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大小迫 つむぎの家

よみがえれ!大小迫の里山。 人と人、人と自然をつなぎ、つむぐ「つむぎの家」

厳冬を生きる 川中の生き物

2012年12月21日 | 生き物

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刈り取った雑草や落葉をかき集め、たい肥作りを始めました。川の側にある堆肥場に一輪車でかき集めたものを運んでいると応急に渡した幅35㎝ほどの板橋(前方上の一本橋)から一輪車を川に転落させてしまいました。転落した一輪車を川から上げようとした時、川に積もった落ち葉が「私もいい堆肥よ!」と語りかけてきました。そこでこれまでの作業を中断し、川の落ち葉を熊手でかき集め堆肥場に積む作業に切り替えました。

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降り積もった落ち葉の中には、ヤマアカガエルが潜んでいました。枯葉と見まごう体色ですね。


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こちらは黒っぽい体をしたヤマアカガエル。

まわりの環境に合わせ体の色を変えて眠たそうな顔で体を小さくしていました。中には動きの鈍いヤマアカガエルを熊手でまともに掻き、傷を付けてしまったものもいました。


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こちらはコモリグモの仲間でしょうか?人の気配に水面を足早に逃げだしました。


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逃げ切れないと思ったのか今度は、水にもぐって身を隠そうとしていました。


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川底に積もった落ち葉の中には、トビゲラの幼虫もいました。朽ちた落ち葉を食糧にしているようです。


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さまざまな種類のガガンボの幼虫も、気味が悪くなるほどごろごろと出てきました。日本一大きいミカドガガンボの幼虫(ガガンボは完全変態で幼虫は足の無いイモムシ)もいました。


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キセキレイ(セキレイ科)

こちらは、尾羽を上下に振りながら、落ち葉の中の昆虫をついばんでいるキセキレイです。


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セグロセキレイ(セキレイ科)

こちらでは、セグロセキレイが「チチン、チチン」と鳴きながら餌を探して水の上を歩き回っていました。

厳冬の川の中で、「食う!食われる!」営みを続けていた生き物たち、厳しい寒さの中で息づいていた生き物との出会いに嬉しさがこみあげ、下流域の落ち葉と枯草は川の縁にこのまま残しておくことにしました。


冬の風物詩 モズのはやにえ

2012年12月03日 | 生き物

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モズ

柿の木に止まり「キィーキィー キチキチキチ」と甲高い鳴き声で縄張り宣言をしていたモズ。

賑やかなモズの高鳴きに移りゆく季節を感じた秋も終わり、小雪ちらつく初冬を迎えました。


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木々の間から北風に吹かれて葉が散る様に見とれていると、落葉した庭木の枝先に異様な物が目に入りました。

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モズがアマガエルを木の枝に刺した、モズのはやにえ

片方の足がとれてミイラ化したカエルの干物がぶら下がっている様はなんとも奇妙ですが、冬枯れ木に見られる冬の風物詩です。

*モズのはやにえとは、モズが捕えた獲物を木の枝に突き刺して保存することで、冬の食糧確保のためとか、縄張り宣言の役割とか言われていますが、はっきりしたことは分からず、本能に基づいた行為であるということが一般的な見解のようです。


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師走入りしてから、朝の冷え込みは一段と厳しく、ため桶には薄氷が張り、アキアカネがその中で短い一生を終えていました。秋に交尾、産卵と子孫を残す仕事を終え、水の中で翅が宝石のように光り、最後の命の輝きを見せてくれた冬のアキアカネです。アキアカネの尾にはハエが止まり、命を共にしたようです。

夏、山で暮らしたアキアカネが里に下りてきて大空を舞い、モズはうるさいほど甲高い声で縄張りを主張していた秋に終わりを告げ、生き物たちにも厳しい冬がやってきました。


土中の生き物は今・・

2012年11月27日 | 生き物

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大寒波が押し寄せ、寒さに弱い熱帯地方原産の里いもを一昨日、急いで収穫しました。

敷き詰めていた黒マルチをはがすと、里芋の根元からゴミムシダマシがたくさん現れました。足や触角を折りたたんで身を縮め、集団越冬をしていました。

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土を掘り起こすとこちらではダンゴムシが、団子状に丸まって冬籠り、あわてて動き出すダンゴムシもいましたがほとんどが丸まったままです。


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ワラジムシも顔をだしましたが、危険を察したのか足早に逃げだしました。逃げまどうところを押えてひっくり返った裏側をカメラに収めました。ダンゴムシよりも温かい色合いで、腹端に一対の突起を持っています。


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コガネムシやクワガタの幼虫も現れました。これらの幼虫は、子どもたちが喜ぶので、これまで保護してきましたが野菜の食害も多く、このところは少々厳しく対応しています。土の中では伸ばしていた身体も掘り起こされて外気に当たり、丸まっています。


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カタツムリは殻の中に閉じこもり、入り口に薄い膜を張って越冬の準備、気温が下がると入口の膜の数を増やしていくそうです。呼吸ができるのかと心配になりますが、膜には呼吸できる穴があるようです。


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ミミズも動きが鈍くなりました。冬の気温が5度以下になると、冬眠状態に入るようです。

