世界に一つだけの姥花日記

貴方は貴方らしく私は私らしく、世界にただ一つだけのきれいな花を一生懸命咲かせましょう。
シニア主婦の平凡な日記です。

読書備忘録

2021年12月16日 | 読書&映画

重たい本を続けて2冊読んだ。

須賀しのぶ著「また、桜の国で」と朝井まかて著「恋歌」。

「また、桜の国で」はポーランドの日本大使館に赴任した若き外務書記生の青年が、

ナチス、ドイツの周辺諸国への侵攻に立ち向かい、戦争回避に向けて危険を顧みず奔走する。

戦争とは?平和とは?いろいろ考えさせられる奥の深い少し重たい本だった。

もう少し詳しい感想を以前にこのブログ上で綴っています。お時間のある時にお読みください。

Kindleで読むこちらをクリックしてください。

 

そして次に読んだのが、朝井まかてさんの第150回直木賞受賞作品「恋歌」。

私の全く知らないお初の作家だ。ブログ友ビオラさんの記事で知った。

最初は図書館で借りてきたが、途中からこちらもKindleで読んだ。

 

 

短歌に詳しい方はきっとご存知でしょう。樋口一葉の師、「中島歌子」の生涯を描いた作品。

彼女(登世)は、幕末、尊王攘夷の嵐が吹き荒れる中、その先鋒をいく水戸藩天狗党の士に、

熱烈な恋を成就させて嫁ぐ。が彼女を待っていたのは波乱万丈な人生だった。

水戸藩のお家騒動にも似た争いに巻き込まれ、ついには逆賊とされ、とらえられ投獄される。

水戸藩の天狗党と言えば、悪いイメージしか私にはなかった。暴れ者、ならず者・・・・。

が、この小説を読み、少し考えが変わった私だ。

天狗党と諸生党に分かれての水戸藩内紛はむごたらしい争いであったが、

物語の最後に明かされる感動の真実に心洗われる思いだった。

 

そして「星がひとつほしいとの祈り」原田マハ著。

少し軽い本が読みたいと図書館で何となく見つけた本。美しい題名に魅かれた。

全く予備知識はなく、原田マハさんなら絶対面白いはずと借りた。

一冊読み終えると、読む読まないに関わらず、手の届くところに本がないと落ち着かない私だ。

「大当たり!」 ほぼ半日で夢中で読んでしまった。

 あらゆる世代の女性が主人公となって登場する7編からなる短編集。

どの作品も心に沁みる話であるが、私は「長良川」が一番好き。内容は秘密ね。

この小説の面白いところはストーリーだけではない。舞台が全国津々浦々。

方言が頻繁に使用され、それが小説に安らぎと癒しを与えているように思う。

チョッピリ疲れた時、手に取りたいような、そんなほんわかとしたとても優しい本でした。

 


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朗読 字のないはがき 向田邦子

2021年11月09日 | 読書&映画

 

今日は朝から☂。毎週楽しみにしているグランドゴルフは中止です。残念!

 

昨日は月一の朗読の会で、今年から参加させてもらっています。

7~8人のグループで、講師の指導を受けながら、一つの作品を読みまわしていきます。

高齢者になると、滑舌も衰え、発音も曖昧になり、聞き取りにくくなります。

我が家でも夫婦間でお互い滑舌が悪く、耳が遠くなったこともあり、聞き間違いがよくあります。

そこで図書館での「絵本読み聞かせ」のボランティアが休止になっている今、

朗々と声を発し滑舌を良くする良い機会と思い、グループに入れていただきました。

 

昨日はその朗読の会の1年1回の発表会でした。

自分で朗読したい7~8分の小品を選び、講師と仲間に聞いてもらい、感想に耳を傾ける。

作品を選ぶ楽しみ、朗読する心地よさ、そして聞いてもらう喜び!

ささやかな楽しみ、喜びですが、安らぎと癒しの時の流れです。

今回私が選んだのは向田邦子さんのエッセイ「眠る盃」から「字のない葉書」。

戦争中の、向田家の一番下の妹と、いつも厳格でちょっぴり怖いお父さんのエピソードを綴った、

感動の実話で、彼女の作品の中でも特に愛され続けている作品です。

数年前絵本にもなり、また中学校の教科書にも掲載されているとのことです。

何度も練習し、朗読しながら、胸にこみ上げるものがありました。

 

 

朗読は発声された文によって聞く者にイメージや情念を思い起こさせるように

演じて読むことが大切だと言われています。

「絵本の読み聞かせ」は絵が中心で、絵から子供たちが自由にイメージを膨らませるため、

必要以上に演じることは求められません。

そこに朗読と絵本読み聞かせの違いがあるようです。

 

帰り際、お仲間のおひとりが私の朗読に涙がこぼれたと仰ってくださいました。

嬉しかったです。

できれば一人でも多くの方に読んでさしあげたい、読んでほしいと思う一冊です。

 

 

 

コメント (4)
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Kindleで読む

2021年11月05日 | 読書&映画

読書の秋!

