松江の話をするつもりが...
子供の頃。
母の郷里に行くと、祖母が色んな話をしてくれた。
冬の夜。
こたつに入って、少しだけ、声をひそめて。
母の郷里で過ごした夜を思い出して、松江の写真で米沢の話(笑)
今思えば、それは怪談や、民話のようなもので、
人々が雪深い地の、
長い夜と冬を、退屈せずに過ごすための、
娯楽かつ、知恵でもあったのだろう。
興味をひき、怖がらせ、
子供たちへの戒めも含めて。
八雲の過ごしたこの町が、祖母の住む町に似ていたから。
祖母のいる米沢の城下町は、あの頃静かで美しく、
上杉神社のお堀は、まるで異界とこの世を、隔てる何かのようだった。
ポツンとあった、木造の古い商店は、
自然光の入るままに営まれ、
薄暗くも秘密の、何かが息をひそめるようで。
いつか来てみたかった、八雲旧居。
いつかの夏。
きらきら、蜜柑色に輝く飴を、父に買ってもらった思い出は、
飴の色だけ鮮やかに。
お堀のとっぷりとした緑のごとく深く、
記憶に残っている。
松江の写真を見返していて、
思い出したのは、そんなこと。
松江城もすんごく面白かった!
かつては、異界を意識せずにはいられないほど、
人とその距離は近かったのだろう。
夜は夜。
冬は冬。
今は...昔。
『小泉八雲記念館』も素晴らしかった!