「ゆるちょ・インサウスティ!」の「海の上の入道雲」

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「天主」信長は、何故、殺された?(本能寺の変の黒幕は?)

2012年05月29日 | 信長論考!
えー、久しぶりに信長論考でも、やりましょうか。

まあ、この話は以前にも話したんですが、巷でよく言われている、

「本能寺の変の謎」

という奴についてですねー。


信長は、明智光秀に殺された・・・じゃあ、その黒幕は?

っちゅー話がまことしやかに話されていますが、僕が見る限り、黒幕なんていません。

まあ、あれは、本を売る為の売り文句で、あそこには、何の意味もありません。ほんとに。



昔、読んだ本に、遠藤周作という、当時、売れっ子の作家の言葉が乗っていて、

「日本の歴史学会は、天皇制がこれほど長く続いてきた理由について、答えをくれない」

という不満を申し立てていました。じゃあ、なぜ、天皇制が続いてきたんでしょう?

それについて、僕的な答えを言えば、

「古来から日本人の神は、天皇だった。だから、天皇制を破壊しようとする人間が出ると、日本人は身を呈して、こういう人間達を殺してきたからだ」

と言えるわけです。


上代で言えば、まあ、伝承ではありますが、天皇家をないがしろにしようとした蘇我一族は、誅殺されていますよね。

天皇になろうとした将軍、足利義満は、あと一歩で簒奪が完成するというところで、頓死しています。

そして、安土城の足下に、天皇の住居、大極殿とそっくり同じ建物を作り、その上にある安土城の天主閣に住んでいた信長は、

「俺は実質的に天皇より、上位の人間なんだ」

と民衆にプレゼンしまくり・・・それが仇になり、

「信長様は、天皇家をないがしろにしている・・・信長様は、天皇制を無くそうとしている。自分が天皇にとって変わろうとしている」

と、勘違いした明智光秀に殺された・・・僕は、それが信長が殺された理由だと、ごく普通に思っているんですね。


だって、明智光秀というひとの人となりを考えてみてください。

彼は部下にむちゃくちゃやさしかった武将として有名です。

さらに、あの時代、正室以外に側女をおかなかった。

当時、武家として重要なのは、跡目を作ることで、当時は現代の感覚とは違い、いつ人が死ぬかわからない時代でした。

だから、跡目はたくさん作るべきであって、それが家の隆盛につながるから、

男子にとって、子作りは、大事な仕事だったんですよね。

だから、正室以外に側女を置くことは、必須だった・・・そういう時代に正室の気持ちを考えて、側女をまったくおかなかった光秀・・・。

まあ、いろいろな見方があると思いますが、武家のあり様としては、あの時代としては、いささか、おかしいわけです。

一夫一婦制の現代から見れば、当然の話にとらえられますが、当時の時代の正義からは外れているわけです。


まあ、それだけ、時代の正義に外れるくらい、他人にやさしかった光秀と見ることが出来るわけです。

そこが、光秀のキモなんですね。


その光秀・・・本能寺の変、山崎の戦いを経験した後は、どういう現実を迎えましたか?

大事にしていた部下達は、四散し、多くは殺された。

あれだけ、やさしくしていた家族も四散し、正室は、自害ですよ。


こうなることは、光秀程の武将ならば、本能寺の変を起こす前に、わかっていたはずです。

まあ、地獄ですよね。部下、家族、正室を地獄に送るような所業なんです。本能寺の変を起こすということは。

であれば、大事にしていた部下や、家族、正室よりも、大事なモノの為に、光秀は、本能寺の変を起こした、ということになるわけです。

ここが、本能寺の変のキモなんですね。


では、大事にしていた部下、家族、正室を悲惨な目に合わせても、もちろん、自分の命すら無くしても、それでも光秀が守りたかった大事なモノとは、何でしょう?


よく、将軍足利義昭に、密かに命令されたのだ、と主張するひとがいますが、

光秀は、それより過去、信長と足利義昭、どちらをとるかを迫られた時に、信長をとっているわけです。

そこで、決断をしているんですね。

だから、時を過ぎたからと言って、信長でなく、義昭の命に従うことなんてないわけです。

だって、従って何か意味がありますか?

光秀の立場に立って考えて見れば、自分の部下や、家族、正室が不幸になるのをわかっていて、それでも、義昭の命令に従う意味なんて、ありますか?

それを考えただけでも、義昭黒幕説なんて、簡単に否定されてしまうわけですよ。


義昭黒幕説を取っているひとは、知識から、適当にモノを言っている人に過ぎない。

光秀の立場に立ってモノを考えられない・・・そういうひとだと思いますね。


「光秀も武将・・・だから、天下を取りたかったのだ。だから千載一遇のチャンスを見て、天下取りに出たのが光秀だ」

なぞというアホな人がいますが、光秀程の人間だったら、信長を殺したら、自分たちがどうなるか、

わかるってもんでしょう?

