のための組曲・蔵王」
・蔵王讃歌
・投げよう林檎を
・苔の花
・どっこ沼
・おはなし
・雪むすめ
・吹雪
・樹氷林
・早春

「混声合唱のための組曲・旅」
・旅立つ日
・村の小径で
・旅のよろこび
・なぎさ歩めば
・かごにのって
・旅のあとに
・行こうふたたび


「イル・ディーボ ライヴ・アット・ザ・グリーク」(IL DIVO LIVE at the Greek Theatre)

2016-08-05 18:00:00 | 音楽/CDの紹介

                

「IL DIVO」が結成された2004年の2年後、ロサンゼルスのグリーク・シアターでの公演。4人のメンバー、カルロス、デービット、ウルス、セバスチャンがまだ若い。溌剌としたステージです。
 すでにこの頃から、4人の声量の大きさ、豊かさ、そしてそのハーモニーが美しく響いています。イル・ディーボォのマジックが前面に出ていて、心地よいです。 
 
・Unbreak my heart(アンブレイク・マイ・ハート)
・All by myself(オール・バイ・マイセルフ)
・Passera(パセラ)
・Nella fantasia(ネッラ・ファンタジア)
・Rejoice(リキョジョイス)
・Pour que tu M'almes encore(愛をふたたび)
・I believe in you(ビリーブ・イン・ユウ)
・Unchained melody(アンチェインド・メロディ)
・Everytime I look at you(アブリタイム・アイ・ルック・アット・ユウ)
・Si tu me amas(君が愛してくれるなら)
・Feelings(フィーリング)
・Mama(ママ)
・Somewhere(サムホエア)
・Heroe(ヒーロー)
・My way (マイ・ウェイ)



 

 


メジューエワ・ピアノ・リサイタル(東京文化会館・小ホール)

2016-07-21 18:08:30 | 音楽/CDの紹介

      
  6月18日に、メジューエワさんのピアノ・リサイタルで、ショパンのノクターン全曲を聴きました。メジューエワさんの演奏は、かつて、新宿の朝日カルチャーセンターでベートーヴェンのピアノソナタ全曲をリレー講座で聴いたことがあり、それ以来、ファンです。

 場所は上野の東京文化会館小ホールでした。この演奏会場は初めてでした。ここにあるピアノは、日本ピアノサービス株式会社が所有している、1925年制作の年代ものです(下の画像)。およそ90年前にこの世に出たものですが、しっかりした音です。小さな音もよく響きます。

 メジューエワさんはいつものように、楽譜と対話しながら、ゆったりとした姿勢で、ショパンを奏でました。


           
 
 


プッチーニ作曲「トゥーランドット」(DVD決定版 オペラ名作鑑賞7)②

2016-07-12 20:16:56 | 音楽/CDの紹介

       

 「ラ・ボエーム」「蝶々夫人」「トスカ」などで有名なプッチーニ(1858-1924)の最後のオペラ作品がこの「トゥーランドット」です。しかもプッチーニはこの作品の制作中に亡くなり(1924年)第三幕のリューの死のあとは、フランコ・アルファ―ノ(1875-1954)によって補筆されました。

 原作はカルロ・ゴッツイ(1720-1806)の「トゥーランドット」です。この原作は1710-12年に出版された「千一日物語」にある「カラフ王子と中国の皇女の物語」にヒントを得たものです。ゴッツイの作品をシラーが翻案し、プッチーニが自らの音楽人生を込めて作りあげたのが、プッチーニ作曲の「トゥーランドット」です。

 この作品には例えばリューという家政婦がでてきてます。リューのモデルはドーリア・マンフレディという実在の女性です。ドーリアはプッチーニが自動車事故で大けがをしたときに世話をたのんで雇われた娘です。この事故ではプッチーニの妻エルヴィーラも子どもも同乗していて巻き込まれましたが、幸い二人は軽傷で済みました。ところが、妻のエリヴィーラはプッチーニとドーリアとが関係を結んでいると勘違いし、彼女を迫害し始めました(1907年)。このことが原因でドーリアは1909年に服毒自殺しました。プッチーニは自らの作品のなかにこのドーリアをリューの姿に昇華させたと言われています。

 今回、2つの「トゥーランドット」を見ました。ストーリーが明快で、ピン、パン、ポンという宦官の役割も面白く、吸い込まれるように観ました。ウィーン国立劇場版は、カラフを若きホセ・カレーラスが演じています。イタリアRAI放映版(1958年)は、舞台ではなく映像です。
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■イタリアRAI放映版(1958年)
<第一幕>

1.オープニング
2.北京の人民よ
3.砥石をまわせ
4.まだ、月は昇らないのか
5.ご主人様、お聞きください
6.泣くな リュー

<第二幕>
7.おい パン! おい ポン!
8.厳粛な雰囲気の中で
9.北京の人民よ
10.この王宮で それは幾千年も前のこと
11.異国の王子よ 聞きなさい
12.あなたは わたしに3つの謎をかけ

<第三幕>
13,姫のご命令は 次の通りである
14.誰も寝てはならない
15.心に秘めた 大きな愛です
16.氷のように冷たい姫君も
17.死の王女よ
18.私はどうなったのかしら
19.一万年もの間


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音楽:ジャコモ・プッチーニ
台本:レナード・シモーニ、ジュゼッペ・アダーミ

指揮:フェルナンド・プレヴィターリ

演出・舞台装置:マーリオ・ランフランキ

<配役>
トゥーランドット:ルチッレ・ウドヴィック
カラフ:フランコ・コレッリ

リュー:レナータ・マッティオーリ
ティムール:プリニオ・クラバッシ
ピン:マーリオ・ボッリエッロ
パン:マーリオ・カルリン
ポン:レナート・エルコラーニ

役人:テオドーロ・ロヴェッタ

演奏:RAIミラノ放送管弦楽団・合唱団