ひと雨ごとに空気の冷たさを感じる季節、山ではマツタケが顔を出しているのではないかと淡い期待を抱いて裏山を散策しました。
ヤケコゲタケ(タバコウロコタケ科)
コナラの生木に、重量感のある赤褐色の大きなキノコが生えていました。その下には、こげたような黒くてもろいものが落ちていました。キノコのヤケコゲタケです。
ヤケコゲタケは、一年生の大型菌で、老菌は、焼け焦げたように黒く変化して朽ちていくようです。
山桜の立ち枯木
立ち枯れした山桜は、あちこちが穴だらけ、キツツキ類がカミキリムシなどの幼虫を探し求めてつついた穴でしょう。枯木は、キツツキたちの餌場や営巣場所として、大切な存在です。
タヌキのため糞
同じ場所に糞をするタヌキの真新しいため糞、木の実などを食料にして、森で暮らしています。
動物の巣穴
2mの長さの細木が、すっぽり入ってしまいます。穴は縦横に広がっているようです。
動物の爪痕がある、立ち枯れ赤松
クマが皮剥ぎしたのでしょうか?根元にマツの樹皮が散らばっていました。
マツの木の中心部には、アリの巣のような形が残されていました。
夏場の食糧難時、クマは樹皮を剥いでアリを食べたようです。
マツ林の林床には、マムシがのんびりと日向ぼっこ、自然の色合いに溶け込み踏んでしまいそうでした。
木のコブ
コナラの木に、幹よりも大きなコブがついていました。
木は、何らかのキズを負った時にそれを修復しょうとしてコブになることがありますが、過去にどんなドラマがあったのでしょうか。
朽木の芸術
50年ほど前に皆伐した森の中に、苔むした朽木が立っていました。
緑色のコケは命の芽生えのようでもあり、枯木とは言え天に向かって何か語りかけているようにも見えました。
陽の当たる尾根道には、センブリが群生していました。間もなく花を咲かせるでしょう。
昔から薬草として利用されてきたセンブリですが、この花に出会うたびに、ゲンノショウコやドクダミとともに軒下に吊るしてあった幼い頃の光景が目に浮かびます。
シロマツタケモドキ(キシメジ科)
本命のマツタケには出会えませんでしたが、同じキシメジ科のシロマツタケモドキに会えました。
食感もよく、ちょっぴりマツタケの香りがしてほろ苦さが残りますが、ホイル焼きと味噌汁でいただきました。
秋晴れの一日、裏山で動物たちの営みを垣間み、森の芸術を鑑賞し、味覚の秋を楽しみました。