我が家の場合は1FのLDKが一直線の長方形大空間になっていて、キッチンを仕切れない。
いつまでも6畳足らずの猫部屋に閉じ込めるわけにも行かず、しきりと脱走したがるのでキッチン進入防止柵を作ってLDKを猫に解放した。
キッチン進入防止柵は市販で有ると思ったが、どれもコレもピンと来るものが無かった。犬と違って猫は脱走能力に長けているので十分な高さが必要かつ間口が1200mm有り天井までの空間を仕切る、という構造からどうやって扉を付けるのかが問題だった。
市販だと間仕切り用折れ戸が一番イメージに近かったが、キッチンを閉ざすと開放感が無いどころか夏場が地獄になる。
吊り戸をDIYするしかないが、1200mm巾の扉の自重を支える強度を考えると、ホームセンターを数回うろうろしても良い構造が思いつかなかった。結局、上部はカーテンレールで位置と開閉ガイドとし、引き戸の底面にキャスターを付けて自重はそこで支えることにした。引き戸は2枚の単純な突き合わせで、簡単な引っかけ鍵で猫が開けれないようにすれば良い。
引き戸は桟の2x2材を日の字に組んで、柵として18φの丸棒をおよそ5cm間隔で9本並べる構造で、外寸はH1820xW636mmになる。
材料は6F 2x2ホワイトウッドを6本、1820mm18φの丸棒を18本、H50mm一方向キャスターを4ヶ、L金具 8枚、3000mmカーテンレールなど。全てホームセンターで、木材は2軒はしごして捩れていないものを選んだつもりだ。
柵は横桟に10mmの丸穴を掘り込んで嵌め込んだだけの固定無しだが、失敗したのは18φの丸棒に10φの丸穴だとサイズがきつ過ぎる点だ。桟の捩れ、下穴の角度ブレ、丸棒の捩れが合わさって桟を組み立てられなくなる。
丸棒の差し込み部位を紙やすりで削ってリカバーしたが、実はここが一番手間が掛かった部分だ。
丸棒の数が上下36本でその両端なので72カ所もあり、TVを見ながら、家人に手伝わせながらシコシコやったが、翌日の筋肉痛も半端なかった。
桟は単純な突き合わせで75mmコーススレッドで1カ所固定、歪みを力業で補正しつつ角をL金具で固定した。
工作精度に自信が無いこと、材の捩れで全体が歪むことを前提として、どうやって帳尻を合わせるか考えた結果だが、うまく精度が出たようで、2枚合わせたときの隙間もほとんど無い。全体の強度も十分で歪んだりはしなくなった。
塗装はワトコオイルのナチュラルで、もっと濃い方が良かったかもしれない。
家人の評価も上々で猫どもは進入できないが、うっかり鍵を閉め忘れて大変なことになったりもしている。奴らは引き戸なら簡単に開けてしまう。
猫たちは領域が増えたおかげで脱走指向が薄れたが、次は網戸の季節が始まる。