警視シリーズの第10作
実は前作の警視の週末を読まずにこの10作目を手にしたので、人間関係を思い出すのにやや時間がかかるが、人間関係が複雑であってもエキセントリックな人間関係ではないので、読み進むうちに徐々に主人公のキンケイド警視と息子のキット、キンケイドの恋人であるジェマとジェマの息子のことは思い出してくる。
舞台となる英国ロンドン南部のサザーク地区の雰囲気が穏やかに伝わってくるし、10作目であっても書き手のマンネリ感は伝わってこず、逆にシリーズ物ならではの人間関係を堪能出来る。
放火、失踪、子どもの誘拐などなど、事件の関連性を無理やり全面に押し出したところはどうかと思うが、複数の消えた女性と一人の他殺死体の関係は?というあたりは、結構謎解きの面白さも感じさせるのはさすがだと思う。
キンケイドとジェマの家族の問題は解決せずにずっと残るのだが、後ろ向きの感じはないので、読んでいて不快な感じはしない。
シリーズ物には大事な読後感だと思う。
実は前作の警視の週末を読まずにこの10作目を手にしたので、人間関係を思い出すのにやや時間がかかるが、人間関係が複雑であってもエキセントリックな人間関係ではないので、読み進むうちに徐々に主人公のキンケイド警視と息子のキット、キンケイドの恋人であるジェマとジェマの息子のことは思い出してくる。
舞台となる英国ロンドン南部のサザーク地区の雰囲気が穏やかに伝わってくるし、10作目であっても書き手のマンネリ感は伝わってこず、逆にシリーズ物ならではの人間関係を堪能出来る。
放火、失踪、子どもの誘拐などなど、事件の関連性を無理やり全面に押し出したところはどうかと思うが、複数の消えた女性と一人の他殺死体の関係は?というあたりは、結構謎解きの面白さも感じさせるのはさすがだと思う。
キンケイドとジェマの家族の問題は解決せずにずっと残るのだが、後ろ向きの感じはないので、読んでいて不快な感じはしない。
シリーズ物には大事な読後感だと思う。
警視の孤独 (講談社文庫)デボラ・クロンビー講談社このアイテムの詳細を見る |