おはようございます。
もうすっかり、12月も15日。
いやあ、師走に入ってから、何をしていたんだろう。
光速ドライブに入って、そのまま、突き抜けそうな速さですね。
さて、それはまだ、12月に入る少し前の事。
まだ、忘年会の連続に巻き込まれる前の話でした。
その日は事務所の近所の和風居酒屋で、皆で、のんびりとお酒を飲んでいました。
事務所の社長の御島さん(31)にイケメン貴島くん(29)、辛辣姫ユキちゃん(28)に、若い池澤くん(24)に僕でした。
「わたし、最近、大阪に出張してきたじゃない」
「そこで、わたし、「人生は必ず帳尻が合う」って言う言葉を聞いて・・・なるほどって納得がいったのね」
と、御島さん。
「へー。それって、どういう意味なんですか?」
と、僕。
「シンプルに言うと、①人生の前半で、華やかな人生を送っている人は、人生の後半、パッとしない人生を送る、とか」
「②人生の前半で、すごく苦労した人間は、苦労した分、後半で、華開く・・・そういう話なのね」
と、御島さん。
「②ってわかりやすいじゃない。まあ、普通、人間って、そういうもんでしょ?10代や20代前半なんて」
「人間としての能力が全く鍛えられていないから・・・例えば女性の美しさは若さの美しさよね」
「アイドルはそれを上手く利用しているけど、人間的に言えば、まだまだ、じゃない?」
と、御島さん。
「そうですね。まだ、薄っぺらいって言うか、話をする相手には成長出来ていませんよね」
と、辛辣姫。
「でも、それは当たり前じゃない。ただし、彼女達は、その若い年齢で、社会に出ているから、社会に磨かれている事も確かなのよね」
「わたしから言わせれば、人間って、社会に出て、磨かれて初めて、その女性なり、男性の良さが生まれる」
「その人間の特徴が生まれると言った方がいいかしら」
と、御島さん。
「だから、このアイドル時期に、いい思いだけしちゃうと・・・①パターンになっちゃって、人生の後半パッとしない事に」
「なったりするのよ・・・」
と、御島さん。
「それはやっぱり、若くて美しくて、社会で評価されているうちに、自身も磨いておく必要がある・・・そういう話ですか」
と、池澤くん。
「そう。結局、日本人は、人生のどの時点で、社会に出て・・・自分をどう磨くか・・・ここに自分の成長の力点のすべてが掛かっていると」
「思うのよね。一番大事な事は、「社会に出て、自分を磨く」と言う事をしなかったら、その時点で、人生は終わっていく」
「・・・そこを理解しないといけないわ」
と、御島さん。
「だから、結局、「社会に出て、自分を磨く」と言う事を考えていたら・・・自分はどの時点で、それを実施するかって」
「話にもなるし・・・他人を評価する場合、「社会に出て、自分を磨く」行為を実施して、終了した人間なのか」
「あるいは、まだ、未実施な人間なのか・・・そこが重要な評価ポイントになるはずなのよ・・・」
「それがこの「人生は必ず帳尻が合う」って言う言葉に込められている大事な事ってわたしは、思うのね」
と、御島さん。
「大阪の商人の世界は、人を見る目に厳しい世界でしたからね。それが、この「人生は必ず帳尻が合う」と言う言葉に込められている」
「んでしょうねー」
と、僕。
「ゆるちょくんは、わかりやすい②パターンでしょう?十代や二十代前半・・・まあ、例外的に女性に恋されたりしたけど」
「フラれる事も多かった。それは・・・言ってみれば、練習が足りなくて、水泳で5メートルも泳げなかった・・・そういう事でしょう」
と、御島さん。
「ま、恋される能力は、ほとんどゼロに近かったんでしょうね。だから、どうしたら、女性との恋に上手く行くのか」
「全然わからなかったし・・・その方法なんて、誰も教えてくれませんでしたね」
と、僕。
「でもね。それは当たり前なの。なぜなら、女性と恋が上手く行く方法なんて、それこそ、千差万別あって・・・」
