goo blog サービス終了のお知らせ 

大小迫 つむぎの家

よみがえれ!大小迫の里山。 人と人、人と自然をつなぎ、つむぐ「つむぎの家」

ヤマメ・イワナの放流とサンショウウオの美しい卵のう

2013年06月02日 | 生き物

2013_0601_103456p6010014

昨日、久保井氏が、朝5時起きで釣ってきたヤマメとイワナを、大小迫川に放流してくれました。昨年の10月に続き2回目の放流です。

http://blog.goo.ne.jp/yukitixyann/d/20121001


2013_0601_103522p6010016

ヤマメは、下流域の深みに放流。


2013_0601_104507p6010025

イワナは、中流域に放流。

今年は、雨量が少なく川の水も不足しがちな状況ですが、無事に繁殖にこぎつけてくれればと願っています。


2013_0601_104813p6010030

イワナの泳ぐ姿を見送っていると、川底にトウホクサンショウの卵のうが目に入りました。手に取って見ると、はがれかかった外皮にくっついて、いくつかの卵のうがあり、卵の中では幼生がうごめいていました。


2013_0601_104903p6010033

真珠のように美しく透き通ったサンショウウオの卵のう。

半月の形をしたトウホクサンショウウオの卵の中に、一つ一つの卵のうがあり、その中で孵化して成長する幼生。幼生になってからも、水中で独り立ちするまで、美しい卵のうに守られているサンショウウオの姿に、感動をおぼえました。

3本の鰓も発育し、卵のういっぱいの大きさにまで成長したトウホクサンショウウオも、間もなく外に飛び出し独り立ちするのも間近のようです。

イワナの餌になってしまう恐れも抱きながら、卵のうをそっと水辺に戻しました。


ヤマアカガエルの包接

2013年04月28日 | 生き物

Photo

川の浅瀬で包接しようとしているヤマアカガエル。左上は包接したヤマアカガエル。

今、つむぎの家の里山では「クククククッー ククククッ」とささやき合うようなアカガエルの鳴き声が盛んに聞こえています。ヤマアカガエルの包接と産卵が始まりました。

包接・・・・交尾をしないカエルは、オスがメスの腹を強く押えることにより、メスは卵を放出し、オスはその上から精子を放出して受精(体外受精)させる。


2

人の気配に反応し、包接行為を解きほぐし、散り散りになったヤマアカガエル。


Photo_2

パートナーを見つけ包接に成功したヤマアカガエル。

お腹の大きなメスとおなかを抱えるオスの大きさの違いがよくわかります。


Photo_3

川の深みには、メスのお腹が丸見えの包接したままのヤマアカガエルがいました。

物音にも動じない姿に「包接したまま死んだカエル?なぜ?」と思いましたが「それにしても張りつめたメスの姿とお腹を抱くオスもしっかりとかかえている???・・」
とりあえず、この珍しい包接の姿をカメラに収め、そっと水に手を入れてみました。するとこれまで身じろぎもしなかったヤマアカガエルが俊敏に身をかわし、ばらばらになって逃げていき、ほっとしました。(おどかしてごめんなさい)

大小迫の里山には、まもなく春の目覚めと共に生き物たちの賑わいがやってくることでしょう。



トウホクサンショウウオとヒキガエルの卵塊

2013年04月22日 | 生き物

Photo

大小迫川の源流域に近い水たまりに、今年もトウホクサンショウウオとヒキガエルが産卵していました。産卵場所は流れの無い水辺で落ち葉の降り積もった湿地です。

Photo_2

少し拡大してみますと、ヒキガエルの卵の中にトウホクサンショウウオの卵が点々と見えます。


Photo_3

ヒキガエルの卵は、透明な長い紐状の卵で、数メートルの長さです。


Photo_4

トウホクサンショウウオの卵。

トウホクサンショウウオは、日本の固有種で、幼生の生息地は湧水のある水たまりなどで、水温の変化がなく、水のきれいなところと、自然環境の指標になるデリケートな生き物のようです。今後も、トウホクサンショウウオが生息できる環境を維持していきたいと思います。


越冬昆虫が活動を始めました

2013年04月06日 | 生き物

1

ルリタテハ(タテハチョウ科)

農作業中、目の前をひらひら飛び交う物が目に入り、後を追うと枯草の上に止まりました。成虫で越冬したルリタテハです。

暖かな日差しに誘われて、冬の眠りから覚め、活動を始めたようです。とはいってもまだ体が自由にならないのか、羽をいっぱいに広げたままで、しばらく日光浴をしていました。


2

キタテハ(タテハチョウ科)

次に、枯葉が風に舞っているように現れたのがキタテハ、目で追っていくと草の上に止まりました。羽をいっぱいに開げ、日差しを浴びながらジッとしていてやはり身体を温めているようでした。越冬成虫にしては破けたところもなくきれいな羽形をしていました。

3

オツネントンボ(アオイトトンボ科)

その後、目の前に現れたのがオツネントンボ、成虫で冬を越すため「越年トンボ」が名前の由来です。

枯草によく似た色合いで分かりにくいですがほぼ中央に羽を閉じて止まっています。

いずれも厳しい冬を樹皮のくぼみや草の茂みに潜み、成虫で越冬し、春の暖かさでいち早く飛びはじめた生き物たちです。
この小さな体で長い冬をじっと耐え、活動を始めた生き物たちの、どこに命のエネルギーが秘められているのでしょうか?ほんとうに不思議です。


虫たちの冬越し

2013年01月05日 | 生き物

Photo

三陸にも一段と厳しい寒さがやってきて、昆虫のうごめく姿はほとんど見られなくなりました。虫たちはこの厳しい冬をどのように過ごしているのでしょうか?

氏神様に参る坂道の途中、白いベールに包まれたクサグモの卵のうが目に入りました。イヌガヤの葉裏でいろんな角度からひかれた糸につながれ寒さや強風から身を守り、冬越しです。

Photo_2

参道際のウメの木の木肌では、ジョロウグモの卵のうが目に留まりました。ゴミや木くずでカモフラージュされ見過ごしそうでしたが目を凝らすと数個ありました。

2012_1221_130613pc210044

糸に包まれたジョロウグモの卵のうを、ちょっと失敬して中をのぞいてみると、赤みを帯びたたくさんの卵が産み付けられていました。


Photo_3

こちらは畑のキャベツを収穫し、外皮をはいでいると、葉裏に作られた白い袋状の中に幼虫が入っていました。間もなくさなぎになって冬越しするのでしょうか。


Photo_4

こちらは柿の木の老木の洞に、チャミノガの幼虫が越冬中、風雨に晒されることなく春を待つ知恵に感心しました。


Photo_5

日当たりのよい縁側の木戸でもチャミノガの冬越しです。木戸を開け閉めすればつぶされてしまう場所ですが、ここはまず開け閉めしないと言うことを知っているのでしょう。枯葉や枯れ枝をまとい粘性のある糸でぶら下がって冬の日差しを浴びています。

シルクのような繭や蓑で身を守り、厳しい冬を乗り越え目覚めの日までジッと待つ、冬越しの虫たちには生き残り戦略がみなぎっています。