何かが違う。
いつもと同じ日常のはずが、どうも少しずつ違う。
部屋が、家具の位置が、微妙にずれている。
そして、夫が、子どもたちが他人のように感じる。
わけもなく涙があふれてくる。
一体わたしはどうしたのだろう。
鏡に映る自分の顔さえも、違って見えるのだ。
この主人公はうつなのか、それとも二重人格者なのか。
観始めていくうちに、そんな視点でストーリーを追っていくことになるのだが、そうした憶測もラストへ向かって覆されていく。
8才より前の記憶を失っているジャンヌ。
自身の過去を取り戻す行動を起こし、やがて事実を知ることに。
そして本来の自分に戻り、生活をやり直していく。
”ジャンヌとして”ずっと生きてきた彼女である。
これからも“ジャンヌ”は彼女と共にあり続けるのだろう。
「ソフィー・マルソーとモニカ・ベルッチ共演」という、なかなかお目にかかれなさそうな作品であるが、これがなぜか日本では未公開だったのが不思議である。
ストーリー的には、じりじりと引っぱっていきながら、後の展開を期待させる見せ方はよかったように思うが、どうも無駄な場面が多かったことは否めない。
ジャンヌの顔が徐々に変化していくさまや、体型が極端に変形するところなど、デビッド・リンチ監督が描く異物たちのようである。(ちょっとホラー的というか。)
グロテスクとまではいえないかもしれないが、ああいった演出は必要なのかどうか疑問である。
「過去を振り返らないで」という原題に反して、ジャンヌはあえてその真実に立ち向かう。
それは彼女にとって、大きな悲しみを知ることである。
だが、いわゆる呪縛から解き放たれたような彼女の安堵した表情を見れば、過去に立ち返ってむしろよかったのだと思いたくもなった。
いつもと同じ日常のはずが、どうも少しずつ違う。
部屋が、家具の位置が、微妙にずれている。
そして、夫が、子どもたちが他人のように感じる。
わけもなく涙があふれてくる。
一体わたしはどうしたのだろう。
鏡に映る自分の顔さえも、違って見えるのだ。
この主人公はうつなのか、それとも二重人格者なのか。
観始めていくうちに、そんな視点でストーリーを追っていくことになるのだが、そうした憶測もラストへ向かって覆されていく。
8才より前の記憶を失っているジャンヌ。
自身の過去を取り戻す行動を起こし、やがて事実を知ることに。
そして本来の自分に戻り、生活をやり直していく。
”ジャンヌとして”ずっと生きてきた彼女である。
これからも“ジャンヌ”は彼女と共にあり続けるのだろう。
「ソフィー・マルソーとモニカ・ベルッチ共演」という、なかなかお目にかかれなさそうな作品であるが、これがなぜか日本では未公開だったのが不思議である。
ストーリー的には、じりじりと引っぱっていきながら、後の展開を期待させる見せ方はよかったように思うが、どうも無駄な場面が多かったことは否めない。
ジャンヌの顔が徐々に変化していくさまや、体型が極端に変形するところなど、デビッド・リンチ監督が描く異物たちのようである。(ちょっとホラー的というか。)
グロテスクとまではいえないかもしれないが、ああいった演出は必要なのかどうか疑問である。
「過去を振り返らないで」という原題に反して、ジャンヌはあえてその真実に立ち向かう。
それは彼女にとって、大きな悲しみを知ることである。
だが、いわゆる呪縛から解き放たれたような彼女の安堵した表情を見れば、過去に立ち返ってむしろよかったのだと思いたくもなった。