世界に一つだけの姥花日記

貴方は貴方らしく私は私らしく、世界にただ一つだけのきれいな花を一生懸命咲かせましょう。
シニア主婦の平凡な日記です。

読書備忘録~鎌倉時代

2022年04月15日 | 読書&映画

 

まだ続いてます、凝りもせず「鎌倉殿の13人」関連の読書。

そろそろ終わりにしようかなと思いつつ、1冊を読み終わるとまたその先が読みたくなる。

今まで読んだ本はこの2冊の前に「炎環」(永井路子著)と「鎌倉殿の世界」(複数の著名作家著)。

「言の葉は、残りて」以外は鎌倉時代の歴史小説短編集となります。

ひとつ一つの作品は時系列になっており、主人公も一人ですが、重なる話もあり、

読解力不足の私は、読み進むうちにやや混乱してきます。(苦笑)

前2作の読後感はこちらをクリックしてください→「大河ドラマに魅せられて」

 

「鎌倉燃ゆ」は7人の作家が、鎌倉時代初期に登場する人物を描いています。

「水草の言い条」では大河ドラマ主人公の北条義時を、「蝸牛」では頼朝の娘、大姫と静御前を、

「曾我兄弟」では曽我十郎五郎のあの有名な仇討を、「讒訴の忠」では梶原景時を、

「非命に斃る」では鎌倉2代将軍、源頼家を、「重忠なり」では忠義者であった畠山重忠を、

「八幡宮雪の石階」では三代将軍「実朝」を描いています。

今回の大河ドラマで脚光を浴びることになった鎌倉時代。

あまりに表面的なことしか知らなかった自分にショックを受けるほど、

様々な人物、様々なキャラクターがクロスし、時代が進んでいったのですね。

 

この本の最終章の「源 実朝」の生涯を読み、もっと詳しく知りたいと飛びついたのが、

次に読んだ「言の葉は、残りて」(佐藤雫著)です。

三代将軍「源実朝」といえば、鶴岡八幡宮の石の階段で公暁に襲われ、命を落した悲劇の将軍!

恥ずかしながら、その程度の知識しかなかった私は、夢中になって読みふけりました。

これは感動的な歴史恋愛小説と言えるのではないでしょうか。

武の力ではなく、言の葉で世を治めたいと願う心清らかな将軍実朝に私はほれ込みましたよ。

都から嫁いできた公家の姫・信子との夫婦愛に心温まるものがあります。

実朝は文芸には優れているものの、将軍としてはひ弱で無能というイメージが強いですが、

そんなことはありません。様々な葛藤を乗り越え、有能な将軍へと一歩を歩み出した矢先、

血で血を争う殺伐とした世に、夢かなわず命を落としまいました。

しかし実朝の言の葉は藤原定家の案で「金塊和歌集」として残ることになります。良かった!

 

今まで読んだ本が少々固い筋であったため、ロマンス小説ともいえるこの本は、

長編小説として実朝の生涯が丁寧に描かれ、また文体も優しく、とても読みやすかったです。

初めてであった作家、佐藤 雫さんの他の小説も読んでみたくなりました。

 

 

 

 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大河ドラマに魅せられて

2022年03月23日 | 読書&映画

何と寒い日が続いたことでしょう。完全な冬への逆戻りでした。

昨日は「電力需給逼迫警報」が発令され、停電もやむなしという東京地方でした。

枕元に小型懐中電灯を置き、防災用ランタンには電池をセットしリビングに待機させました。

なんとか停電は免れたようで一安心です。

着るものにも困惑。冬もののコートをクリーニングに出してしまった私は出かけるのにも困りました。

一昨日は実家のお墓参りを姉と姪っ子(姉の長女)と寒さに震えながらし、

その後3人でランチ。楽しいひと時でした。

我が家のお墓参りはその前の暖かな日に済ませてありました。

両家とも遠方の広島のお墓を墓じまいし、東京、横浜に改装し十数年が経ちます。

実家のお墓は私たち二人姉妹ゆえ、今後どのように護っていくか、そんな話も・・・・。

お彼岸を迎えるたびに持ち上がる課題です。

 

                  

大河ドラマ「鎌倉殿の13人」!ますます面白くなってきました。

が、登場人物の相関関係がはっきり言ってややこしくて複雑で訳が分からなくなります。

そこでドラマの予習、いえ復習?最近鎌倉殿関連本を読みあさっています。

と言ってもまだ2冊ですが。「炎環」(永井路子著)&「鎌倉殿の世界」(複数の作家著)。

「炎環」は鎌倉幕府中枢にいた4人の人物を描いた連作作品です。その4人とは?