今読んでいる本は「また、桜の国で」須賀しのぶ著。

現在進行形なので、満足な感想は書けませんが、とても引き込まれ夢中で読んでいます。

 

1938年、外務書記生としてワルシャワのポーランド日本大使館に赴任した棚倉慎。

ロシア人の父と日本人の母を持つ彼は、出目や容姿から悩み躓きながらも、

外交を通して真の日本人魂を持つ青年へと成長していく。

ポーランドと言えば、思い浮かぶのはドイツヒットラーによるユダヤ人迫害の史実。

しかしこの本を通して、日本とポーランドがここまで深い絆でむすばれていたとは知らなかった。

日本人、ユダヤ人、ポーランド人、3人の若者の国籍を越えた友情に、読んでいて胸が熱くなる。

とても分厚い本(図書館本)に最初は躊躇いしり込み、これはとても最後まで読み切れないと思った。

持ち歩くにも重い。そこで思い出したのが、Kindle!

 

最初はかなりの本をKindleで読んでいたが、そのうち知らず知らずのうちに紙の書籍に戻っていた。

が、こういう本こそKindleで読めば楽と思い、購入、ダウンロードした。

単行本の半額で買える安さ。字の大きさも調節でき、Kindleの良さに改めて感じた。

 

80%近く読み終えたところで、私にとって想定外のことが発覚する。

想像力の逞しい読者は察知できたかもしれまいけれど、そうだったの?と鈍い私はドキッとした。

それからまだ先は読んでいない。これからが本当に面白いのかもしれない。

寝る間も惜しんで読みたい本の一冊。非常に読み応えのある一冊だと思う。

 

須賀しのぶさんは上智大学で史学、それも確か近代西洋史が専門であったと思う(不確かです)。

それだけに彼女の作品はヨーロッパが舞台の作品が多い。

初めて彼女の作品を読んだのが「革命前夜」。

歴史と音楽を要り交ぜたスリリングな東西ドイツのまさに革命前夜。その折の感想は下記。

「革命前夜~読書備忘録」

次に読んだのが「神の棘」

そして「荒城に白百合ありて」。日本版「ロミオとジュリエット」薩摩藩士と会津藩士の娘の恋。

こちらは読後感を書いたつもりがどこにもその記述がなく、残念。

須賀しのぶ!あまり知られていない女流作家と思うが、歴史に興味のある方にはお勧めの作家です。

 

多分今日中には読了するであろう「また、桜の国で」、こも題名のように美しく終わることを願っている。

 

コメント (12)
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読書備忘録&大活字本

2021年09月28日 | 読書&映画

「海辺のカフカ」村上春樹著

読後感ははっきり言って、俗っぽいやや品のない言い方をすれば、「けったいな小説!」。

読了し、どう表現してよいのか分からない読後感です。

村上春樹独特の表現に頭は混乱の極み。しかし何故か先が読みたくなる面白さ。

村上春樹は「ハルキニスト」と言われる熱狂的ファンも多く、世界的に著名な作家であることは百も承知。

しかし私はどうしても彼の感性についていけない。

あらすじにもミステリアスな部分が多く、ややオカルト的、読後もモヤモヤ感が残る。

が、折角上下2巻とも読破したのだから、ネタバレにならない程度に簡単にあらすじを紹介する。

 

主人公 田村カフカは15歳の少年、中学3年生である(私の孫息子と同い年)。

父親からかけられた呪いに似た言葉から逃れるため、家出を決意し四国高松に向かう。

四国高松の私立図書館「甲村図書館」に救われ、そこで様々な人と出会い様々な体験をし成長していく。

その体験がややオカルト的。

一方、もう一人の主人公であるナカタさんはカフカと同じ東京中野に住む知的障害者。

猫と話せるという特技を持ち、猫探しの依頼を生活の糧とする60代のおじさん(とってもいい人)。

彼もまたある事件に巻き込まれ、そらから逃れるため四国高松に向かう。

この二つの物語が章ごとに交互に語られ、結末で融合する。

 

