人々が危機から逃れようとする中、一人北極に残る事を選択する科学者。彼は地球に危機が迫っていることも知らずに宇宙から帰還しようとしている宇宙船に、危機を知らせようとする。そしてそんな彼の元には一言も言葉を発せず、ただ彼の事を慕う一人の可愛らしい少女が寄り添う。
刻一刻と悪くなる地球の状況を知らず、帰還というミッションを遂行しようとする宇宙船のメンバー達。一人残った北極の観測所で、宇宙船のクルーに危機を知らせるべく雪嵐の中に出ていこうとする科学者。
広い宇宙の中で、そして極寒の北極で、自然と向き合い、自分のミッションと向き合う彼らを見ていると、大自然の中ではいかに人間が小さく無力であるかを思い知らされ、畏敬の念を抱かずにはいられない。
どこにでも行けると思っていた彼らが、どこにも行く場所がないと知り、そんな中でも行く場所を探し求めようとする。
北極も宇宙も果てしなく広い空間であるにも関わらず、映画は自分の心の中で、自分自身と対話をするような静かな映画だ。
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内なる声に耳を傾ける感じは、ジョージ・クルーニーがサンドラ・ブロックと一緒に主演を務めたゼロ・グラビディにも通じるような気がする。(ゼロ・グラビディを見た時の感想)
Netflixで視聴。監督・製作・主演もジョージ・クルーニー。