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大小迫 つむぎの家

よみがえれ!大小迫の里山。 人と人、人と自然をつなぎ、つむぐ「つむぎの家」

夜中の訪問者 タヌキ

2013年12月14日 | 動物

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タヌキ(イヌ科)

森と里地の境界に設置したセンサーカメラに映っていたタヌキです。

普段は森で暮らしていますが、夜になると里山に降りてきて活動しています。冬眠の習性はなく、雑食性で小動物や木ノ実などいろんなものを食べるようです。

この時期のタヌキは、冬毛がフサフサとして丸い体つきになってきました。目の周りと足は黒っぽく胴長短足の体型をしています。

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ほとんどの小動物は夜行性ですので、他の動物の動きに警戒している様子です。

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耳は丸みのある三角形で縁は黒く、顔は丸型でどことなく親しみを感じる動物ですね。

タヌキは、昔話やことわざ、童謡や植物にとあらゆるものに登場してきますが、それだけに人の暮らしと関わりの深い身近な動物なのでしょう。

人間どもが眠りについた月夜の晩に、里に降りてきて「ポンポコ ポンポコ ポコポン」と自慢の腹鼓を打ちながら狸囃子を楽しんでいるタヌキたちの様子が目に映るようです。


柿を食べにきたツキノワグマ

2013年11月18日 | 動物

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今年の「小枝柿」は不作でしたが、例年収穫していない山際の高木の柿の木だけは、どういうわけか、たわわに実がついていた木が数本ありました。いつもなら、これらの柿の実は鳥たちの冬の食料にしていましたが、「今年は大不作なので、高くて取るのが大変だけれども、これらの木からも収穫するようだね」と話し合っていました。

そして先日、柿モギに行ってみると、なんと!柿の実が突如姿を消していました。近づいて幹を見ると、残されていたのは真新しいクマの爪痕です。

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ツキノワグマが、6~7mもある柿の高木に、鋭い爪を立て登り、柿の実を食べていたようです。

これら、山際の柿の木は、これまでもクマが食べに来ていて、以前の黒ずんた爪痕も残っています。昨年は爪痕は見られなかったのですが、今年は畑の畦に植えてある柿の木にまで爪痕がついていました。

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この柿の木の下には、クマがへし折った木の枝が散乱していました。途中で引っかかっている枝もありました。何れもたわわに実っていた枝のようです。


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柿の木畑を囲っていた頑丈な杭も、無残に抜かれていました。また、散策用に付けた竹の手すりもへし折られていました。

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地面を見てみると、クマの糞が、あちこちに残っていました。この糞の内容物は、柿の皮やヘタがほとんどでした。柿の種も残っていました。小枝柿は、種無しなのですが、稀に種を付けるものもあります。種がこれだけ残っているということは、かなりの量の柿の実を食べてたようです。

これまで、山際止まりだったクマの食害は、ほぼ柿の木のある全域に及んでいました。


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これは、最初に発見した、山際にあったクマの糞です。

クマの糞をザルに入れ、川で洗い流し、ザルに残ったものです。こちらの糞は、サルナシの皮や種がほとんどで、実が形のまま排泄され消化不良気味でした。糞の匂いは全くありません。

10月半ばに山を散策しましたが、山栗やサルナシやマタタビなどの木の実の実成りも悪く、シカが頻繁に里に降りてきていたのですが、まさか熊までが、我が家のすぐ裏まで来ていたとは!、冬眠を前に、クマも食糧不足に陥っているようです。

これまで夜半に、犬のヤマトが山に向かって吠えていたことが何度もあり、また、シカが来ていると思っていました。先日の満月の夜に、ヤマトが激しく吠えていたので、真夜中でしたがヤマトを連れて柿畑まで行ってみました。警戒しているシカの鳴き声が聞こえましたが、ヤマトは匂いを嗅いでいるだけでしたので家に戻ってきました。

翌朝、柿畑に行くと、唯一柿の実が残っていた木の幹が、完全にへし折られていました。気仙地方は温暖なので、これからもクマが里山に降りてくる可能性があり心配です。今のところ人家には姿を見せませんが、クマの食料事情が悪化する中、年々人の生活圏に近づいてきている状況です。


”ホンドテン”の生息確認

2013年11月14日 | 動物

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ホンドテン(イタチ科) 

先日回収したセンサーカメラに、鮮やかな黄色の毛皮の”ホンドテン”が映っていました。

これまで、雪の上の足跡や里山を流れる川の、橋の上に残された糞から、テンがいるのではと思っていましたが、目にしたことはなく、今回ようやく生息が確認できました。


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全身が黄色の冬毛になり、ふさふさとした美しい毛並みです。

ホンドテンは、1931年9月の満州事変以後に、国策として毛皮の生産を奨励した時期があり、その後も高級な毛皮として狙われ、生息数を減らしてきたようです。


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雑食性で、動物質のものはネズミやリス、鳥類、昆虫類、土壌動物など、植物質のものはサルナシ、マタタビ、ヤマブドウの実など何でも食べるそうです。

