裏庭のクルミの木は、実や葉を落としリスの訪れも少なくなり、冬支度を始めました。
クルミの木の下には、リスが食べてきれいに割れたクルミの殻が散乱しています。
硬い殻をもつクルミを割るのは大変な作業ですが、リスはいとも簡単に二分する技は何処に備わっているのでしょうか?クルミの縫合線の頂点にトンカチをいれるときれいに割れることがありますがリスのようにはいきません。
リスはどんなふうにしてクルミを割るのかクルミの食痕から探ろうと何度も形合わせをしたのですが、ぴたりと合うものは見つからず、半ばあきらめていました。
ところが、収穫したクルミを庭に広げて乾燥していた時のこと、その傍らにクルミの殻が落ちていました。クルミを求めてリスが庭にやってきたようです。
庭にころがっていたクルミの殻を二つ合わせると、ぴたりと合い、その上、殻を割る途中のクルミものこされていました。
リスが途中にしたクルミの削り方に習って、二つ割の殻を合わせると、約3㎜の空間ができました。
リスは、クルミの殻の合わせ目に沿って歯を差し込み、ぐるりとひと回り歯で削り、二つ割にすることが分かりました。そして、二つに割ったクルミの半分を口に加え、もう半分を下にかかえながら食べ始め、食べ終わると空っぽの殻を放り投げ、二つ目を上手に食べます。巧みにクルミを割り、器用に食べるしぐさの愛らしさに魅せられた今秋でした。
クルミの木に遊びに来たリス。
もうクルミの木の実はありませんが、リスは山から遊びに来たようです。目の前でカメラを抱えた私に身じろぎもせずに目を合わせてくれました。
厳しい冬の間の食糧は、しっかり蓄えておいたでしょうか。餌場を用意しておきたい情との葛藤に悩まされているこの頃です。
ニホンリスが減っているというのに、ここ三浦半島ではタイワンリスが年々増えています。動物も植物も、外来種は環境への適応力が旺盛なのでしょうか。日本固有の生きものがにぎわう自然を大切にしたいと思います。
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