おじさんの映画三昧

旧作を含めほぼ毎日映画を見ております。
それらの映画評(ほとんど感想文ですが)を掲載していきます。

ブッシュ

2024-07-07 07:12:45 | 映画
「ブッシュ」 2008年 アメリカ           

     
監督 オリヴァー・ストーン                         
出演 ジョシュ・ブローリン エリザベス・バンクス
   ジェームズ・クロムウェル エレン・バースティン
   リチャード・ドレイファス スコット・グレン
   タンディ・ニュートン ジェフリー・ライト
   ブルース・マッギル デニス・ボウトシカリス

ストーリー
多くの政治家を輩出してきたアメリカの名門ブッシュ家。
“W”(ダブヤ)ことジョージ・W・ブッシュも、後に第41代大統領となるジョージ・H・W・ブッシュの長男として重い期待を背負っていた。
しかし、偉大な父親の影に早々に押しつぶされていく。
父と同じ名門エール大学には入ったものの、在学中も卒業後も厄介事ばかりを引き起こし、いつしか家名を汚す不肖の息子となり果て、父の期待は弟ジェブにばかり向けられるようになる。
それでも、1977年にようやく“家業”の政治家を目指す決意を固めたW。
同年、生涯の伴侶となる図書館司書のローラとの出会いも果たす。
その後、88年の大統領選を目指す父の選挙戦を手伝うことになったWはその勝利に貢献するが、父の背中はますます遠ざかり、自分の存在はますます小さくなっていくと落胆する。
そんなひがみ根性が募る中、Wは“お前が大統領になるのだ”と神の啓示を聞いてしまい…。


寸評
つい先日まで政権の中枢にいた人々が実名で登場するのに驚く。
日本では作れない映画の一つだ。
ブッシュ前大統領はイラク政策の失敗があって決してよい大統領でなかったと思うのだが、この映画を見ると彼も実に人間的な弱さを持ったかわいげのある男だったと思わせる。
映画はイラク攻撃を馬鹿げた議論で決定していく様と、彼の生い立ちにおける苦悩を交互に描きながら、この男がアメリカ大統領であったことの不幸を描き出す。
それでも、父親への反感、兄弟間の競争、二人の子供への両親の期待度の違いなど、ごく普通に存在する家庭内の問題にむしろ目が行く。
彼もかわいそうな男だったんだなあの思いだけが残る。
イギリスのトニー・ブレアと散策しながら協力を要請し、フランスのシラク大統領には拒絶され、ロシアのプーチン大統領には慰められるところなども面白い。
「フランスが何か言った時には絶対に反対してやる」には笑った。
日本も喧々諤々だったイラク問題だが、各国の協力度合いの報告を受け、地雷除去の猿を送ってくる国もある中で「日本は調査団を派遣」とだけ触れられる。
もちろん小泉首相との対談シーンはない。
アメリカにとっての盟友はやはりイギリスなのだ。
この映画を見ていると、もちろん最終決定権者は大統領だから彼の責任ではあるのだが、イラク問題に関して言えばチェイニーが一番悪いんじゃないか?
どうもアメリカも中国もロシアも中華思想があってその覇権主義は、僕にとってそれらの国々を好きになれない国家としている。


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