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大小迫 つむぎの家

よみがえれ!大小迫の里山。 人と人、人と自然をつなぎ、つむぐ「つむぎの家」

アニマルトラック(動物の足跡)

2013年01月16日 | 動物

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一昨日、関東地方に大雪をもたらした爆弾低気圧の影響で、ここ三陸にも今年一番の雪が降りました。と言っても10㎝足らずの積雪でしたが、野山一面が真白い雪に覆われて、里山の風情も一変していました。

その雪の中に、いろいろな模様が点々と走っていました。里に下りてきた、夜行性の動物たちの足跡のようです。昨朝、里山に来た動物たちの足跡を追ってみました。

上の写真は、小川に渡してある木橋の両端にある、丸太の縁です。足跡は、橋の真ん中ではなく、こんな端っこの丸太の上についています。ここを渡って行った動物の習性の面白さに、思わず見とれてしまいました。

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こちらは、川に掛けてある二本の朽ちた細い柱です。この上にも、川を渡った足跡が残されていました。

どうして広い橋を通らずに、こんな細い所を渡るのか? 不思議ですが、それなりの理由があるのでしょう。

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近づいて足形を観察すると、丸い可愛らしい足跡です。

新雪を踏みしめて通ったのでしょう、指の形がしっかりとついています。5本の指に爪痕もくっきり。どうやら「テン」の足跡のようです。


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足跡をたどっていくと、柿の木の根元を掘り返した痕がありました。

ここは、昨年の暮れに熟して落果した実や葉っぱなどを集めておいたところです。埋もれていた柿の実を食べに来たのでしょうか?。


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さらに新雪についた足跡をよく観察すると、同じ道を往復したような形跡です。

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足跡をたどっていくと、倉庫の床下のすき間に出入りした跡が残されていました。

この倉庫は、山際に建てられた古い木造の倉庫で、かつて軒下にはスズメバチが大きな巣をつくったり、屋根裏にはコウモリが出入りしていたりと山から里に下りてきた小動物が隠れるのには絶好の場所のようです。

テンは、ここの床下で何をしていたのだろうか?テンの巣穴は何処にあるのだろうか? と思いが巡ります。


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氏神様の前の散策路には、鹿が往来した足跡が残されていました。2本の爪痕が特徴です。大きな爪痕なので雄鹿と想定されます。

今は、里山整備で、山際の鹿柵を一時取り払って作業をしている状況なので、里山を我が物顔で歩いた鹿の足跡が縦横無尽に残っていました。


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一方、三十三観世音碑が立っている散策路の山際には、タヌキが往来したと思われる足跡が残されていました。


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こちらの足跡は、肉球が四つで、比較的丸っこい足形です。昨年末(12/22の未明)に、ヤマトの餌をあさりに来たタヌキなのでしょうか? この足跡は、つむぎの家の裏側を通り、新宅のヤマトの小屋の前を迂回して、消防の屯所の方に続いていました。どうやら街の中まで遠征しているようです。

一昨日の大雪は夜には止み、空気の澄んだ星空のもとで、森の動物たちは里山を舞台にそれぞれのドラマを演じたようです。雪が降ったからこそ見ることが出来た動物たちの足跡からその習性や行動に思いを巡らせた大雪の朝でした。


真夜中の来訪者 タヌキ

2012年12月23日 | 動物

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昨夜深夜から未明にかけて、犬のヤマトの激しく吠える声に起こされ、0時30分ごろ外に出てみると、デッキの所でヤマトがタヌキとにらみ合っていました。

ここは、ヤマトの食餌の場所で、昨夜はドックフードを少し食べ残していました。写真左下のスチール容器に残っていたヤマトの餌の食べ残しを狙ってタヌキがやってきたようです。容器をのぞくと餌はきれいになくなっていました。