「自分スペシャルな恋の方法を見つけなければいけないんですもの・・・それを見つける為に、七転八倒する事が世の中では」
「求められているのよ」
と、御島さん。
「そういう中でこそ、自分が磨かれるのよ」
と、御島さん。
「わたし、若い頃、ある男性に聞いた事があるんです。そのオトコ、大学時代に彼女を見つけて、結婚して、うそぶいていた」
「オトコでしたけど・・・わたしの大嫌いなタイプのオトコでしたけどね」
と、辛辣姫。
「それって、どういうオトコ?どんな事をうそぶいていたの?」
と、御島さん。
「「学生時代に彼女見つけて、結婚するくらいじゃなきゃ、オトコは使い物にならない」」
「「大事なのは失敗をしない事だ。これは、社会が期待する、出来る男性像そのものだろ」・・・って言ってましたね、そのオトコ」
と、辛辣姫。
「ふ。そのオトコ、要は、自分アゲしたいだけのオトコじゃない」
「いい。皆にも言っておくけど、その人間の言葉を信用するか、否かは、その人間が、どういう目的で、その言葉を」
「吐いているか、を見ればいいのよ」
と、御島さん。
「具体的に言うと、どういう事です?」
と、池澤くん。
「基本、女性にしろ、男性にしろ、言葉を出す目的は2つ」
「自分アゲして、自分をエラく見せたい・・・そういう目的で吐く言葉と」
「真実、自分でそう信じているからこそ、吐く言葉・・・人を騙す言葉と、真実をプレゼンする言葉に分かれているわ」
「だから、言葉を吐いた相手が、何を目的にその言葉を出しているか・・・そこを考えて、相手の人間性も考える事ね」
と、御島さん。
「ま、ユキちゃんの提示してくれた男性の例で言えば・・・要はそのオトコ、自分を褒めたいだけなのよ」
「だから、自分の状況をそこに当てはめて・・・「大事なのは失敗をしない事だ」なんて言葉が出てくる」
「でも、現実は違うわ。「社会に出て、たくさん失敗をする中で、成功する道を見つけられるような強い自分をつくり上げる」」
「そっちの方が大事。むしろ、自分が社会で、のしていける・・・その基礎作りの方が大事よ」
「だって・・・ユキちゃん、そのオトコ、今、どうしてる?」
と、御島さん。
「家庭不和で、離婚が目の前・・・会社でもイマイチ・・・一般に埋もれて、女性からは、忘れられているタイプの人間ですね」
と、ユキちゃん。
「でしょう?結局、現実の世界から逃げて、「逃げ込み者」をやっているから、成長も出来ないし、結果、皆から忘れ去られるのよ・・・」
と、御島さん。
「その男性のパターンって、「人生は必ず帳尻が合う」のパターンでは、どれになりますか?」
と、池澤くん。
「そうね。どっちかって言うと①かしら。人生失敗しちゃうタイプよね。話を戻しましょう」
「だから、一般の人間って、誰でも、②なのよね。最初はすべての事に関して、点数が低い」
「クロールさえ、まともに泳げないし、平泳ぎや、背泳ぎ、バタフライになんて、手もつけられていない」
と、御島さん。
「でも、社会に出て、自分磨きを開始すれば、少しずつ手がつけられていく・・・そういう話ですよね」
と、辛辣姫。
「そういう事。「大器晩成」ってよく言うけど、それってこのパターンよね。じっくりと自分磨きに精を出して」
「日々、進化・成長を志向するからこそ、自分自身が出来上がっていく・・・そういうパターンよね」
と、御島さん。
「だから、そういう意味じゃあ、そういう「大器晩成」志向の人間達って・・・生きていくうちに・・・いや、自分磨きをしていく」
「うちに、話題すら、変わっていくの」
と、御島さん。
「・・・と言いますと?」
と、池澤くん。
「最初は・・・まあ、10代から20代の始め・・・まだ、社会に出ていない頃は、テレビやアニメ、漫画、ゲームなどの」
「「非リアル」な話題が多いでしょう?それはある意味、「現実逃避」なのよね。でも、それは当たり前で」
