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大小迫 つむぎの家

よみがえれ!大小迫の里山。 人と人、人と自然をつなぎ、つむぐ「つむぎの家」

厳冬を生きる動物

2012年01月07日 | 動物

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クルミの木

子供たちがクルミを拾っては石で割り、中身を出して楽しんでいた秋から、クルミの木はすっかり葉を落とし、冬木立へと移り、冬の眠りに入りました。

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リスの食痕

ふと、クルミの木の根元に目をやると、拾い尽くしたはずのクルミの殻がたくさん落ちていました。

クルミは、リスが以前に蓄えておいたものを小出しにくわえてきて、天敵から身を守るために木に上り、同じ場所で大好きなクルミを食べた残りの殻です。

リスの行動を直接目にすることはできませんでしたが、リスの厳冬を生きる知恵と暮らしが目に映りました。

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タヌキのため糞

林道坂の真ん中、見通しの良い場所にタヌキのため糞。

数日前のものと思われる乾燥した白っぽい糞、真っ黒の糞や消化不良のオレンジ色の木の実等、さまざまな食べかすが残り、冬の厳しい食糧事情がうかがえます。

*同じ場所に糞をするタヌキの習性は一つに、タヌキの行動範囲を他の個体に示す役割があるといわれていますが、他の家族を入れさせないというような排他的な縄張りではないそうです。もう一つは雑食性のタヌキにとっては、糞中などの昆虫類、節足動物等が集まってきたものを食べるためにふん場が食事場所にもなっているそうです。

排泄場所が食事場所にもなっているとは、かつての日本農業における再生産のための、し尿リサイクルを思い出しました。今は文明の力で、人の排泄物は浄化して川に流す仕組みに変わってしまいましたが、森の生き物たちが、私たちに「自然に帰れ!」と示唆してくれているようです。


里山の冬-キツネの死-

2011年11月28日 | 動物

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昨日の夕方、犬のヤマトの里山散歩の帰り、いつもと違うコースで木小屋と長屋の間の道を通った時、ヤマトが突然耳をピンと立て、長屋の軒下の方に向かっていきました。何だろう?と思いながら、ヤマトに導かれ長屋の軒下をのぞくと、何やら動物らしきものが目に入りました。

なんと、体長40㎝ほどのキツネで、硬直状態で横たわっていました。キツネ特有のふさふさしたしっぽの毛は少なくなっており、冬毛もまばらな状態で、痩せ細った体でしたので、病気で死んだものと思われます。

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静かに抱き上げて地面に横たえてみると、目をつむり、安らかな表情でした。

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先祖の墓の近くにイチジクの木があり、その根元に穴を掘り、静かに葬ってあげました。

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「キツネの墓」

このところ、母屋周辺に動物の糞が目につき、イヌやネコの糞とは違い、またタヌキの「ため糞」とも違うので、何だろうと不審に思っていました。

一月ほど前には、南尾根コースの入り口付近で、里地から山に向かうキツネと出会い、親しみを感じていたのに、悲しい別れです。

昔は、農耕文化と結びついた稲荷信仰が生まれるくらい里山にはたくさんのキツネが、生存し、人間社会と共存していたのでしょうが、貴重な動物を失い寂しい限りです。どうしたら動物たちと共生・共存できる環境が保てるのでしょうか?


里山の動物

2011年11月07日 | 動物

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今年は、柿がたわわに実をつけました。その分、小粒ですが樹齢30年の若木は比較的大きな実をつけていました。

ところが、ある日のこと、手の届く高さの柿の実が減っていることに気づき、よく見ると、柿を食べた跡や折った枝が散乱し、木の下には鹿のぬたばや糞があちこちにありました。鹿が柿の実を食べに来ていたのです。かつてこのようなことはなく、鹿は渋柿は食べないものと思っていました。山の食糧事情が悪いのでしょうか?それとも鹿が増えすぎたのでしょうか?

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柿の老木の実り状況、枝が折れそうです。実の重さで折れた枝も出ました。

渋柿はカラスも食べません。カラスが加えているのはクルミです。

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里地には鹿の防御ネットを張っていますが、山肌の草地に鹿が付けた「けもの道」ができていました。

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けもの道をたどっていくと、鹿柵ネットの金具がこじ開けられていて、ここから出入りしていたようです。

今年は、山の中の栗の実はもちろん、山際の里地の栗も食べに来ていて、ほとんどが鹿の餌となりました。

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一方、川にかけた橋の上に動物の糞を見つけました。猫や狸の糞とは違うので食べかすを調べてみました。

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糞を、目の粗いざるの中に入れしばらく川にさらしておきました。

ざるに残ったものは、ネズミの毛でしょうか?ふさふさしたものや昆虫の足、草や木の実の種が出てきました。

狐の糞と思われます。糞を見つけた数日前の夕暮れ時、森の入り口で狐にばったり会いました。数秒間私を凝視し、森の中に消えていきました。犬のヤマトと間違うほどかわいい表情でした。

