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大小迫 つむぎの家

よみがえれ!大小迫の里山。 人と人、人と自然をつなぎ、つむぐ「つむぎの家」

燃えたぎる本能  柴犬のヤマト

2014年04月04日 | 動物

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朝の散歩中、手綱を振り切り50mほど離れたそば畑に猛スピードで突進していったヤマト。

そこには防護ネットに角が引っかかって動けなくなっていたオスのニホンジカがいました。

ヤマトは、闘士を燃やし勇ましくニホンシカに立ち向かっていきました。


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暴れまくるシカを攻撃するヤマトの果敢な振る舞いや形相は、番犬の仕事をしている日常からは想像を超えた猛犬に変身、柴犬本来の狩猟犬に早変わりしていました。


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「もういいから、おしまい!」と手綱を引いて引き離そうとしても、踏ん張って抵抗しています。


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ネットにかかったニホンジカは、はじめ子鹿のように見えましたが、角が30cmほどに伸び、がっちりしたオスシカの成体でした。


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「いいこ、いいこ、ヤマト、よく頑張ったね!」となだめすかしながらニホンシカから離したものの、あきらめきれない表情で振り返ってシカを見つめています。

街中を散歩中に他の犬に出会っても、「僕は犬ではない!」とでも言うように、相手にせずどっしり構えているヤマトですが、獲物を前にすると、狩猟犬としての野性的本能が燃えたぎるようです。

津波にあった犬だけに水が嫌いで、シャンプーをしようとすると車の下に隠れたり、逃げ回ったりと臆病なところや甘えん坊な性格ですが、獲物を前にした変身ぶりには驚きです。


防護ネットにかかったニホンジカ

2014年03月14日 | 動物

毎夜、山から下りてきて、里地で食べ物をあさっていたニホンジカの食料は、いよいよ里にもなくなってきました。家の周りに残っている植物はヒガンバナの葉とスイセンの芽、フクジュソウだけです。生垣の樹木、庭木もシカの届く範囲は丸裸、こんなものまでと、かつては手をつけなかったものがことごとくシカに食べ尽くされている実態です。

増えすぎたニホンジカの食害を防ぐには、防護ネットや電気柵等で、囲いを作って保護していますが、先日、防護ネットをくぐって植樹木や下草を食べようとしたシカが、ネットに角が絡まり、暴れていました。

朝の散歩中に、犬のヤマトの猛々しい吠え方で気づきました。

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ここは、2年前に綾里小の5年生がナナカマドやコブシ、桜を植樹したところで、植樹苗を食べられないようにシカ防護ネットで囲っていました。そこに入ろうとしたオスジカの角がネットに引っかかって必死で外そうとしていました。

ネットを支えていた杭は倒れ、張り巡らした網はぐるぐるに巻きになって、丈夫な綱(つな)に変身していました。

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助けを求めている表情ですが、どうにも手助けできません。

柴犬のヤマトは、猟犬の闘士がみなぎったのか、険しい形相でシカに突進、一瞬手綱を離してしまいました。するとヤマトは、果敢にシカに立ち向かい、前足を「ガブリ」と噛んで攻撃するではありませんか。その勇ましさに呆気にとられながら、ヤマトが怪我でもしたら大変と急いで綱を拾いました。その後もヤマトの興奮は冷めず、なかなかこの場から離れようとしなかったのですが、家に戻り「よく頑張ったね。いい子だったね。」と大好きなビスケットをあげましたが、やはり気になるようでしばらく山中を見つめていました。

毎年角を落とすオスジカ、こんな時こそ角を抜き落として逃げられるのではと思いましたが、生え変わったばかりの角なのでしょうか?それともオスジカのシンボルとも言える角を命をかけても守るつもりなのでしょうか?午後になっても状況は変わらずシカは、市の鳥獣駆除科から派遣されたハンターによって、処分されました。

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唯一緑が残っていたシカ柵内の様子。

シカ柵で囲っていたところは、ミヤコザサが青々としていますが、周りの下草のほとんどは鹿に食べつくされ赤裸、里山は、今、シカの食痕と、糞でいっぱいです。

ハンターが高齢化して狩猟する人が減ったことに加えて、植物を食して生きているシカの肉のセシウム含有量が高く食肉として利用できないため、増えすぎたシカへの適切な対応が出来ていない現状です。

植生が変わり、自然の生態系がことごとく崩れていくことが懸念されます。


生息域を広げてきたニホンジカの食害

2014年02月05日 | 動物

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かつては森の中で生活していたニホンジカが、年々生息域を広げ、今では里山里地はもちろんのこと住宅の庭先までやってきて、あらゆるものを食べつくすようになりました。

裏庭入口の両側に、青々と生い茂っていたヤツデの葉が、夜な夜なやってきたニホンシカに、きれいに食べつくされてしまいました。


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石垣に植えてあったジャノヒゲも食べられています。

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垣根のマサキも高いところを残して見事に食べられました。


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ツバキの葉も、シカが届く範囲はきれいに食べられています。


