「ゆるちょ・インサウスティ!」の「海の上の入道雲」

楽しいおしゃべりと、真実の追求をテーマに、楽しく歩いていきます。

4月13日 京都暴走車両事件について(8人を殺しただけではない!)

2012年04月13日 | 毎日のしあわせの為の知恵
おはようございます。

昨日は、暖かを通り越して、少々暑さも感じましたねー。

まあ、午後戻ってから、ポロシャツで過ごしていましたが、全然オーケーでしたねー。

まあ、春が進んでいる、ということですかねー。


さて、また、ため息が出るような事件が起こってしまいました。

京都の暴走車両事件。

まあ、いろいろなところで、この事件は、取り上げられていると思いますが、

誰しもがマイナスな感情を持つであろうこの事件です。

例えば、あの秋葉原通り魔事件にしても、死者は、7人でした。

今回、死者は、本人を含めて8人・・・それを越えた事件なのです。


僕は事件映像を見た時に、まるで、秋葉原通り魔事件のシーンを思い出していました。

路上にたくさんのひとが倒れている。

そのシーンは、さらに昔、地下鉄サリン事件直後の、シーンにも重なりました。


悪寒が走りました。


それくらいの事件なんですよ。これは。


まあ、マイナスの感情でこの事件について、書くことは誰でも出来ると思いますので、

僕は少し違った視点で書いてみたいと思います。


僕は三菱電機時代、うつ病やら、何やらいろいろやりまして、

会社には、いろいろ迷惑をかけた人間でした。


そんな僕の状況を知っていた、僕を研修生の頃から知っている、営業の仮名田中さんは、僕によくしてくれました。

それでも、田中さんは、僕より、2,3歳上くらいの方だったけれど。

「これ、いいらしいって、聞いたんだ。だから、もし、よかったら、有用な情報かなって」

さすがに営業らしく、きめ細やかな対応で、僕は、当時どれだけありがたく感じたか・・・。


自分でもどうにも出来ない病気を持つってことは、単なる不安でしか、ないんですね。


でも、田中さんも、実は同じだったんです。


田中さんは、てんかんの患者さんでした。

だから、僕の不安の気持ちも、将来への不安も、すべて手に取るようにわかったんだと思います。

今思えば、だからこそ、やさしくしたくもあったんでしょうね。

彼は、ほんとうに、やさしかった。


田中さんは、一枚のカードを首からさげていました。

てんかんの発作が起こった時に、どう対処してもらいたいか。

そして、自分の名前と緊急連絡先が書いてあった・・・それを下げて普段仕事をすることが、田中さんにとって、どれだけきついことだったか・・・思うに余りあります。

周りには健常者があふれている。

皆、普通に仕事をしている。

それなのに、なぜ、自分だけ・・・そういう思いは、毎日、毎時間、彼を苛む結果になっていたのでは、ないかと思います。

もし、僕が田中さんの立場だったら、絶望して、会社にすら、行けなくなっていたかもしれない。

それを考えれば、田中さんは、強い気持ちで、日々を過ごしていたのだと思います。


田中さんは、普段は、ほんとに普通の男性でした。


お馬鹿な話にもつきあってくれたし、少し行き遅れ気味だった、当時のうちの課長(男性)がめでたく結婚するという情報をいち早く僕にくれたのも、田中さんでした。

てんかんのカードを下げている以外は、仕事の出来る、普通の男性だったんです。


その彼もてんかんの発作が元で、亡くなりました。


まだ、30歳前後・・・無念だったと思います。

なにかあった時の為に、もちろん、車の運転など、していませんでした。

それは、普通に考えれば、当たり前のこと・・・ただでさえ、ひとに迷惑をかけてしまう病気・・・さらなる迷惑なぞ、考えられなかったに違いありません。

それが、彼の普通の至誠ということだと、思います。


僕は、そういう田中さんに普通に接していて、強いひとだなあって思っていました。

多分、僕だったら、運命を嘆き、自暴自棄になっていたかもしれません。

それを乗り越える、強い精神・・・僕は彼を尊敬していましたね。普通に。


今回の事件は、他のてんかん患者さんに対する特別視を生んでしまうのではないかと危惧しています。


田中さんが我々に接する上で見せてくれた至誠の態度。

それは、他のてんかん患者さんにも、迷惑をかけないようにとの思いが詰まったモノだったと僕は思っています。

実際、キツい運命だと思いますが、その運命を受け入れ、一生懸命生きていた、田中さんの姿を思い出せば、僕はこの事件のあり方が残念でなりません。


てんかんの患者さんだって、大変な運命を受け入れ、日々がんばっているんだ。


それを、自分のことしか、考えない、こういう下らない人間の行動で・・・。


てんかんの患者さんだけでなく、その患者さんを家族としてそのサポートに一生懸命がんばっている家族や、地域の人々の思いをどうするんだ。

てんかんの患者さん自身も、その家族も、皆、この事件のニュースが流れる度に、身が凍る思いだろう。

てんかんの患者というだけで、蔑視する人間もいるだろう。

でも、ただ、てんかんという病気を患ったに過ぎないんだ。

皆と同じ、いや、それ以上に、周りに迷惑をかけることを厭い、そうならないことを祈り、毎日を過ごしている人たちばかりなんだ。


僕は、自分のことしか考えず、てんかんの患者さん達にすら、迷惑をかけた、この人間のあり方を、憎悪する。


以上

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