「悪禅師」では頼朝の異母弟阿野全成、「黒雪賦」では13人のひとりで策氏「梶原景時」、

「いもうと」では阿野全成の正室、政子の妹保子、「覇樹」では大河ドラマの主人公北条義時。

それぞれの視点から鎌倉幕府の内情を描いています。面白い!

この時代では数名の名前しか上げることのできない浅い知識しか持たない私には、

眼から鱗の「物語」でした。

 

「鎌倉殿の世界」は6人の有名な作家がこの時代を小説化して描いています。

それぞれが短編として成立し、大河ドラマの副読本として読むには最適の本です。

肉親と言えども家族と言えども、陰謀、騙し討ち、謀略、血で血を洗う醜い争い。

鎌倉時代ってこんな時代だったのと驚きながらの読書でした。

この凄惨な時代を三谷幸喜はこれからどのように描いていくのか楽しみです。

ややコメディーぽい部分のある大河大河ドラマ「鎌倉殿の13人」ですが、

本を読みながら、このコメディータッチでなければ観続けることができないかもとさえ思いました。

 

重複する物語も多々ありますが、まだまだこの時代を読み続けたいと思っています。

お薦めの本があればお教えください。

 

最後に読むにあたって参考にした家系図がありましたので載せておきます。

 

やはりコメント欄開けました。本を紹介していただきたいので

 

 

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

読書備忘録~心に沁みるフレーズ

2022年03月13日 | 読書&映画

なぜこの本を選んだか、よく覚えていないのですが、6ヶ月待ちました。

ようやく手元に届いた青山美智子さんの「お探し物は図書室まで」。

何だか魅力的、惹き付けられるタイトルだと思いませんか?

<紹介文より>

>お探し物は本ですか?仕事ですか?人生ですか?

悩める人々が立ち寄った小さな図書室。

不愛想だけど聞き上手な司書さんが思いもよらない選書と可愛い付録で人生を後押しします。

仕事や人生に行き詰まりを感じている5人が訪れた街の小さな図書室。

「本を探している」と申し出ると「レファレンスは司書さんにどうぞ」と案内してくれます。

狭いレファレンスカウンタの中には・・・・。<

 

まずレファレンスという言葉に興味を持ちました。

レファレンスサービスとは?

図書館利用者から質問、相談を受けて調べ物に必要な本や資料を探すお手伝いをすること。

そんなサービスがあるとは永年図書室を利用している私は知りませんでした。

私が利用している図書館にもレファレンスカウンターがあるのかしら?

今度伺ってみたいと思います。

 

この本の中にはそれぞれの章に心に沁みるフレーズがたくさん散りばめられています。

幾つかを抜粋してご紹介します。

>本もそうなの。作り手の狙いとは関係ないところで、そこに書かれた幾ばくかの言葉を

読んだ人が自分自身に紐づけてその人だけの何かを得るんです。

>人生なんていつも大狂いよ。どんな環境にいたって思い通りには行かないわよ。

でも逆に思いつきもしない嬉しいサプライズが待っていたりするでしょ。

結果的に希望通りじゃなくてよかった、セーフ!ってことなんかいっぱいあるんだから。

計画や予定が狂うことを、不運とか失敗とか思わなくていいの。

>いつかって言っている間は夢は終わらないよ。美しい夢のままでずっと続く。

叶わなくても、それもひとつの生き方だと思う。無計画な夢を抱くのも悪ことじゃない。

日々を楽しくしてくれるから。

>何が起きるか分からない世の中で、今自分ができることを今やる。

>小町さん、言ったでしう。ょ12個入りのハニードームを10個食べたとして、箱の中の2つは『残り物』なのでしょうかって。

私はその答えがわかったみたいです。(中略) 箱の中にあるふたつは、ひとつめに食べたハニードームと何も違わない。

ハニードームも等しく素晴らしい。そうだ今ならよくわかる。

私が生まれた日と、ここに立っている今日、そしてこれから来るたくさんの明日。

どの日だって、1日の大切さになんの違いもない。

 

最後の2文は特に印象に残りました。

私たちの年齢になるとこれからの日々を残りの人生と思いがちです。

そんなことはないのです、この世に生を受けた1日目も死にゆく最後の1日も、何も違わない。

大切な素晴らしい同じ価値のある1日なのです。

余生、余生と、当たり前のように使ってきましたが、これからはその言葉を封印することにしましょう。

 

また背伸びをしなくてもいい。今自分の置かれた環境で、自分にできることをすればいい。

この本の根底に流れる考えはこれにつきると思いました。

全編を通して心温まるストリーに安らぎと癒しを感じ、読後感はとても爽やかです。

 

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

仰天のあらすじでした~読書備忘録「リボルバー」(原田マハ著)

2022年03月02日 | 読書&映画

画家フィンセット・ファン・ゴッホが自殺であったことは世界でよく知られていることです。

原田マハさんはその「ゴッホの死」をこの小説の中でミステリアスに描いています。

事実とフィクションを微妙に織り交ぜて。

誰が引き金を引いたのか?ゴッホは自殺ではなく殺されたのではないか?