信長を殺した後の光秀の行動のグダグダぶり・・・つまり光秀は信長を殺すことだけが目的であり、

その後のことは、何にも考えていなかったことが、その行動のグダグダぶりからわかっちゃうんです。

だから、天下取りなんて、なーんも関係ないんです。本能寺の変については。


だって、光秀は、自分の命も、軍団の命も、家族も正室の命も無くなることは、わかっていたんですから。


光秀は、自分の部下や家族、正室が不幸になっても、それでもお釣りが来るような行動を欲したんです。

その行動の為に、信長を殺したんです。自分が殺されることもわかっていた・・・それでも、その行動には、甘い汁のようなロマンスがあった。


将軍を守るためでもない・・・となれば、もうおわかりですよね。


光秀は有職故実に明るかったと言われています。

であれば、歴史に詳しかったはずだ。

歴史上、武将として、最も尊い行動をとった人物に明るかったはずです。

この日本において、武将として、最も尊い行動した人物は誰でしょう?


おわかりですよね?


どんなに窮地に陥っても天皇の為に働き抜き、天皇の為に死んでいった人物・・・そう、楠木正成ですよ。

光秀は、この楠木正成の存在を知っていたんです。

そして、本能寺の変前夜の光秀の位置というのは、この楠木正成になるための条件が揃っていたんです。


安土城の足下に、天皇の住む大極殿とそっくり同じ建物を建てた信長を見て、光秀は直感したんです。

「信長様は、天皇を足蹴にしている・・・自分は天主閣に住み、天皇を足下に見ている・・・武将として、あってはいけない所業だ」

「信長様は・・・将来、天皇家を滅ぼし、自分が天皇の代わりになろうとしているのではあるまいか・・・いや、そうに違いない」

「天皇を足蹴にしている、この現状から考えれば、それしか、答えはないではないか!」

「信長を殺せば、我が軍団どころか、我が家族も、いや、私でさえ、死ぬるであろう・・・だが、天皇家を守るために死ぬなら、本望」

「我、第二の楠木正成に、ならん!」

ま、光秀が、こんなことを考えていたことは、すぐにわかりますよね。


大事なモノの為に、死ぬ。日本において、最も大事なモノは、天皇家・・・光秀はそれを知っていたんです。

だから、自分の部下達が非業に倒れようと、あれだけ大切にしてきた家族や正室が不幸になろうと、彼は天皇のために倒れることを指向したんです。

信長を殺すことによって。


光秀は、武将としての、甘いロマンスに逃げ込んだんです。


この光秀の考えは、間違っています。

なぜなら、信長は、自分の権威を与えてくれる天皇家を絶対に無くすことは、ないからです。

天皇家があるから、天皇家より、実質的には上なんだよ、と言うことが出来る。

俺は実は、偉いんだよ、と言えることが出来る。

天皇家は、すべての権威の大元ですから、それを無くすようなアホなことを、信長は絶対にしません。

信長は、安土城の足下にある大極殿に、何度か天皇に臨幸してもらうだけでよかったんです。


それを光秀は読みきれなかった。


光秀は、自分の為だけに、甘いロマンスに逃げ込んだんです。

そして、部下を殺し、家族と正室を殺した・・・自分の歴史的評価の為に。

単なる逃げ込み者だ。自分の為に、家族をそして、歴史的英雄の信長を殺した、超うんこバカなのが、明智光秀です。


だから、黒幕なんていないんです。

この理由以外に、超やさしい明智光秀が、部下や家族や正室を殺す理由がありますか?

その理由を説明出来てこそ、本能寺の変の謎が明らかになるのです。

そういう意味では、明智光秀もまた、(超勘違いのバカだけど)天皇家存続の為に力を貸した人間ということになるのです。


信長は、本能寺の変で亡くなる時に、

「あいつ、ほんと、こういうところアホなんだよなー」

と思って、死んでいったと思いますよ。


こういう自分で創りだしたロマンスに酔う人間って、現代にも、いますよね。

そうならないように、がんばらないと、いけません。

だって、超自己中のうんこカスということになっちゃうからね。

だから、光秀に、歴史的評価は与えられないんですよ。

ただの勘違い野郎のアホです、あいつは。

大楠公とは、比べ物にならないよねー。


だから、ちゃんとモノを考えて生きていかないといけないんだよねー。

それが結論かな。


というわけで、本能寺の変の真実でした。


ま、自らを、「天主」とか言っちゃったもんねー、信長。

それは言葉から考えても、「天皇」より上!ってことになっちゃうもんねー。

だから、光秀は、勘違いしちゃったんだなー。


言葉って、大事ですね。


ではでは。

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