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ヤマトの鳴き声に驚いたのか、タヌキはデッキの狭い板の間に身をひそめたままになり、身動きできなくなっていました。私たちが起きてきたのでヤマトは安心したのか、「ウーッ、ウォーッ」とうなり声になり、タヌキの方は「グワーッ、グワー」とうなり声で応戦していますが、2匹とも1mの距離を挟んで全く動こうとしません。まさに不動の姿勢のままの対峙が続きました。


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しかし、私の姿を見ると安心したせいか、ヤマトはデッキの下に入り、積極的にタヌキを追いかけはじめました。

タヌキの方は、土台とデッキの板の間に身を隠し、デッキの板を盾にして、狭い通路を右往左往していました。


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そのうちに柱の所でおとなしくなり、何と!目をつむって身動きしなくなりました。

タヌキの大胆な行動に、ヤマトも私たちも一瞬キョトンとしてしまいました。どうやら「狸寝入り」を始めたようです。話では知っていましたが、実際に見るのは初めてでした。ヤマトの手綱を引き寄せ、しばしこの「狸寝入り」を観察することにしました。ライトを当てても、目を閉じたままじっとしています。そのうち、今度は頭を柱の間に入れ、じっとして動きません。まさに「頭隠して尻隠さず」の態勢です。

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手綱を離すと、ヤマトは執拗に狸に向かっていくのですが、タヌキは固まってしまって逃げようとしません。

ヤマトも吠えるだけで、咬みつく攻撃はしません。

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かわいそうになり、何とか逃がそうと、仕方なくヤマトを押え、デッキの間からタヌキの頭を竹の棒でつついて、「出ていきなさい!」と刺激を与えると、逆に唸り声をあげ、竹にかみつき動こうとしません。今度はお尻の方から竹で追い払うと、ようやく狭いデッキの下をゆっくり歩き始めました。

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数分後、「お騒がせしました!」とでも挨拶しているような表情を最後に、軒下から出たタヌキは、足早に去っていきました。

体長50~60㎝、体重は5~6Kはあるでしょうか、ふさふさした冬毛で肩の毛が抜け、古だぬきと思われます。山の獲物も少なくなり、里に下りてきて、ヤマトの残飯にありついたけれど、ヤマトに威嚇され、身動きできなくなっていたようです。

タヌキが去った後、「ヤマトお利口だったね、よしよし!」とほめてやると、ヤマトは得意顔で、お駄賃のビスケットを食べ、水をごくごく飲んでいました。冬の里山には、いろいろな生き物たちがやってきています。夜半になると鹿のように野菜などを食い荒らすもの、テンやタヌキのように干し草堆肥や牛堆肥の中にいるミミズなどをあさるもの、キツネなどのようにネズミやモグラなどの小動物を獲るものなど、私たちが寝ている間にも、いろいろなドラマがあるようです。

時計を見ると12時50分、真夜中の来訪者に眠気の覚めた夜でした。


クルミ割り名人 ニホンリス

2012年10月22日 | 動物

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裏庭のクルミの木は、実や葉を落としリスの訪れも少なくなり、冬支度を始めました。


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クルミの木の下には、リスが食べてきれいに割れたクルミの殻が散乱しています。

硬い殻をもつクルミを割るのは大変な作業ですが、リスはいとも簡単に二分する技は何処に備わっているのでしょうか?クルミの縫合線の頂点にトンカチをいれるときれいに割れることがありますがリスのようにはいきません。

リスはどんなふうにしてクルミを割るのかクルミの食痕から探ろうと何度も形合わせをしたのですが、ぴたりと合うものは見つからず、半ばあきらめていました。


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ところが、収穫したクルミを庭に広げて乾燥していた時のこと、その傍らにクルミの殻が落ちていました。クルミを求めてリスが庭にやってきたようです。

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庭にころがっていたクルミの殻を二つ合わせると、ぴたりと合い、その上、殻を割る途中のクルミものこされていました。


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リスが途中にしたクルミの削り方に習って、二つ割の殻を合わせると、約3㎜の空間ができました。