「だって、まだ、自分をどういう方向で磨けばいいか、わからないんですもの。それにテレビやアニメ以下・・・」
「そういうモノを楽しむ中に、生きるヒントが隠されているモノだし・・・最初はそういう話題がもっぱらになるわよね」
と、御島さん。
「なるほど、それはわかりやすいですね」
と、池澤くん。
「次に来るのが・・・社会人として、自分を一人前にするのに・・・それって最初は大変だから、その愚痴よね」
「愚痴を言い合える友人を作って、傷を舐め合う・・・これは当然、人生のシーンとして、必要な状況だわ」
と、御島さん。
「なるほど・・・じゃあ、それをレベル20としましょうか。テレビやアニメを話題としている時代をレベル10として・・・」
と、貴島くん。
「いいわね。だから、人はレベル10、レベル20と、レベルを上げてくるの。そして、レベル30は、自分の人生を」
「社会で本気で磨くようになったフェーズを言う事になるわね。恋をしてはフラれる。仕事をやっては、失敗する」
「でも、その失敗フェーズこそ、次の成功フェーズの真の土台を作るフェーズなの。だから、避けては通れないの」
と、御島さん。
「なるほど・・・土台を作る為にたくさん失敗するんだから・・・確かに避けては通れませんね」
と、貴島くん。
「そして、レベル40。ここまで、来ると、たくさんの失敗をしてきたから、土台もしっかり作れて・・だからこそ、成功への道が見えてくるの」
「そこからが、本当の自分の道を歩き出した・・・すべての開始の時期と言う事になるかしらね」
「そこからこそが、その人間の本当のオリジナルな道になるのよ・・・」
と、御島さん。
「だから、話題的に言うと・・・レベル30、40になると・・・自分が社会で培ってきた話題になると思うのよね」
「こうやったら、失敗した・・・ああやったら、成功した・・・社会での自分磨きの話よね・・・」
「っていうか・・・こうなって初めて、その人間の社会性が出てくると言うか、本当にその人間のオリジナルな話題が出てきて」
「人間として、面白くなるって・・・そういう感じよね」
と、御島さん。
「それが、「人生は必ず帳尻が合う」の②パターンの人間の話題って、事になりますか」
と、池澤くん。
「そういう事ね。話題からでも、その人間のあり方はわかってしまうって言う事よ」
と、御島さん。
「まあ、でも、このくらい成長してくると、話だって、常にオリジナルだし、自分が経験から作って来た知恵だから、女性からしても話していて楽しいのよ」
「テレビの受け売りとか、自分の趣味の話の押し付けなんて、女性は大嫌いだから・・・」
と、御島さん。
「なるほど・・・男性は、自分を追求して、社会で自分を磨くようになるからこそ、女性に恋される要素を作っていく・・・そういう話なんですね」
と、池澤くん。
「そ。そして、これが、「人生は必ず帳尻が合う」の正体なの。「出来ないからこそ、出来るように頑張る」・・・この思いを持って、自分磨きを始めるからこそ」
「自分自身も、社会で通用するようになるし、女性にも恋されるようになる・・・出来ないからこそ、どんなに失敗しても、たくさんのハードルを超えて」
「出来る自分になれるからこそ「人生は必ず帳尻が合う」って事になるのよ・・・女性にも愛されるようになるのよ・・・」
と、御島さん。
「なるほど・・・すごく、よくわかりました。結局、「出来ないからこそ、出来るように頑張る」の意識で、社会での自分磨きをがんばれば」
「やがて、「人生は必ず帳尻が合う」って事になるんですね」
と、池澤くん。
「それが②のパターン・・・だとしたら、①のパターンも失敗しないようにしなくちゃいけませんね」
と、辛辣姫。
「①のパターンの場合は、奢らない事じゃないかしら。人生は常に真摯に生きていく・・・現実を直視し、自分に足りないものを作り上げ、日々を素敵に生きていけさえすれば」
「先細りの人生には、ならないように思うわ」
と、御島さん。