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お茶の木も剪定作業をしたかのように、丸坊主です。


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ネギも食べられています。

これは初めてのことで、シカは、アリシンなどを含む匂いの強い長ネギ、玉ねぎ、エシャロットなどはこれまで食べないと言われてきましたが、地上に出ているところはみんな食べられていました。

シカが生息域を広げ、これまで口にしなかったものまで食べ尽くすのは、頭数も増えすぎて、食糧難に追い込まれているのでしょう。昨年は、青菜はもちろん、稲やソバ、さつまいも、植樹木なども食べられました。すざましいスピードで広がってきているシカの食害に悩まされている日々です。


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シカは「ごちそうさま」と、お礼がわりにお土産をいたるところに落としていきました。作物の養分になる有機質肥料とは言え、せっかく育てた野菜の代償にしては辛いものです。

ニホンジカの生息域が広がり、これほど食害が深刻化してきたのは、人間を中心としたの自然との関わり方の問題が背景にあり、人間の身勝手さに対する自然からの警告とも言えるのかもしれませんね。


倉庫のキツネはその後

2013年12月22日 | 動物

犬に居場所を突き止められても逃げることもうろたえることもなく、倉庫の隅で横たわっていたキツネのことが心配になり、その場を去ってからも、いろんなことが頭の中を駆け巡りました。

3年前にやせ細ったキツネが、軒下で雨を避けるようにして死んでいた日のこと。昨年は、やはりガリガリに痩せ、尻尾だけが妙に長く見えたキツネが一週間ほど木小屋を往来していたことなどを思い起こし、風雨を避けるように人家近くに身を寄せるのは餌の確保に窮しているからか、あるいは体調が思わしくないのではと考えました。そこで餌付けは良くないが、ドックフードを用意してキツネの様子を見ることにしました。

翌朝見に行くと、すでにキツネの姿はなく、いなくなってホッとした気持ちと用心深いキツネのこと、この場所は危険と察して立ち去ったのかと、またまた悩みましたが、とりあえずドックフードを倉庫に置いてきました。

翌朝見に行くと、キツネの姿は見えませんが、ドックフードは食べられてなくなっていました。やはりお腹を空かせていたのかなあと思い、体力が回復するまでと、勝手解釈をしてドックフードを用意することにしました。

しかし、2日目からは、ドックフードに全く手はつけられず、キツネの気配もありません。キツネがどんな状況下で倉庫を住処にしていたのか知る由もありませんが、昨日回収したセンサーカメラに、倉庫をねぐらにしていた思われるキツネの姿が映っていました。

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19日の午前9時52分、倉庫の裏側から南尾根に通じる道に設置したセンサーカメラに写っていたキツネ。

キリリとした目つきで毛並みもよく、太い尻尾をした立派なキツネでした。この映像を見てほっとしました。このキツネなら森の中でたくましく生きていけるでしょう。

前回センサーカメラに映っていたキツネとは違うキツネのようで、縄張りはどうなのか、オス・メスの区別もつきませんが、倉庫をねぐらにしていたキツネの件は、ほっと胸をなでおろしました。


倉庫をねぐらにしていたキツネ

2013年12月19日 | 動物

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犬のヤマトと里山散歩をしていると、3週間ほど前から古い倉庫の近くでヤマトは決まって鼻をクンクンさせ興奮した様子を見せていたことから、この倉庫の下には何らかの小動物が住んでいるのだろうと思い、これまで、倉庫近くには、土を掘り返した跡がよく見られたことからアナグマだろうと想像していました。

ところが昨日は、ヤマトが倉庫の奥の方に入って行き、犬に導かれるままについていくと、落ち葉を敷き詰めた片隅にキツネが休んでいました。この倉庫をねぐらにしていたようです。

ヤマトはキツネを発見しても、吠えるわけでも威嚇するわけでもありません。ただただ鼻をピクピクさせているだけでした。これまで、タヌキを目前にしたときはうなりごえをあげたり、吠えたりと威嚇し続けましたが、キツネへの反応は他動物とは違っていて、仲間意識でも感じているのかと思うほどの穏やかな反応でした。

当のキツネも、身じろぎもせず、縦長の目に三角形の形をした知的な顔でこちらを見つめ返していました。

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この写真は、初冠雪の15日に残されていた動物の足跡で、倉庫から出てきて林道を歩いて山中へとつながっていました。直線的な歩き方で、キツネの足跡と思われます。


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雪の上には真新しい糞が残されており、川にさらして糞の中身を覗いてみると、しいたけ、卵の殻、柿のヘタ、みかんの皮、米、発泡の破片などが消化不良のまま残されていました。

キツネは肉食に近い雑食性ですが、この時期は餌が少なく、人里を徘徊して残飯をあさってきたようです。

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この写真は、今夏、裏山に設置したセンサーカメラに写ったキツネです。

キツネは、夜行性で非常に用心深い性格のようですが、意外と人の生活圏近くで暮らしていることがわかりました。

キツネは、民話や伝説にも数多く登場し、稲荷神の使いとする信仰もあり、古くから身近な存在であったことが伺えます。