ささやんの週刊X曜日

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

窪田氏のネット記事について(4) 戦争と正義

2022-04-06 06:57:33 | 日記



これまで3回にわたり、窪田順生氏によるネット記事

《 「プーチンを倒せば平和が訪れてハッピーエンド」 ウクライナ戦争をそう捉える人たちが忘れていること》

を取りあげてきた。ここまで辿ってくれば、窪田氏が何を言いたいかは明らかである。

窪田氏は次のように書いている。

「80年前と今では感動している相手は『狂った独裁者』(ヒトラー)と『英雄』(ゼレンスキー)でまったく異なっている。しかし、『アジアのリーダー』と持ち上げられながら、我々と一緒に手を取り合って『人類の敵』を叩きのめそうと呼びかけられて、一気に戦争にのめり込んでいるムードは、80年前と恐ろしいほど酷似しているのだ。」

つまり、(人類の敵をやっつけろ、という)「アンチ反戦」のムードに流されて、このまま進めば日本はいずれ戦争にのめり込んでいくことになる。それが「恐ろしい」と言う窪田氏は、その先の(太平洋戦争に敗けた)日本の、その悲惨な状況をそこに重ね合わせているのだろう。

たしかに、ウクライナの戦いは「人類の敵・プーチンを倒す正義の戦い」であり、〈正義〉の旗を掲げた戦争ではある。しかし、〈正義〉の大義名分は、この戦争に邁進する言い訳にはならない。
窪田氏は次のように書いている。ここには窪田氏の主張が端的に示されている。

「歴史を学べば、『正義』を掲げた戦争の多くは一度始まってしまうとなかなか止められないでエスカレーションして結局、犠牲になるのは指導者ではなく国民という厳しい現実がある、ということを指摘したいだけだ。
エスカレーションしていく最大の理由は、(指導者に対する国民の)『支持率』である。」

十字軍の史実が最もよく示すように、〈正義〉を掲げようと、そうでなかろうと、あらゆる戦争はどんどんエスカレートして無残な殺し合いに行き着く危険なベクトルを具えている。その犠牲になるのは(指導者ではなく)我々一般国民なのだから、我々は巻き添えになる愚を避けるには、この戦争に関わることに対して、もっともっと慎重であるべきなのだ。


以上、窪田氏の主張がはっきりした今、これに対して異議を申し立てたいと思う人もいることだろう。この私も窪田氏の主張に対して、いくつか言いたいことがある。

それについてはまた次回に改めて論じることにしよう。

(つづく)

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