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里地の草はらに、鳥の羽毛が散乱していました。ヒヨドリでしょうか? 頭や体は見当たりませんでした。

人が眠りにつくころ、里山では動物たちが盛んに活動しているようです。センサーカメラを設置し動物たちの暮らしを見ることができたらいいなあと、一人思いにふけっています。


雄鹿のテリトリー

2011年09月10日 | 動物

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色づき始めた稲の収穫に、思いをはせていた矢先、野生鹿に山側の田んぼの一角が無残に荒らされました。

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雄鹿が角にネットをからませ、外そうと暴れ、のたうちまわった後です。

10月~11月の鹿の繁殖期を前に、テリトリーを広げる足跡が、里地にみられるようになり、これまで上のほうに束ねていた鹿ネットをおろした所、ネットがあだになり、稲の被害を広げてしまいました。

食害はありませんでしたので、繁殖期を前にした縄張り行動かと思われます。

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70~80㎝に育った稲は、株間も見当たらず、鹿が体を横たえた跡が残っていました。

絡まったネットを外してからは、悠々と泥浴びをしていたのでしょうか?

朝9時、牛舎に来た植木さんに気づき、泥んこになった鹿が、田んぼの中をいちもくさんに走り抜け、川を飛び越え、山に逃げて行ったそうです。

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牛舎から、散歩に出てきた子牛。雄牛できりりとした顔つきです。

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草むらで体を横たえ、休んでいる表情は、やさしい目つきで、かわいいですね。

家畜の牛や番犬のヤマトは、夜はつながれ、自由にならないことを野生の鹿は、心得ているのでしょう。

野生鹿も命をつないでいくために必死に生きています。


失踪から4日ぶりで帰ってきたヤマト

2011年09月02日 | 動物

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つむぎの家の愛犬・番犬「ヤマト」です。つむぎの家を訪れる皆さんから愛されており、とくに子どもたちのアイドルになっています。

実は、ヤマトは4日間失踪していました。

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ヤマトは3歳の雄犬です。ここ1か月前から女の子に跳びついたり、自分のおちんちんをなめたりという行動が顕著になってきていました。いわゆる発情期です。

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ただ、自分の役目はちゃんとこなし、裏の里山から下りてくる鹿や狸・狐、テンやササグマなどが田畑の農作物を食い荒らさないよう番犬の役割をきちっと果たしています。

夕方になると裏山を駆け巡り、鹿や他の動物を追いちらし、里に下りてこないようにし、夜半に里に近づく動物に対して威嚇して農作物を守ってくれています。まさにつむぎの家の番犬であり、みんなのアイドルです。

ところが、8/26日の昼、つむぎの家にやってきたお客さんを案内するため里山散策路に入っていった時でした、手綱をしていたのですが、突然スズメバチに襲われ、思わず手綱を離した瞬間、猛然と山の中に入って行ったきり戻ってきませんでした。

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いつもなら、1~3時間でつむぎの家に戻ってくるのですが、その日は夜中になっても戻りませんでした。手綱の取っ手が木の根や切り株にからまって身動きできなくなっているのでは、他の動物に襲われて瀕死の重傷を負っているのではないかと、マイナスのイメージばかりが湧き上がってきました。

翌日、山の中を探し回りましたが呼びかけても返事はありませんでした。街の中に出ているのかもしれないと、午後、叔父が経営しているコンビニに写真付きの捜索願を出しました。

それを見たレイ君が、母親と車で駆けつけ「僕がヤマトを探してくる」と涙ながらに言い、山の中に入っていこうとしました。「ヤマトは街の中にいるかもしれないので、手綱をつけている犬を見つけたら皆で知らせてね!」と言うと、「わかったみんなに連絡する」といってくれました。ヤマトに対する子どもたちの思いが伝わってきました。

しかし、2日目も、3日目もヤマトは帰ってきませんでした。3日目の夕方、私たちは人間ドックの検診のため盛岡に出発しなければならず、綾里を後にしました。

4日目の朝になり、隣の叔父の家の番犬「ゴンタ」の所にひょっこり現れたそうです。手綱はそのままでしたが、にぎり手の部分が写真のようにほつれてぼろぼろになっていました。山の中で切り株などにひっかかり悪戦苦闘した様子がうかがえます。

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発情期のヤマトに対して、どのように接してよいのかわからなかった私たちにに責任はありますが、帰ってきたヤマトを目の当たりにして、思わずヤマトを叱りました。

とうのヤマトは、なぜ叱られるのかわからず、怪訝な顔をして、おとなしくしています。

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でも、すぐに、いつものヤマトに戻り、お腹を上にして寝ころび甘えていました。

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まだ、発情期は治まりませんが、いつものように小屋の前で、子どもたちが学校圃場の観察に来るのを待っています。写真右上の犬小屋の右の切り株が、ヤマトのお気に入りの場です。

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今日も食事前の背伸びとあくびをしながら、大好きな魚めしを待っているヤマトです。

犬のしつけは、叱るのではなく、良い行動に対して「ほめてあげる」ことと愛情を持って接することを今回は再確認しました。