ミミズは動き回ることで土を耕し、土塊や餌を取り込んで糞として排泄し、植物の肥料として大切な役割を果たしています。

コガネムシの幼虫のように野菜の食害になる生き物、落ち葉や腐った植物を食べて土に戻してくれるダンゴムシやワラジムシなどの掃除屋さん、大地を耕し、肥沃な土に変えるミミズと活発に活動していた生き物たちは、土の中で長い冬の眠りにつき始めました。


身近な生き物たちは今・・

2012年11月24日 | 生き物

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ニホンカナヘビ

つむぎの家の玄関に長いシッポを丸めたニホンカナヘビが前足で体を支え、木戸にぶら下がっていました。戸を開け閉めするときに間に挟まってしまうのではと心配しましたが一向に身動きせず、静止したままです。


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カナヘビを、開け閉めしない木戸に移してあげると、シッポを少し伸ばしたものの、ここでもジッとしています。晩秋の陽の光を浴びながら体温を調節しているのでしょうか?まもなく地中にもぐり、冬眠に入るのでしょう。


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フキバッタ

冷たい風を避けるように、雨戸の戸袋にフキバッタがじっとしています。フキバッタの羽は退化して短く、跳ねることはできても飛ぶことはできません。卵で越冬しますので成体はまもなく、自然の循環の輪に消えていくことでしょう。

<フキバッタの不思議>

草の茎をしっかり抱きかかえ、刺激を与えても身動き一つしないでじっとしているフキバッタをこれまで何度も目にし、不思議に思っていました。このバッタを侵した正体はエントモファガ・グリリと言う糸状菌だったようです。この菌に侵されたバッタは、早朝ゆっくりと植物の上の方に登って茎を抱きかかえて夕方までに死ぬそうです。通常は、力尽きて地上に落ちると思うのですが強風にも耐えて茎にしがみついているフキバッタの生態に不思議を感じます。


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ジョロウグモ

地上のあらゆるところに強網を張っていたジョロウグモの姿が、近頃見えない思っていたら、一匹のジョロウグモがプラスチック樽のヘリにぶら下がっていました。腹部も細くなり、産卵を終えたのでしょうか?晩秋の陽射しを浴びながら、命の限りを全うしているようです。


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スズメ

昨日の午前9時「チュンチュン、チュウチュウ」と賑やかな鳴き声に目を奪われ見上げると、おびただしい数のスズメが、落葉した桑の木に止まっていました。集団ねぐらから移動してきたのでしょうか?

今年生まれたスズメの若鳥たちが、群れで行動するのは安全を確保したり、餌場を探しやすくなったりの効果があると考えられています。


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スズメの群れの様子をアップしてみますと、止まり木で東西南北あらゆる角度から周りを見渡しているようですね。

寒い冬の訪れを前にそれぞれの生き物たちは、知恵を絞り、命をつなぎ、あるいは限られた命をまっとうしようと懸命に生きる姿があります。


立冬の生き物

2012年11月08日 | 生き物

立冬の昨日は、霜が降りる前にと思い、寒さに弱いコンニャクイモの収穫をしました。

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コンニャク畑の周りを見渡すと、雨上がりの昨日はスッポンタケとキヌガサタケが合わせて十数本顔を出していましたので、まずキノコの収穫をしました。

茶色の粘液が雨に流され、白くなったキヌガサタケのカサの中には、コクワガタが潜んでいました。枯れ木の中に潜むコクワガタは何度か目にしましたが、キノコのカサの中とは・・、小さいながらも風格のあるコクワガタです。


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畑のすぐ脇にあったのウドの幹には、日差しをいっぱいに浴びながらカタツムリが交尾をしていました。湿気の好きなカタツムリが、直射日光のもとでジッとしている姿は珍しいですね。

*カタツムリは、体内に雄と雌の両方の器官を持っている雌雄同体ですが、交尾には2個体が必要だそうです。しかし1個体で自家受精で卵を産むこともあるそうです。


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立冬とはいえ、昨日は暖かく一枚服を脱いでの収穫作業でした。

農作業中、アカトンボが頭に止まったり、カメムシが音を立てて飛び込んできたりと生きものが活発に動き回っている気配を感じていた中、突然襟元にブーンと虫が止まりました。カメムシを思い起こし、とっさに手で払い落すとカメノコテントウでした。2匹ほぼ同時に私にぶつかってきました。

カメノコテントウ

翅に黒地に橙色の模様があり、これがカメの甲羅に似ていることからの和名。美しい光沢のある大きなテントウムシで寒くなると樹皮の下などに成虫で越冬します。


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黒マルチの中から、30㎝ほどのシマヘビの赤ちゃんが顔を出しました。横縞が目立ち、親のシマヘビには似ても似つかない色と模様の持ち主です。

2年前に初めてであった時は、珍しいヘビだと思っていましたが、今年も、里山で最も多く目にしました。赤い目をしているところは親のシマヘビと同じです。冬籠りの準備をしていたのでしょうか?。


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ナガコガネグモの卵のう

草の間に、ナガコガネグモの茶褐色のつぼ型卵のうを見つけました。

ナガコガネグモは、9~10月に産卵し、卵の数は800~1500個ぐらいあるそうです。産卵後約1か月でふ化し、子グモは一回目の脱皮を終えた後、卵のうで越冬し、翌春の5月頃に卵のうから出てくるということです。

半年もの長い間、餌も食べずにすごせるクモの幼体はどのような仕組みになっているのでしょう?

生き物たちの神秘を感じる、立冬の日の収穫作業でした。