「いずれにせよ、大事な事は、「社会に出て、自分を磨く」と言う事・・・これが出来て初めて、その女性なり、男性は輝くわ」
「人生とは、「社会に出て、自分を磨く」為にある・・・わたしは、強く、それを思っているの」
と、御島さん。
「だからこそ、「人生は必ず帳尻が合う」・・・そういう話なんですね」
と、辛辣姫。
「これって・・・御島さんに聞きたいんですけど、要は、人生そのものの通信簿を作ってしまえば・・・自分の人生磨きで何が抜けているかどうかがすぐにわかる」
「・・・そういう話ですか?」
と、貴島くん。
「うん。なるほど・・・そうかもしれないわね。そこまで、考えていなかったけど・・・指摘されれば、確かにそういう話になるわね」
と、御島さん。
「だとしたら・・・確かに手段として「社会に出て、自分を磨く」は大事ですけど、そもそもの目的を明確にした方がいいんじゃないですか?」
と、貴島くん。
「なるほど・・・それはそうかもしれないわね・・・人生の目標ね・・・」
と、御島さん。
「それはオトコなら、多くの女性に恋をされ、その女性皆を笑顔に出来るオトコになること」
「女性ならば・・・素敵な男性に恋をし、笑顔になれる女性になること・・・なぜなら、恋こそ、女性の毎日のエネルギー源だし、男性は、そのエネルギー源そのものになることこそ」
「皆をしあわせにする事だから・・・こんなので、どうかしら?」
と、御島さん。
「そういうコミュニティさえ、作れれば、家庭を持ち、子供を育てる環境になっても、周囲から、たくさん支援されるようになるでしょう?」
「皆がお互いを支援しながら、しあわせになって行く、そういう環境の土台づくりになるわ。そういう結婚生活こそ、周囲皆を笑顔に出来るんじゃないかしら」
と、御島さん。
「だって、日本人は、皆で笑顔になってしあわせになっていく所にこそ、価値があるとわたしは思っているから」
と、御島さんは言うと、満足そうに、日本酒を飲み干した。
(おしまい)
もうすっかり、12月も15日。
いやあ、師走に入ってから、何をしていたんだろう。
光速ドライブに入って、そのまま、突き抜けそうな速さですね。
さて、それはまだ、12月に入る少し前の事。
まだ、忘年会の連続に巻き込まれる前の話でした。
その日は事務所の近所の和風居酒屋で、皆で、のんびりとお酒を飲んでいました。
事務所の社長の御島さん(31)にイケメン貴島くん(29)、辛辣姫ユキちゃん(28)に、若い池澤くん(24)に僕でした。
「わたし、最近、大阪に出張してきたじゃない」
「そこで、わたし、「人生は必ず帳尻が合う」って言う言葉を聞いて・・・なるほどって納得がいったのね」
と、御島さん。
「へー。それって、どういう意味なんですか?」
と、僕。
「シンプルに言うと、①人生の前半で、華やかな人生を送っている人は、人生の後半、パッとしない人生を送る、とか」
「②人生の前半で、すごく苦労した人間は、苦労した分、後半で、華開く・・・そういう話なのね」
と、御島さん。
「②ってわかりやすいじゃない。まあ、普通、人間って、そういうもんでしょ?10代や20代前半なんて」
「人間としての能力が全く鍛えられていないから・・・例えば女性の美しさは若さの美しさよね」
「アイドルはそれを上手く利用しているけど、人間的に言えば、まだまだ、じゃない?」
と、御島さん。
「そうですね。まだ、薄っぺらいって言うか、話をする相手には成長出来ていませんよね」
と、辛辣姫。
「でも、それは当たり前じゃない。ただし、彼女達は、その若い年齢で、社会に出ているから、社会に磨かれている事も確かなのよね」
「わたしから言わせれば、人間って、社会に出て、磨かれて初めて、その女性なり、男性の良さが生まれる」
「その人間の特徴が生まれると言った方がいいかしら」
と、御島さん。
「だから、このアイドル時期に、いい思いだけしちゃうと・・・①パターンになっちゃって、人生の後半パッとしない事に」