パリ大学で美術史を学び、オークション会社CDCでキュレーターとして勤務する高遠冴。

彼女の前に、ある日突然、ゴッホが自殺に使用した銃であると言い、

さび付いた1丁のピストル「リボルバー」をひとりの初老の女性サラが持ち込みます。

それはオークション会社CDCにとっては衝撃的な出来事でした。

早速時間をかけ鑑定、調査をしていくうちにゴッホが自殺に使った銃とは違うことが判明します。

が、サラの告白から実はそれは画家仲間ゴーギャンの・・・・・・・・・・。

 

ゴッホとゴーギャン!かってアルルで生活を共にし、最後は仲たがいをし。

それが原因でゴッホの耳切事件が起こったことはあまりに有名です。

ゴーギャンはタヒチ、ゴッホはオーヴェールという片田舎で作品を描き続けますが、

ゴッホの自殺にゴーギャンが関わっているというのがこの小説の度肝を抜かれるところです。

どこまでが史実なのかは分かりませんが、以前読んだ「たゆたえども沈まず」では、

ゴッホの生涯を、この「リボルバー」ではゴーギャンの生涯を知ることができ、

時折ネットで彼らの絵を検索、鑑賞しながら一気に読み進みました(Kindle 版)。

 

 

 

ゴッホのゴーギャンに対する純粋なリスペクとする思いに比べ、ゴーギャンのゴッホへの思いはやや打算的。

二人の微妙な距離感に、奥深い心の闇を垣間見る想いで、読んでいて時折胸が苦しくなります。

私はゴッホが好き!子供のような清いピュアーな心の持ち主だと思いました。

 

ちなみにゴッホが自殺に使用したとみられる銃は、1960年代に農家の土の中から発見され、

実際に2019年6月、パリで競売にかけられました。

13万ユーロ、日本円にして約1579万円で落札されたそうです。

<ネットから拝借>

 

そのあたりの事情も知りながら原田マハさんの「リボルバー」を読んでいくと面白いかもしれませんね。

 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

読書備忘録~「流人道中記」

2022年02月23日 | 読書&映画

オリンピックを挟み読み始めた浅田次郎著「流人道中記」。(図書館本)

少々時間がかかりましたが、読み終えました。悲しいかなやっと今年読み終えた1冊目です。

<あらすじ>(商品解説より)

万延元年(1860)年。

姦通の罪を犯したという旗本・青山玄蕃に、奉行所は青山家の所領安堵と引き換えに切腹を言い渡す。

だがこの男の答えは一つ。「痛えからいやだ」。玄蕃には蝦夷松前藩への流罪判決が下り、

押送人に選ばれた19歳の見習与力石川乙次郎とともに、奥州街道を北へと向かう。

口も態度も悪いろくでなしの玄蕃だが、道中で行き会う抜き差しならぬ事情を抱えたひとびとは、

その優しさに満ちた機転に救われていく。この男、一体何者なのか。そして男が犯した罪とは?

 

青山玄蕃、現代風に一言で言って「カッコイイ~!」。

道中で出会う各藩の難事件を人情をもって解決していく玄蕃の姿に、初めの印象と変わり、

若き押送人石川乙次郎と同様に読者の気持ちも、彼への尊敬と信頼へと変わっていきます。

20数日共に旅した乙次郎の侍としての成長の物語でもあり、感動の最後でした。

別れの場面ではちょっとウルウルときてしまったかな~。

 

 

また「法」と「礼」!

図書館本ゆえ、すでに返却、正確には覚えていませんが、

「法」が何故できたか?それは「礼」や「徳」では世を成り立たせることができなくなったから、

という玄蕃のくだりには心から合点。現代に通じるものがあると思いました。

「徳」や「礼」があれば難しい「法」はなくても済むものなのです。

 

浅田次郎氏の時代小説は義理と人情に溢れ、なぜかいつも泣かされます。

「壬生義士伝」を読んだときは声を上げて嗚咽した記憶があります。

 

この流人道中記、是非ともドラマ化、映画化していただきたいと思います。

すご~く面白い作品に仕上がるのではないでしょうか。

そしてその時の配役、私、勝手に決めているんです。(苦笑)

青山玄蕃にはあの大河ドラマ「晴天を衝け」での平岡円四郎役の堤慎一さん、

石川乙次郎役には菅田将暉さん!どうでしょうか?イメージ、ピッタリではありませんか?

 

<ネットから拝借>

 

 

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする