桐野夏生さんの新刊読みました~
この本の新聞広告を読んだ時、私小説なのかなと思っていました。
印象的な表紙絵だと思ったら、草間彌生さんの絵でした。
ああ、とてもらしい、と思いました。
この主人公は、私自身だ――。1972年、吉祥寺、ジャズ喫茶、学生運動、恋愛。
「抱かれる女から抱く女へ」と叫ばれ、あさま山荘事件が起き、不穏な風が吹く七〇年代。
二十歳の女子大生・直子は、社会に傷つき反発しながらも、
ウーマンリブや学生運動には違和感を覚えていた・・・。(内容紹介より)
私自身は、桐野さんより下の世代なので、安保はテレビの中の出来事です。
ジャズ喫茶や学生運動、ウーマンリブなどという言葉を懐かしく思いますが、
実感は伴いません。
でも、読みながら一番強く思ったことが、昔の男たちというのは
こんな感じだったよなぁと云う事です。
物事を考えようとする女たちを嘲笑って、バカにしていたと。
描かれる若い男たちの今との違いに、ガクゼンという感じです。
そしてそれにともなって、女性が格段に生きやすくなったという実感です。
「舞台となった1972年は、2月に連合赤軍のあさま山荘事件が起こり、
その後、大量リンチ殺人が行われていたことが明るみに出た年。
世間は騒然としましたが、学生たちにとっては、何かが終わったというか、
白けたような気持ちを抱いていた時期だったんですよね。
構想を練りながら、あのころ感じていた所在のなさや、
世の中への違和感といったものが次々と思い出されて……。
そうして、当初考えていた物語に記憶が融合し、
私には珍しい、私小説的な作品になりました。」
と、桐野さんインタビューに答えていらっしゃいます。
多分、この時代の空気を思い出せる人々が読むと感慨深いのでは、と思います。
個人的には悩む直子の心情に、共感する部分がありました。
女性性や男性性というものを旨くとらえられずに傷つく気持ち、
同じように思っていた時期がありました。
結局はこういう気持ちの積み重ねが、時代を少しずつ動かしていくのだと思いました。。
この本の新聞広告を読んだ時、私小説なのかなと思っていました。
印象的な表紙絵だと思ったら、草間彌生さんの絵でした。
ああ、とてもらしい、と思いました。
この主人公は、私自身だ――。1972年、吉祥寺、ジャズ喫茶、学生運動、恋愛。
「抱かれる女から抱く女へ」と叫ばれ、あさま山荘事件が起き、不穏な風が吹く七〇年代。
二十歳の女子大生・直子は、社会に傷つき反発しながらも、
ウーマンリブや学生運動には違和感を覚えていた・・・。(内容紹介より)
私自身は、桐野さんより下の世代なので、安保はテレビの中の出来事です。
ジャズ喫茶や学生運動、ウーマンリブなどという言葉を懐かしく思いますが、
実感は伴いません。
でも、読みながら一番強く思ったことが、昔の男たちというのは
こんな感じだったよなぁと云う事です。
物事を考えようとする女たちを嘲笑って、バカにしていたと。
描かれる若い男たちの今との違いに、ガクゼンという感じです。
そしてそれにともなって、女性が格段に生きやすくなったという実感です。
「舞台となった1972年は、2月に連合赤軍のあさま山荘事件が起こり、
その後、大量リンチ殺人が行われていたことが明るみに出た年。
世間は騒然としましたが、学生たちにとっては、何かが終わったというか、
白けたような気持ちを抱いていた時期だったんですよね。
構想を練りながら、あのころ感じていた所在のなさや、
世の中への違和感といったものが次々と思い出されて……。
そうして、当初考えていた物語に記憶が融合し、
私には珍しい、私小説的な作品になりました。」
と、桐野さんインタビューに答えていらっしゃいます。
多分、この時代の空気を思い出せる人々が読むと感慨深いのでは、と思います。
個人的には悩む直子の心情に、共感する部分がありました。
女性性や男性性というものを旨くとらえられずに傷つく気持ち、
同じように思っていた時期がありました。
結局はこういう気持ちの積み重ねが、時代を少しずつ動かしていくのだと思いました。。