「ウォーターボーイズ」 2001年 日本
監督 矢口史靖
出演 妻夫木聡 玉木宏 三浦アキフミ
近藤公園 金子貴俊 平山あや
眞鍋かをり 竹中直人 杉本哲太
谷啓 柄本明 徳井優 川村貴志
ストーリー
廃部寸前の唯野男子高校水泳部。
部員は、根性無しの3年・鈴木(妻夫木聡)ただひとり。
ところが、そんな水泳部の顧問に美人新任教師の佐久間先生(眞鍋かをり)が就任したことから、たちまち部員が28人に膨れ上がったが、佐久間先生の目的は男子のシンクロナイズドスイミング部を作ることだったのだ!
結局、残ったのは鈴木と、いい加減な性格の元バスケ部の佐藤(玉木宏)、ガリガリのダンス少年・太田(三浦哲郎)、秀才だがカナヅチの金沢(近藤公園)、なよっちい早乙女(金子貴俊)の5人。
しかも、佐久間先生が勝手に文化祭に参加することを申請してしまった為に、彼らは後に引けなくなってしまう。
そんな矢先、頼りの佐久間先生が突然の産休。
これ幸いと5人は文化祭参加を辞退しようとするが、周囲の陰口に鈴木が奮起。
夏休み、水族館のイルカショウの調教師・磯村(竹中直人)の指導の下、5人の合宿が始まった。
新学期に入ると、5人のことがテレビで話題になって部員の数も増え、彼らは本格的な練習に入る。
しかし文化祭前日、学校で小火騒ぎが発生。
プールの水が消火に使われて、注水に時間を取られてしまう。
このままでは、発表会の時間に間に合わない。
その時、近所の桜木女子高校の文化祭委員が特別にプールを貸してくれると申し出てくれた。
こうして、沢山の観衆が見守る中、ウォーターボーイズたちは見事な演技を披露することに成功するのであった。
寸評
始まってすぐに水泳大会となり、妻夫木聡の鈴木が周りを寄せ付けないダントツの1位でゴールと思いきや、皆はゴールして既にプールから上がっているダントツの最下位という幕開け。
これにより、この作品は青春学園ドラマの形を取ったコメディなのだと知らされる。
個性的な男子高校生たちが、気色の悪い男のシンクロに挑むという設定がバツグンにおもしろい。
アフロヘアで頭を焦がしてしまう佐藤や、オカマの早乙女など特異なキャラクターがはしゃぎまくる。
彼らのドタバタぶりをベタな笑いで観客を楽しませるサービス精神満点の映画だ。
ただしリアル感は全くないしドラマ的な魅力もないから、「なんだこの映画?」と思う人もいるかもしれない。
登場人物の精神や行動動機に斬り込むシリアスドラマではないことを理解したうえで見ると、ギャグ満載の軽妙な作品に仕上がっていると思う。
男子の新体操やシンクロは時々目にするが、オリンピック種目にはないマイナーな競技だ。
マイナースポーツを描いた作品といえば、周防正行監督の「シコふんじゃった」などが思い浮かぶが、そこまでの深みのない映画ではある。
しかし矢口監督はそんな路線はハナから狙っていないのだろう。
学校名からして「唯野高校」で、文字を変えれば只の高校となって、彼等の通う学校が偏差値の高い学校ではないことがわかる。
そんあ彼らを取り巻くのが、トレーナー役となる水族館員の竹中直人、オカマスナックのママである柄本明など一筋縄ではいかない役者連中。
こういう役は竹中直人しか出来ないと思わせるし、柄本明のオカマなどは気色悪さ以外の何物でもない。アップで登場した時は吹き出してしまった。
先生役の杉本哲太や眞鍋かをりが随分とまともに見えてしまう。
プールの争奪戦での金魚すくい場面や、早乙女の告白場面など数え上げたらきりがない小ネタが散りばめられている。ただしそれらはあくまでも小ネタであって、漫才が笑いをとり続ける為に次から次へと出す小気味よい会話の様である。
無理やり作った笑いが多いわりには全然イヤミなく仕上がっているのは矢口監督の手腕なのかもしれない。
矢口監督の新しいパターンの作品として記憶に留めておいてもよい作品だな。
使用される音楽はフレーズが短いのになぜか耳に残る。
「伊勢佐木町ブルース」の青江美奈のため息フレーズ、ベンチャーズの「ダイヤモンドヘッド」やフィンガー5の「学園天国」などだ。出演者やスタッフたちが心から楽しんでいるのがわかるので、音楽もウキウキ感で素直に入ってくる。
高校生たちの演技はみんなヘタなんだけど、一生懸命にやっているから好感が持てる。
散々ふざけておいて、スタッフ、キャストの熱意を見事に結実させたのがラストの素晴らしすぎるシンクロ演技だ。
プールサイドで演じる前フリのオーバーアクションから一転して、プールで演じられるシンクロはゾクッとさせられ、これはもう素直に拍手するしかなかった。
前半部分の軽さはここに持ってくるためだったのだと悟らされたシンクロシーンだった。
監督 矢口史靖
出演 妻夫木聡 玉木宏 三浦アキフミ
近藤公園 金子貴俊 平山あや
眞鍋かをり 竹中直人 杉本哲太
谷啓 柄本明 徳井優 川村貴志
ストーリー
廃部寸前の唯野男子高校水泳部。
部員は、根性無しの3年・鈴木(妻夫木聡)ただひとり。
ところが、そんな水泳部の顧問に美人新任教師の佐久間先生(眞鍋かをり)が就任したことから、たちまち部員が28人に膨れ上がったが、佐久間先生の目的は男子のシンクロナイズドスイミング部を作ることだったのだ!
