ささやんの天邪鬼 座右の迷言

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

自爆老人の不幸

2016-10-24 17:45:51 | 日記
宇都宮市に住む元自衛官の老人が、きのう公園で、爆弾を用いて
自殺した。元妻との離婚訴訟をかかえ、裁判所や調停員に怒りを
募らせていたという。この怒りが自殺の直接の動機になったかど
うかは分からない。

きのうのブログを書き終えた後で、このニュースを知った私は、
「やっぱりなあ」と、妙な感慨にとらわれた。きのう、「生涯
独身でも、不幸とは限らない」というタイトルのネット記事を
読んで、強い共感を覚えた私は、そのことについてブログの文
章を認(したた)めたのだが、このニュースによって私が知った
のは、「独身でなかったために、不幸になった」男の実例に他な
らなかった。

では、この男は独身を通していたら不幸にならなかったのか。む
ろんそんなことは、だれにも分からない。分かるはずがない。だ
がこの男は、結婚したから、離婚することになり、離婚訴訟に巻
き込まれたのだ。結婚しなかったら、離婚することもなく、離婚
訴訟に巻き込まれることもなかっただろう。これは確かなことで
ある。

この確かな事実に「幸福」や「不幸」といった主観的属性を結び
つけることには、たしかに無理がある。けれども私がこのニュー
スを聞いて、「なるほどなあ」と思ったことも、紛れもない事実
である。幸福のただなかにいる人が自殺をする、それも、爆弾を
用いて自殺するなんて、考えられないからである。もっとも、幸
福でないから不幸、とは言えないとも思うんだけれどね。
コメント
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