リスは、クルミの殻の合わせ目に沿って歯を差し込み、ぐるりとひと回り歯で削り、二つ割にすることが分かりました。そして、二つに割ったクルミの半分を口に加え、もう半分を下にかかえながら食べ始め、食べ終わると空っぽの殻を放り投げ、二つ目を上手に食べます。巧みにクルミを割り、器用に食べるしぐさの愛らしさに魅せられた今秋でした。


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クルミの木に遊びに来たリス。

もうクルミの木の実はありませんが、リスは山から遊びに来たようです。目の前でカメラを抱えた私に身じろぎもせずに目を合わせてくれました。

厳しい冬の間の食糧は、しっかり蓄えておいたでしょうか。餌場を用意しておきたい情との葛藤に悩まされているこの頃です。


実りの秋 ニホンリス その2

2012年09月30日 | 動物

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早朝、毎日のようにやってくるニホンリスの可愛いしぐさに魅せられ、午前6時、裏庭に出てクルミの木を見上げると枝下ろしをした切り株で、食餌をしていました。前足でクルミを抱え、クルミの中心線に沿って歯で切り込んでいます。数分この状態でしたが、気配を感じたのか移動し始め、地上に降りてきました。

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下りてきたリスはどういう訳か、川に渡した一本橋の上で、引き続きクルミを割る作業を続けています。橋の上にはくるみの殻を削った細かいクズが散らばっています。


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削り終えたクルミが2つに割れ、中身を食べ始めました。半分に割ったクルミのもう一つも下に抱えています。食べ終わると橋の上から殻をころがし、もう半分のクルミの実を上手に食べていました。

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高所の木の枝でも、別のリスが食餌をしていました。

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昨日は、食餌が終わった3匹のリスが、くるみの木の幹を上り下りしたり、縦横無尽に枝に飛び移り追いかけっこをしていました。とかと思うと地上に降りて川べりや草むらを走り回ったりと、一段と活発な行動を見せてくれました。無邪気な動きは小リスなのでしょうか?

ネズミの食痕と対照的に、きれいに2つに割るリスのクルミの食べ方は、感動的です。

森の中に住み、生き物の生態系を維持するために大切な役割を果たしているニホンリスの生息環境を守っていきたいと思います。


実りの秋 ニホンリス

2012年09月28日 | 動物

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実りの秋を迎え、裏庭のオニグルミは黄色に熟し、音を立てて地上に落下しています。落下音と共に生きものの気配を感じ、見上げるとニホンリスがクルミの木の幹で体を伸ばしていました。

警戒ポーズでしょうか?リスは、身動きせずに置物のようにコチコチに固まっています。

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私が動き始めると、リスもクルミの木の枝から枝へと移動し始めました。体長20㎝ほど、毛色は赤褐色で腹面や尾の先は白く、尾長は17㎝ほどです。

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一方、別の枝にはクルミをとって食べているリスがいました。クルミを2個かかえていましたが、1個は落としてしまったようです。

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ふさふさした尾をひるがえして、クルミを食べる姿はなんとも愛くるしい。

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外皮を外し、硬い殻を懸命に割っています。長くてりっぱな尾は、天敵から身を守るためのカモフラージュの役目もあるのでしょう。尾っぽに体がすっぽりと隠されています。

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茶褐色の夏毛にふさふさとした長い尾、クリクリとしたかわいい目、小枝を自由に動き回る愛くるしい姿に魅せられました。

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クルミの木の下には、リスが食べたクルミの殻がたくさん散乱しています。時には、貯蔵のためにクルミをくわえ、木から木へと飛んで森に帰っていきます。

地上に降りることなく、木々をつたって森へと続く環境が気に入ったのでしょう。クルミが熟する前から、様子を見にやってきていたニホンリスのかわいい姿に癒されています。

* リスは木の実のほかに、若芽や若葉、キノコや昆虫も食べるようです。