「なったりするのよ・・・」
と、御島さん。
「それはやっぱり、若くて美しくて、社会で評価されているうちに、自身も磨いておく必要がある・・・そういう話ですか」
と、池澤くん。
「そう。結局、日本人は、人生のどの時点で、社会に出て・・・自分をどう磨くか・・・ここに自分の成長の力点のすべてが掛かっていると」
「思うのよね。一番大事な事は、「社会に出て、自分を磨く」と言う事をしなかったら、その時点で、人生は終わっていく」
「・・・そこを理解しないといけないわ」
と、御島さん。
「だから、結局、「社会に出て、自分を磨く」と言う事を考えていたら・・・自分はどの時点で、それを実施するかって」
「話にもなるし・・・他人を評価する場合、「社会に出て、自分を磨く」行為を実施して、終了した人間なのか」
「あるいは、まだ、未実施な人間なのか・・・そこが重要な評価ポイントになるはずなのよ・・・」
「それがこの「人生は必ず帳尻が合う」って言う言葉に込められている大事な事ってわたしは、思うのね」
と、御島さん。
「大阪の商人の世界は、人を見る目に厳しい世界でしたからね。それが、この「人生は必ず帳尻が合う」と言う言葉に込められている」
「んでしょうねー」
と、僕。
「ゆるちょくんは、わかりやすい②パターンでしょう?十代や二十代前半・・・まあ、例外的に女性に恋されたりしたけど」
「フラれる事も多かった。それは・・・言ってみれば、練習が足りなくて、水泳で5メートルも泳げなかった・・・そういう事でしょう」
と、御島さん。
「ま、恋される能力は、ほとんどゼロに近かったんでしょうね。だから、どうしたら、女性との恋に上手く行くのか」
「全然わからなかったし・・・その方法なんて、誰も教えてくれませんでしたね」
と、僕。
「でもね。それは当たり前なの。なぜなら、女性と恋が上手く行く方法なんて、それこそ、千差万別あって・・・」
「自分スペシャルな恋の方法を見つけなければいけないんですもの・・・それを見つける為に、七転八倒する事が世の中では」
「求められているのよ」
と、御島さん。
「そういう中でこそ、自分が磨かれるのよ」
と、御島さん。
「わたし、若い頃、ある男性に聞いた事があるんです。そのオトコ、大学時代に彼女を見つけて、結婚して、うそぶいていた」
「オトコでしたけど・・・わたしの大嫌いなタイプのオトコでしたけどね」
と、辛辣姫。
「それって、どういうオトコ?どんな事をうそぶいていたの?」
と、御島さん。
「「学生時代に彼女見つけて、結婚するくらいじゃなきゃ、オトコは使い物にならない」」
「「大事なのは失敗をしない事だ。これは、社会が期待する、出来る男性像そのものだろ」・・・って言ってましたね、そのオトコ」
と、辛辣姫。
「ふ。そのオトコ、要は、自分アゲしたいだけのオトコじゃない」
「いい。皆にも言っておくけど、その人間の言葉を信用するか、否かは、その人間が、どういう目的で、その言葉を」
「吐いているか、を見ればいいのよ」
と、御島さん。
「具体的に言うと、どういう事です?」
と、池澤くん。
「基本、女性にしろ、男性にしろ、言葉を出す目的は2つ」
「自分アゲして、自分をエラく見せたい・・・そういう目的で吐く言葉と」
「真実、自分でそう信じているからこそ、吐く言葉・・・人を騙す言葉と、真実をプレゼンする言葉に分かれているわ」
「だから、言葉を吐いた相手が、何を目的にその言葉を出しているか・・・そこを考えて、相手の人間性も考える事ね」
と、御島さん。
「ま、ユキちゃんの提示してくれた男性の例で言えば・・・要はそのオトコ、自分を褒めたいだけなのよ」
「だから、自分の状況をそこに当てはめて・・・「大事なのは失敗をしない事だ」なんて言葉が出てくる」
「でも、現実は違うわ。「社会に出て、たくさん失敗をする中で、成功する道を見つけられるような強い自分をつくり上げる」」
