ヤセウツボ(ハマウツボ科)
昨日、犬のヤマトと綾里川沿いを散歩していると、緑の雑草の中にニョキニョキと棒立ちしている淡褐色のものが目に入りました。寄生植物のヤセウツボ(帰化植物)です。
周りを見渡すと5m四方に、5株ほど群生していました。
ヤセウツボは寄生植物であるために葉は退化し、葉緑素はなく褐色の腺毛が密生し、茎は肉質で直立しています。
ヤセウツボの花
花は地味な淡黄褐色で、花冠に紫色の筋や斑点があり、全体に短い腺毛が生えています。
一株掘り起こし、川で泥を流してみました。マメ科のツメクサの根に寄生していました。
帰化植物で、牧草に紛れ込んで日本に入ってきたと言われています。
初めてヤセウツボを目にしたとき、根が上向きで逆さまに張っていたので「サカネラン」と間違えてしまいました。下に根を張るツメクサの白っぽい根に巻きついて赤茶けたヤセウツボの根が絡んでいます。ツメクサに寄生して花を咲かせていました。
セリ科やキク科にも寄生し、寄生根で養分を吸収するので農作物に寄生した場合、生長を阻害させてしまうため要注意外来生物に指定されています。
同じく外来生物法で要注意外来生物に指定されているナンバンギセルは、別名「おもい草」と言われ万葉集に詠われているほど慕われていますが、ヤセ(ハマウツボに比べ痩せている)ウツボ(花穂が矢を入れる筒に似る)は、どちらかと言うと嫌われもののようです。
葉緑素をもたずに、根を宿主の根に食い込ませてちゃっかり生活するヤセウツボは、不思議な植物ですね。
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