冬眠せずに、昼夜問わず一年中活動しているようですが、カメラに映ったのはいずれも真夜中でした。

立派な毛並みと黄金の美しい色合いに胸が高鳴り、今後の森林整備や里山再生の取り組みに一段と弾みがつきました。


モニ1000里地調査 ー中・大型哺乳類ー

2013年08月25日 | 動物

モニ1000とは、「重要生態系監視地域モニタリング推進事業」の略称です。

全国に自然環境をモニタリングする調査地を1000箇所程度設け、約100年の長期間にわたりモニタリングを実施するという環境省の事業です。調査の目的は「我が国の代表的な生態系の状態を長期的かつ定量的にモニタリングすることにより、種の減少・種組成の変化等を検出し、適切な自然環境保全施策に資すること」とされています。

調査は、多様な環境を含む里地里山をコアサイトと一般サイトの2種類の調査地を設け、日本全国に均等に配置されています。

つむぎの家では、今年度から一般サイトとして植物相・鳥類・カエル類・ホタル類・水環境・中・大型哺乳類・人為的インパクトと7項目の里地調査に取り組んでいます。

昨日、裏山に3台設置した中・大型哺乳類調査の赤外線センサー付き自動撮影カメラの解析(約1か月分)を行いました。

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アナグマ  8月7日 23時12分

山の中から林道を、里地に向かって歩いています。田んぼや畑の刈り取った雑草の中にいるミミズを掘り起こしている姿を、日中、目撃していますが、夜中に山から下りてきているのですね。


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キジ(メス) 8月20日 16時39分

カタクリ山からの尾根道。畑の雑草地で初夏に産卵して巣立っていったこと、近日も親子5~6羽が母屋の庭先まで下りてきていました。


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キジ(オス) 8月12日 6時17分

カタクリ山からの尾根道。オスは単独行動で、繁殖期は畑でよく鳴いていました。


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キツネ 8月17日 19時55分

カタクリ山からの尾根道を、里地に向かって歩いています。痩せていますが毛並みがきれいで、凛々しい姿です。


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コウモリ 8月19日 1時46分

南尾根の雑木林入口のセンサーカメラに写っていました。


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タヌキでしょうか? 8月14日 1時17分

南尾根雑木林入口。


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ニホンジカ 7月28日 19時16分

南尾根雑木林入口

角がりっぱなボスジカのようですね。里地の田畑を闊歩しているようで、大きな足跡をよく見かけます。


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ニホンジカの群れ 8月22日 4時23分

南尾根雑木林入口。こんなにも集団で下りてきているとは! とにかく、シカの食害は悩みです。


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ノウサギ 8月20日 18時46分

南尾根雑木林入口。以前(昔)は、ノウサギがたくさんいて、ノウサギの糞がいたるところにありましたが、今ではほとんど見られなくなっており、確認できほっとしました。


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ハクビシン 8月09日 2時27分

カタクリ山からの尾根道を里地に向かっています。綾里地区にも十数年前からハクビシンが現れ、屋根裏に巣作りしたりして、イチゴやトウモロコシなどの食害が広がっているようです。

ハクビシンなどの外来種がいたり、ニホンジカの個体数が増え、里地里山の植生が変わってしまうほどのシカの食害に悩まされていますが、キツネやノウサギの存在が確認され、思いのほか、つむぎの家の里山には、まだ多様な哺乳動物が生息しているということが分かり嬉しい限りです。

特に、一昨年、軒下で死んでいたキツネや昨年は、痩せ細ったキツネが真昼間に里地に下りてきて、餌を探していた姿を目撃し、生息環境にどのような変化が起こったのだろうかと案じていました。引き続き多様な生き物が生息できる環境を守るために里地里山の整備を続けて行きたいと思います。


稲の株間にアブラコウモリ

2013年07月06日 | 動物

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アブラコウモリ

昨日、田んぼで除草作業をしていると、稲の株間にうずくまり体毛のぬれたアブラコウモリがいました。

アブラコウモリは、日本に生息するコウモリの中では、唯一家屋をすみかにしているため、イエコウモリとも言われています。

夜行性で昼間はねぐらで休み、日没近くから夜に飛びまわり、蚊やユスリカ、ヨコバイなどの小型の昆虫類を主食にしています。人家周辺を飛びまわる蚊などの害虫を捕食するために、益獣とされてきましたが、夜に活動するためか、嫌われ者のようです。

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コウモリは動きが速く、飛んでいる姿を写真に撮るのは困難ですので、手に乗せカメラに収めてみました。

よく見ると、左の翼の皮膜が破けています。小さな体のつぶらな目がかわいいですね。


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体を動かすと「ギーギー」と声を出して、突然怒り出しました。鋭い犬歯がのぞいています。怖い顔ですね。

片方の翼が機能しなければ餌を捕れないのではと、肉をちぎって口元に置いたところ、すぐには食べませんでしたが、しばらくしてから確認するとなくなっていました。でも終生、人の手で育てることはできないので、雨の当たらない木小屋にそっと置いてきました。生きるすべを見つけてほしいと願いながら・・・。