「そっちの方が大事。むしろ、自分が社会で、のしていける・・・その基礎作りの方が大事よ」
「だって・・・ユキちゃん、そのオトコ、今、どうしてる?」
と、御島さん。
「家庭不和で、離婚が目の前・・・会社でもイマイチ・・・一般に埋もれて、女性からは、忘れられているタイプの人間ですね」
と、ユキちゃん。
「でしょう?結局、現実の世界から逃げて、「逃げ込み者」をやっているから、成長も出来ないし、結果、皆から忘れ去られるのよ・・・」
と、御島さん。
「その男性のパターンって、「人生は必ず帳尻が合う」のパターンでは、どれになりますか?」
と、池澤くん。
「そうね。どっちかって言うと①かしら。人生失敗しちゃうタイプよね。話を戻しましょう」
「だから、一般の人間って、誰でも、②なのよね。最初はすべての事に関して、点数が低い」
「クロールさえ、まともに泳げないし、平泳ぎや、背泳ぎ、バタフライになんて、手もつけられていない」
と、御島さん。
「でも、社会に出て、自分磨きを開始すれば、少しずつ手がつけられていく・・・そういう話ですよね」
と、辛辣姫。
「そういう事。「大器晩成」ってよく言うけど、それってこのパターンよね。じっくりと自分磨きに精を出して」
「日々、進化・成長を志向するからこそ、自分自身が出来上がっていく・・・そういうパターンよね」
と、御島さん。
「だから、そういう意味じゃあ、そういう「大器晩成」志向の人間達って・・・生きていくうちに・・・いや、自分磨きをしていく」
「うちに、話題すら、変わっていくの」
と、御島さん。
「・・・と言いますと?」
と、池澤くん。
「最初は・・・まあ、10代から20代の始め・・・まだ、社会に出ていない頃は、テレビやアニメ、漫画、ゲームなどの」
「「非リアル」な話題が多いでしょう?それはある意味、「現実逃避」なのよね。でも、それは当たり前で」
「だって、まだ、自分をどういう方向で磨けばいいか、わからないんですもの。それにテレビやアニメ以下・・・」
「そういうモノを楽しむ中に、生きるヒントが隠されているモノだし・・・最初はそういう話題がもっぱらになるわよね」
と、御島さん。
「なるほど、それはわかりやすいですね」
と、池澤くん。
「次に来るのが・・・社会人として、自分を一人前にするのに・・・それって最初は大変だから、その愚痴よね」
「愚痴を言い合える友人を作って、傷を舐め合う・・・これは当然、人生のシーンとして、必要な状況だわ」
と、御島さん。
「なるほど・・・じゃあ、それをレベル20としましょうか。テレビやアニメを話題としている時代をレベル10として・・・」
と、貴島くん。
「いいわね。だから、人はレベル10、レベル20と、レベルを上げてくるの。そして、レベル30は、自分の人生を」
「社会で本気で磨くようになったフェーズを言う事になるわね。恋をしてはフラれる。仕事をやっては、失敗する」
「でも、その失敗フェーズこそ、次の成功フェーズの真の土台を作るフェーズなの。だから、避けては通れないの」
と、御島さん。
「なるほど・・・土台を作る為にたくさん失敗するんだから・・・確かに避けては通れませんね」
と、貴島くん。
「そして、レベル40。ここまで、来ると、たくさんの失敗をしてきたから、土台もしっかり作れて・・だからこそ、成功への道が見えてくるの」
「そこからが、本当の自分の道を歩き出した・・・すべての開始の時期と言う事になるかしらね」
「そこからこそが、その人間の本当のオリジナルな道になるのよ・・・」
と、御島さん。
「だから、話題的に言うと・・・レベル30、40になると・・・自分が社会で培ってきた話題になると思うのよね」
「こうやったら、失敗した・・・ああやったら、成功した・・・社会での自分磨きの話よね・・・」
「っていうか・・・こうなって初めて、その人間の社会性が出てくると言うか、本当にその人間のオリジナルな話題が出てきて」