結局、残ったのは鈴木と、いい加減な性格の元バスケ部の佐藤(玉木宏)、ガリガリのダンス少年・太田(三浦哲郎)、秀才だがカナヅチの金沢(近藤公園)、なよっちい早乙女(金子貴俊)の5人。
しかも、佐久間先生が勝手に文化祭に参加することを申請してしまった為に、彼らは後に引けなくなってしまう。
そんな矢先、頼りの佐久間先生が突然の産休。
これ幸いと5人は文化祭参加を辞退しようとするが、周囲の陰口に鈴木が奮起。
夏休み、水族館のイルカショウの調教師・磯村(竹中直人)の指導の下、5人の合宿が始まった。
新学期に入ると、5人のことがテレビで話題になって部員の数も増え、彼らは本格的な練習に入る。
しかし文化祭前日、学校で小火騒ぎが発生。
プールの水が消火に使われて、注水に時間を取られてしまう。
このままでは、発表会の時間に間に合わない。
その時、近所の桜木女子高校の文化祭委員が特別にプールを貸してくれると申し出てくれた。
こうして、沢山の観衆が見守る中、ウォーターボーイズたちは見事な演技を披露することに成功するのであった。
寸評
始まってすぐに水泳大会となり、妻夫木聡の鈴木が周りを寄せ付けないダントツの1位でゴールと思いきや、皆はゴールして既にプールから上がっているダントツの最下位という幕開け。
これにより、この作品は青春学園ドラマの形を取ったコメディなのだと知らされる。
個性的な男子高校生たちが、気色の悪い男のシンクロに挑むという設定がバツグンにおもしろい。
アフロヘアで頭を焦がしてしまう佐藤や、オカマの早乙女など特異なキャラクターがはしゃぎまくる。
彼らのドタバタぶりをベタな笑いで観客を楽しませるサービス精神満点の映画だ。
ただしリアル感は全くないしドラマ的な魅力もないから、「なんだこの映画?」と思う人もいるかもしれない。
登場人物の精神や行動動機に斬り込むシリアスドラマではないことを理解したうえで見ると、ギャグ満載の軽妙な作品に仕上がっていると思う。
男子の新体操やシンクロは時々目にするが、オリンピック種目にはないマイナーな競技だ。
マイナースポーツを描いた作品といえば、周防正行監督の「シコふんじゃった」などが思い浮かぶが、そこまでの深みのない映画ではある。
しかし矢口監督はそんな路線はハナから狙っていないのだろう。
学校名からして「唯野高校」で、文字を変えれば只の高校となって、彼等の通う学校が偏差値の高い学校ではないことがわかる。
そんあ彼らを取り巻くのが、トレーナー役となる水族館員の竹中直人、オカマスナックのママである柄本明など一筋縄ではいかない役者連中。
こういう役は竹中直人しか出来ないと思わせるし、柄本明のオカマなどは気色悪さ以外の何物でもない。アップで登場した時は吹き出してしまった。
先生役の杉本哲太や眞鍋かをりが随分とまともに見えてしまう。
プールの争奪戦での金魚すくい場面や、早乙女の告白場面など数え上げたらきりがない小ネタが散りばめられている。ただしそれらはあくまでも小ネタであって、漫才が笑いをとり続ける為に次から次へと出す小気味よい会話の様である。
無理やり作った笑いが多いわりには全然イヤミなく仕上がっているのは矢口監督の手腕なのかもしれない。
矢口監督の新しいパターンの作品として記憶に留めておいてもよい作品だな。
使用される音楽はフレーズが短いのになぜか耳に残る。
「伊勢佐木町ブルース」の青江美奈のため息フレーズ、ベンチャーズの「ダイヤモンドヘッド」やフィンガー5の「学園天国」などだ。出演者やスタッフたちが心から楽しんでいるのがわかるので、音楽もウキウキ感で素直に入ってくる。
高校生たちの演技はみんなヘタなんだけど、一生懸命にやっているから好感が持てる。
散々ふざけておいて、スタッフ、キャストの熱意を見事に結実させたのがラストの素晴らしすぎるシンクロ演技だ。
プールサイドで演じる前フリのオーバーアクションから一転して、プールで演じられるシンクロはゾクッとさせられ、これはもう素直に拍手するしかなかった。
前半部分の軽さはここに持ってくるためだったのだと悟らされたシンクロシーンだった。