つむぎの家の愛犬・番犬「ヤマト」です。つむぎの家を訪れる皆さんから愛されており、とくに子どもたちのアイドルになっています。
実は、ヤマトは4日間失踪していました。
ヤマトは3歳の雄犬です。ここ1か月前から女の子に跳びついたり、自分のおちんちんをなめたりという行動が顕著になってきていました。いわゆる発情期です。
ただ、自分の役目はちゃんとこなし、裏の里山から下りてくる鹿や狸・狐、テンやササグマなどが田畑の農作物を食い荒らさないよう番犬の役割をきちっと果たしています。
夕方になると裏山を駆け巡り、鹿や他の動物を追いちらし、里に下りてこないようにし、夜半に里に近づく動物に対して威嚇して農作物を守ってくれています。まさにつむぎの家の番犬であり、みんなのアイドルです。
ところが、8/26日の昼、つむぎの家にやってきたお客さんを案内するため里山散策路に入っていった時でした、手綱をしていたのですが、突然スズメバチに襲われ、思わず手綱を離した瞬間、猛然と山の中に入って行ったきり戻ってきませんでした。
いつもなら、1~3時間でつむぎの家に戻ってくるのですが、その日は夜中になっても戻りませんでした。手綱の取っ手が木の根や切り株にからまって身動きできなくなっているのでは、他の動物に襲われて瀕死の重傷を負っているのではないかと、マイナスのイメージばかりが湧き上がってきました。
翌日、山の中を探し回りましたが呼びかけても返事はありませんでした。街の中に出ているのかもしれないと、午後、叔父が経営しているコンビニに写真付きの捜索願を出しました。
それを見たレイ君が、母親と車で駆けつけ「僕がヤマトを探してくる」と涙ながらに言い、山の中に入っていこうとしました。「ヤマトは街の中にいるかもしれないので、手綱をつけている犬を見つけたら皆で知らせてね!」と言うと、「わかったみんなに連絡する」といってくれました。ヤマトに対する子どもたちの思いが伝わってきました。
しかし、2日目も、3日目もヤマトは帰ってきませんでした。3日目の夕方、私たちは人間ドックの検診のため盛岡に出発しなければならず、綾里を後にしました。
4日目の朝になり、隣の叔父の家の番犬「ゴンタ」の所にひょっこり現れたそうです。手綱はそのままでしたが、にぎり手の部分が写真のようにほつれてぼろぼろになっていました。山の中で切り株などにひっかかり悪戦苦闘した様子がうかがえます。
発情期のヤマトに対して、どのように接してよいのかわからなかった私たちにに責任はありますが、帰ってきたヤマトを目の当たりにして、思わずヤマトを叱りました。
とうのヤマトは、なぜ叱られるのかわからず、怪訝な顔をして、おとなしくしています。
でも、すぐに、いつものヤマトに戻り、お腹を上にして寝ころび甘えていました。
まだ、発情期は治まりませんが、いつものように小屋の前で、子どもたちが学校圃場の観察に来るのを待っています。写真右上の犬小屋の右の切り株が、ヤマトのお気に入りの場です。
今日も食事前の背伸びとあくびをしながら、大好きな魚めしを待っているヤマトです。
犬のしつけは、叱るのではなく、良い行動に対して「ほめてあげる」ことと愛情を持って接することを今回は再確認しました。