きっと奥が深いのだろうが、凡人の私には何とも奇妙な理解しがたいあらすじだ。

独特の表現、大胆さ、オカルト的、現実離れしたファンタスティックなストーリーに何度も投げ出したくなった。

しかしここが村上春樹の凄さ、素晴らしさか、最後まで読まざるを得ない気持ちになり読了してしまった。

 

年齢的なこともあるかもしれない。村上春樹の長編小説はもう読みたいとは思わない。

その独特の世界観、表現にとてもついていけない75歳の私だ。

が、よく言われるように彼のエッセイはとても魅力的で面白いと思う。

まるで小説を書く村上春樹とは別人のように思えてならない。

私はエッセイストの村上春樹が好き!

 

さて皆さんは「大活字本」といのをご存知でしょうか。

弱視者や高齢者にも読みやすいように、文字の大きさや行間を調整し、

大きな活字で組みなおした大活字図書のこと。初めて出会うと驚くほどの大活字だ。

 

比較的古い作家の本が多く、今回は向田邦子さんのエッセイ「眠る盃」を借りてみた。

私の利用する図書館は大活字本の蔵書は充実していて、公開書架ではなく、

自由に出入りできる書庫の書棚の一部にずらりと並んでいる。

この大活字本を知ったのは夫Aさんが借りてきたから。

彼は緑内障と言われていて、視野も徐々に狭まってきているとの自覚症状があるようだ。

眼に関してはとても神経質で、大好きな車の運転も自らやめ免許も自主返納。

読書量もかなり落ちてきている。この大活字本はとても有難いと言ってはいるが、

何分にもまだまだ一般的でないため、蔵書が少ない。

高齢化に向けてあらゆる分野でこの大活字本が普及することを願っている。

 

今回の記事のコメント欄は閉じています。

 


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読書備忘録~小川糸 ”とわの庭”

2021年08月24日 | 読書&映画

<8月24日 午前5時半の月 ウォーキングの途中にて。美しい月でした>

今日からパラリンピックが開幕します。

やはりオリンピックに比べると関連の放映も地味ですが、私はとても楽しみにしています。

日本で開催されるパラリンピック!

海外で開催される場合はパラリンピックは結果をニュースで知るのみで、

今までは私の応援する気持ちも、モチベーションも低かった気がします(ごめんなさい)

でも今回は違います。オリンピック同様、いえ、それ以上に一生懸命応援します。

コロナの重症化リスクを抱える選手も多いパラリンピック。徹底した感染対策が望まれます。

ある意味オリンピックはよい参考になったでしょう。

オリンピックでは選手の感染は少なく、会場に出入りする業者、警備員などの感染が殆どだったようですね

オリンピックと違い、競技に使う車椅子などの機器、またサポートをするスタッフ、介添者などへと、

対応しなければならないことが多いでしょう。

それゆえにパラリンピック関連者の負担は並大抵のものではないと察します。どうか無事、終わりますように!

私たち国民の協力できることと言えば、おとなしく家に籠りテレビで応援することでしょうか。

頑張れ、ニッポン!頑張ろう、ニッポン!

 

                

偶然ではるが、盲目の少女をヒロインとした小説を2冊も続けて読んでしまった。

1冊は先にも軽く感想を綴った原田マハさんの「奇跡の人」。

今回は原田マハさん同様私の大好きな女流作家のひとり小川糸さんの「とわの庭」。

この優しい表紙の装丁とは思いもつかぬ壮絶なストリーだった(前半は)。

正直、今まで読了した小川糸さんの小説とはまるで違う。

いったい「とわ」はどうなっちゃうの、何とかしてあげてと読み進みながら心の中で叫んでいた。

色に例えれば「黒」の世界。

が、後半はこの表紙のように「黄色」の世界。いつもの「小川糸ワールド」になり、ほっとした。

周囲の愛と優しさに包まれ、「とわ」の世界は明るい方向へ進んでいく。

特に盲導犬「ジョイ」との出会いは、彼女の人生を大きく変えていった。

盲目というハンディを背負いながらも、人として逞しく生きていく「とわ」にバンザイ!

今日から始まりパラリンピックの選手たちにも通じるものがあるかもしれない。良い作品だった。

 

パラリンピック開催中、コメント欄を閉じさせていただきます。

なんの関係もないのですが・・・・・

皆様のところへはお邪魔させていただきますね。


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