猫猿日記    + ちゃあこの隣人 +

美味しいもの、きれいなもの、面白いものが大好きなバカ夫婦と、
猿みたいな猫・ちゃあこの日常を綴った日記です

人の世の夢と現実。 - 夏休み二日目 -

2008年08月26日 19時10分35秒 | お出かけ

さてさて。

「一日の日記にいったい何日かけるんだ!?」という、
お叱りの声が聞こえてきそうな、我が家の夏休み日記ですが。

二日目は、これまた憎らしいほどの晴れ空のもと。

とある場所へと向かってまいりいました。

 

晴~れた空ぁ~♪そ~よぐ風ぇ~♪

 

二人が目指したのは小田原城。

『近場で、興味深くて、まだ行ったことがないところ』を探していたところ、
「そういえば」といふと思いつき.....

ここなら二時間もかからず行けると、
そう決めたわけです。

 

東海道の松並木~。
大磯ロングビーチを横目に眺めつつ、ゴンザは営業時代の思い出を。
erimaはガキの頃のあんな悪さ、こんな悪さの思い出を(爆)

 

ちょうど、Uターンラッシュにぶつかるこの日でしたが、
それでも下り方面はスイスイ。

青い空に映える山並みを見ながらアイスなどかじれば、
あっという間に目的地に到着、いざ、お城へと向かいます。

 

1997年に復元された銅門(あかがねもん)は、
昔ながらの工法で建てられたようで、
門の先には、壁の内部等、詳しく説明する展示がありました。

ちっちゃい歴史見聞館もなかなかB級感が漂って面白い(笑)

 

かつて、北条氏の居城として。
また、江戸時代には小田原藩の藩庁が置かれていたという小田原城。
(ちなみに江戸時代には『藩』という呼び方はなかったそうです)

現在ある天守閣は、昭和35年に鉄筋コンクリートで外観復元されたものですが、
それでも旅行気分は盛り上がる.....。

 

暑いもんねぇ。
そりゃ、空も見上げたくなるわな。
せめてもう少し広い場所に住ませてもらえたらね....。

 

立派な銅門をとおり、歴史見聞館で色々見た後は、
うだるような暑さに顔を真っ赤にしたお猿さんや(←猿の顔は元から赤い)
狭い囲いの中に50年以上も閉じ込められている象さん・ウメコを眺め、
複雑な思いを抱えて、天守閣へと向かいます。

 

昭和25年、タイの首相から「日本の子供たちへ」と贈られたウメコは、
この狭い狭い場所で58年間暮らしています。
「引退させて仲間のいるところで余生を」という声があがり、
象の支援団体(千葉県市原市)も引取りを承諾しているというのに、
小田原市は「反対の声があると困る」とか、「搬送中に死んだら苦情がくる」
「引き取った側が金儲けに利用するのでは?」などと、それを却下。
現代の動物園においては、条件さえ整えば、
もちろん色んな意味での意義も認めるけど.....
こんな場所で58年だよ?もう勘弁してあげてよ。

 

歴史資料館となった内部には、刀剣、鎧などの多数の展示が。

例のごとくヤイヤイ言いながら、それらを眺めつつ、
階段を上っては「ひ~ふ~」喘ぎ、上ってはまた「ひ~ふ~」喘ぎ.....

冷房のない城内の空気に、途中ゴンザなどは、
軽い熱中症とおぼしき症状を見せたりしましたが、
それでもなんとか、てっぺんまでたどり着きます。

 

鉄筋コンクリート(笑)

 

.....と。
見晴台へひとたび出れば、そこには吹き抜ける風と、広がる海。

爽快な気分を味わいながら、充分そこで涼んだあとは、
今度は、敷地内に建てられた『小田原城ミューゼ』へと向かいます。

 

眺めは爽快!反対側は海~♪

 

実は、この日の目的地を小田原城に決めたのも、
半分はこのため。

展示数は少ないものの、ガレやドームの作品が間近で見られると知って、
こりゃあ行かねばなるまいと、二人して楽しみにしていたのです。

 

ランプ部分はガレの作、脚の部分はマジョレルの作.....
って!ガラスケースもなしにこんなに気軽に置いてていいの!?
(夢みたいだけど、人類共通の貴重な遺産を前に、怖くてそばに近寄れねぇ~・爆)
しかもフラッシュさえ使用しなきゃ撮影可って!.....パチリ。

 

常盤木門の内部スペースを利用したというそこには......
まさに夢の世界が拡がっていました。

この世の夢があるとしたなら、それは美しいガラスや家具に他ならない。

昔の殿様にとっての夢が大きな城なら、
私の夢はガレやドームなのです。

 

載せておいてなんだけど、写真なんかじゃ絶対伝わらないあの美しさ!
特にこのガレの水差しは何度ため息をついても足りないほど美しかった.....。
重なって、とどまり、透き通って、吸い込む、放つ。
見れば見るほど美しい、一生眺めても足りることはない。

 

無神論者の私でさえ、天国を連想せずにはいられない、
彼らの業。

「ああ、たぶん一生眺めても飽きない.....」

白昼私が見た夢は、あまりに切なく甘く。

二人は、去りがたい思いにとらわれたまま、
半分夢見心地のまま、我が家へと足を向けたのでした。

 

帰り際、「あっ、スーパーマンだ!」と言った受付のおねいさん(50代くらい?)に
「重過ぎて飛べないんですけどね♪」と答え、大爆笑をとったゴンザ。
「面白かったからご褒美に♪」と絵葉書を貰ってご機嫌(笑)
しっかしツッコミどころ満載の写真だな(爆)