「人間として、面白くなるって・・・そういう感じよね」
と、御島さん。
「それが、「人生は必ず帳尻が合う」の②パターンの人間の話題って、事になりますか」
と、池澤くん。
「そういう事ね。話題からでも、その人間のあり方はわかってしまうって言う事よ」
と、御島さん。
「まあ、でも、このくらい成長してくると、話だって、常にオリジナルだし、自分が経験から作って来た知恵だから、女性からしても話していて楽しいのよ」
「テレビの受け売りとか、自分の趣味の話の押し付けなんて、女性は大嫌いだから・・・」
と、御島さん。
「なるほど・・・男性は、自分を追求して、社会で自分を磨くようになるからこそ、女性に恋される要素を作っていく・・・そういう話なんですね」
と、池澤くん。
「そ。そして、これが、「人生は必ず帳尻が合う」の正体なの。「出来ないからこそ、出来るように頑張る」・・・この思いを持って、自分磨きを始めるからこそ」
「自分自身も、社会で通用するようになるし、女性にも恋されるようになる・・・出来ないからこそ、どんなに失敗しても、たくさんのハードルを超えて」
「出来る自分になれるからこそ「人生は必ず帳尻が合う」って事になるのよ・・・女性にも愛されるようになるのよ・・・」
と、御島さん。
「なるほど・・・すごく、よくわかりました。結局、「出来ないからこそ、出来るように頑張る」の意識で、社会での自分磨きをがんばれば」
「やがて、「人生は必ず帳尻が合う」って事になるんですね」
と、池澤くん。
「それが②のパターン・・・だとしたら、①のパターンも失敗しないようにしなくちゃいけませんね」
と、辛辣姫。
「①のパターンの場合は、奢らない事じゃないかしら。人生は常に真摯に生きていく・・・現実を直視し、自分に足りないものを作り上げ、日々を素敵に生きていけさえすれば」
「先細りの人生には、ならないように思うわ」
と、御島さん。
「いずれにせよ、大事な事は、「社会に出て、自分を磨く」と言う事・・・これが出来て初めて、その女性なり、男性は輝くわ」
「人生とは、「社会に出て、自分を磨く」為にある・・・わたしは、強く、それを思っているの」
と、御島さん。
「だからこそ、「人生は必ず帳尻が合う」・・・そういう話なんですね」
と、辛辣姫。
「これって・・・御島さんに聞きたいんですけど、要は、人生そのものの通信簿を作ってしまえば・・・自分の人生磨きで何が抜けているかどうかがすぐにわかる」
「・・・そういう話ですか?」
と、貴島くん。
「うん。なるほど・・・そうかもしれないわね。そこまで、考えていなかったけど・・・指摘されれば、確かにそういう話になるわね」
と、御島さん。
「だとしたら・・・確かに手段として「社会に出て、自分を磨く」は大事ですけど、そもそもの目的を明確にした方がいいんじゃないですか?」
と、貴島くん。
「なるほど・・・それはそうかもしれないわね・・・人生の目標ね・・・」
と、御島さん。
「それはオトコなら、多くの女性に恋をされ、その女性皆を笑顔に出来るオトコになること」
「女性ならば・・・素敵な男性に恋をし、笑顔になれる女性になること・・・なぜなら、恋こそ、女性の毎日のエネルギー源だし、男性は、そのエネルギー源そのものになることこそ」
「皆をしあわせにする事だから・・・こんなので、どうかしら?」
と、御島さん。
「そういうコミュニティさえ、作れれば、家庭を持ち、子供を育てる環境になっても、周囲から、たくさん支援されるようになるでしょう?」
「皆がお互いを支援しながら、しあわせになって行く、そういう環境の土台づくりになるわ。そういう結婚生活こそ、周囲皆を笑顔に出来るんじゃないかしら」
と、御島さん。
「だって、日本人は、皆で笑顔になってしあわせになっていく所にこそ、価値があるとわたしは思っているから」
と、御島さんは言うと、満足そうに、日本酒を飲み干した。
(おしまい)