「ゆるちょ・インサウスティ!」の「海の上の入道雲」

楽しいおしゃべりと、真実の追求をテーマに、楽しく歩いていきます。

5月27日 「昭和の闇」シリーズ・・・第二回 「誘い」

2014年05月27日 | 今の物語


おはようございます。

今日は朝から雨・・・ということで、朝トレはお休みです。

まあ、朝の時間をのんびり原稿書きで過ごしましょうかね。

今日は一日雨だそうで・・・こちらも一日、原稿書きで過ごす感じですかね。

さ、挑戦の火曜日・・・そんな感じで、行きますか!


えー、火曜日の朝は、少し不思議な風景の記憶・・・「昭和の闇」シリーズの日になってしまいました。

まあ、どんな感じになるか・・・ちょっとやってみましょう。はい、スタートです。



その時の事を、僕はあまりよく覚えていない・・・。


僕は小学1年生か2年生の低学年の頃だった事だけは覚えている。

その時、僕はなぜか一人で学校を早引きすることになり・・・午後たったひとりで学校を後にしたのだった。


いつもなら、一緒に帰ってくれるたくさんの友人達もいない・・・たったひとりで、僕は街をとぼとぼと歩いていた。


天気は曇天・・・低い雲が今にも雨を降らすが如く・・・街はかなり暗かった。


その時、唐突に60代くらいのお爺さんのシーンが現れる。

少し小太りのそのお爺さんは、あまり上手く歩けないような男性だった。


しかも、左手がなかった・・・多分戦争で無くした・・・そういう人が割りと珍しくなかった・・・「昭和」の時代だった。



そのお爺ちゃんが僕をどこかへ連れて行こうとしていた。

僕はそれに抗えず・・・いや、言葉も出せず、ただただ従うだけだったように思う。


多分、言葉にするのが怖かったからだろうと思う。

蛇に睨まれた蛙のように、ただただ、僕は、そのお爺ちゃんに従うだけだった。


似たような経験をいくつか覚えている。僕は当時、それくらい、かわいい坊やだったのだろう。


知らない街をお爺ちゃんに従い僕は歩いていた。


そこに僕より少し年上の女の子が立っていた。

その女の子はそのお爺ちゃんをなじるような表情で見ると、僕の手を取り、一気に走りだした・・・。

そのお爺ちゃんは烈火の如く怒り、追いかけてくる。


でも、そもそも歩くのが苦手・・・すぐにそのお爺ちゃんは見えなくなった。


僕はその事が嬉しくて、その年上の女の子と一緒に手を繋いで走った。

その女の子は足が速かった。僕はそれについていくのだけで精一杯だった。


どれだけ走ったかわからないけれど、とうとう、夕立が降りだした。

女の子は、僕を原っぱにある小さな小屋へ連れて行った。


その小屋は、3畳くらいの畳の部屋で・・・布団と枕が置いてあった。


彼女は僕のお姉さんのように振る舞い、

「風邪をひくから、服とズボンを脱ぎなさい」

と僕に告げた。


僕がパンツ一枚になると、その女の子もパンツ一枚になった。


すると、その女の子は、

「テレビでやってたの。だから、わたし知ってるの・・・こういう時はお互い抱き合うと風邪も引かないし、暖まるんだって」

と、言って、僕を裸のまま抱きしめた・・・確かに暖かだった。


僕もきつく彼女を抱きしめて・・・二人は長い間、そこに座っていた。

彼女の胸は未発達だったけれど、その兆しはあって・・・ほんの少しだけ膨らんでいた・・・。


僕らは夕立があがるまで、そこでそうしていた・・・なぜか、二人は黙っていた・・・まるで、それが神聖な儀式のように感じられていたから・・・。


それから少しして夕立はあがった。

服も乾いていたから、二人は服を着て立ち上がった。


すると、彼女が、

「これ、今日のお礼」

と言って、僕の左頬にキスをした。


その彼女はとても美しかった・・・もしかして、それが僕の初恋だったかもしれない・・・。


「じゃあ、さよなら」


と言って彼女は走って消えた・・・僕はその背中をいつまでも、追っていた。


・・・どこをどう歩いて帰ってきたのか、記憶にはなかった。


でも、僕は夕飯までに、自宅に戻り、夕食を作る母親の笑顔に出会うことが出来た。


でも・・・いつもと何かが違う・・・そんな違和感を、僕は感じていた・・・。


「もしかして、僕はあの少女と出会った時に、自分のいる世界とは違う「異世界」に迷いん混んだんじゃないのか?」

「ここは同じに見えるけど、実はパラレルワールドのような「異世界」なんじゃないだろうか?」


・・・ふと、そんな思いがよぎった。


その時、確かに母親が僕を見て、ニヤリと笑ったように感じた・・・。


僕は少しドキリとした。



その後、二度とその美しい少女に出会うことはなかった。


・・・もしかしたら、彼女は今でもあの姿のままで・・・少年達を「異世界」へ誘っているのかもしれない。


そんな風に思えて、ならなかった。


しかし、彼女を抱きしめたあの感触は・・・未だに肌が、明確に覚えている。


(おしまい)


さて、今日は雨ということで、のんびり家で仕事をしていきましょう。

にしても、仕事は変わらず・・・せこせこ、やっていく感じですかね。

さ、充実充実・・・気持ちのいい一日にしていきましょう!


ではでは。

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