朝の散歩中、手綱を振り切り50mほど離れたそば畑に猛スピードで突進していったヤマト。
そこには防護ネットに角が引っかかって動けなくなっていたオスのニホンジカがいました。
ヤマトは、闘士を燃やし勇ましくニホンシカに立ち向かっていきました。
暴れまくるシカを攻撃するヤマトの果敢な振る舞いや形相は、番犬の仕事をしている日常からは想像を超えた猛犬に変身、柴犬本来の狩猟犬に早変わりしていました。
「もういいから、おしまい!」と手綱を引いて引き離そうとしても、踏ん張って抵抗しています。
ネットにかかったニホンジカは、はじめ子鹿のように見えましたが、角が30cmほどに伸び、がっちりしたオスシカの成体でした。
「いいこ、いいこ、ヤマト、よく頑張ったね!」となだめすかしながらニホンシカから離したものの、あきらめきれない表情で振り返ってシカを見つめています。
街中を散歩中に他の犬に出会っても、「僕は犬ではない!」とでも言うように、相手にせずどっしり構えているヤマトですが、獲物を前にすると、狩猟犬としての野性的本能が燃えたぎるようです。
津波にあった犬だけに水が嫌いで、シャンプーをしようとすると車の下に隠れたり、逃げ回ったりと臆病なところや甘えん坊な性格ですが、獲物を前にした変身ぶりには驚きです。