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大小迫 つむぎの家

よみがえれ!大小迫の里山。 人と人、人と自然をつなぎ、つむぐ「つむぎの家」

大小迫川に淡水魚を放流

2012年10月01日 | 生き物

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息子の友人の久保井氏が、大小迫川の本流の綾里川から、イワナやヤマメ、ヨシノボリの仲間の淡水魚を釣ってきて、大小迫川に放流してくれました。かつて、大小迫川にもサケやウナギが遡上してきたそうですが、綾里川の護岸工事や大小迫川の堰堤・護岸工事などで、魚の遡上や生育ができなくなり、川魚のいない川となっていました。

10年前に、本流の綾里川に高さ50mのダムが建設され、ますます川魚が生育しにくい環境になっていたと思っていましたが、ダム下流(といっても、上流域)の水溜り場に、こんなに多くのイワナやヤマメが生息しているのに驚き、この川魚たちを、ぜひ大小迫川にも生き返らせ、この清流を、生き物で賑わう川にしたいという、かつてからの私の思いに、久保井さんが応えてくれたものです。

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昨冬、里山の川沿いの整備により、中流域が明るくなり、サワガニやヤゴ、カワゲラやトビケラなどの水生昆虫が再生しつつありました。

さっそく、清流の水溜り場に久保井さんが、イワナとヤマメを静かに放流してくれました。

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放流した翌日、魚たちの様子を見に行って水溜り場を覗くと、イワナが元気に泳いでいます。

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針を呑み込んでしまった魚や腹を上にして弱っている魚は、残念ながら生きていけないので、小川の傍らで調理することにしました。久保井さんは、丁寧にはらわたをだし、清流の水で洗ってくれました。夕食にから揚げにして頭ごと頂き、天然イワナのおいしさを味わいました。

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魚たちは2か所に分けて放流し、もう一箇所の堰堤下の苔むした倒木の陰にはヤマメが元気に泳いでいました。ヨシノボリは、岩陰や砂地に潜っているのか、姿を見せませんでしたが、倒木をゆすると、一瞬砂煙と共に姿を現しましたが、すぐに隠れてしまいます。

この魚たちが定着し、次世代に引き継がれていくのには、まだまだ時間がかかると思いますが、数年後の大小迫川では、魚と戯れる子どもたちの歓声が響き渡ることを願っています。そしてひそかにつむぎの家の来客に、イワナの塩焼きを振る舞える日を夢見ています。


ハリガネムシのアート

2012年09月08日 | 生き物

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ハリガネムシ

ハリガネムシは、昆虫に寄生し繁殖する寄生虫で、成体は針金のような一本の線でお尻の方には裂けめが、頭の方には黒い目のようなものが見えます。体は自由に曲がりますが 、伸び縮みができずまるで動く針金のようです。

水の中では自由に動き回るハリガネムシ(長さ20㎝ほど)を手のひらに乗せると、体をくねらせハリガネアートを見せてくれました。

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この間30秒ぐらいでしたが、ハリガネムシは陸上は苦手のようで、見る間に体を小さく丸めてしまいました。

ハリガネムシは、カマキリやバッタの体に寄生し、昆虫を水辺に誘導させて繁殖するという寄生虫で、嫌われ者ですが、ハリガネアートに魅せられた一時でした。


渇水した裏の川でドジョウすくい!

2012年09月07日 | 生き物

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昨日の昼近くに、草刈の手を休めて田んぼの排出口をのぞくと、渇水した小川に何やらうごめくものが・・目を凝らすとドジョウがピチャピチャと泳いでいるではありませんか。半年前に、ため池に放流したドジョウの子どものようです。

不思議なことに、池や田んぼの排水口にはネットが施され、川に逃げ出すことは考えられないのですが、産卵したドジョウの卵が排水管の中に流れ込み、ここで成長したものと思われます。

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このままでは、ドジョウは干上がった川で弱ってしまうと思い、昨日は、童心に帰って川でドジョウすくいをしました。

安来節ほどではないですが、素手でドジョウを捕まえることの難しさを体験しながら、網ですくったりしながら何と50匹近くのドジョウを捕まえました。

ドジョウの動きは素早く、中腰で小一時間かかり、腰が痛くなりました。こんな時、綾里っ子がいたらどんなにかはしゃいだことでしょう。この夏は、綾里ではほとんど雨が降らず、裏の川も、田んぼに水を引いている影響で干上がっていましたが、稲も穂が実り、水をそれほど必要としなくなってきたので、排水口から水が小川に流れ出るようになり、配水管の中で育っていたドジョウが顔を出したようです。

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捕ったドジョウは、ため池に放流しました。

今年の春から初夏にかけて、綾里っ子たちは、毎日のようにため池や田んぼにやってきて、カエルやオタマジャクシ、イモリなどを捕っていましたが、一番の目的はドジョウを捕まえることでした。しかし、ドジョウは素早くて、2~3匹しか捕れなかったようで、私たちもドジョウは生育しきれなかったのかと思っていましたが、この厳しい暑さや少雨にも負けずに育っていたことに深い感動をおぼえました。

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大きさはさまざまですが、池の中で元気に泳ぎ回っていました。

半年前に放流したドジョウが冬水田んぼの中で卵を産み、その卵から孵った子ドジョウたちが、田んぼの中で順調に育っていることが確認できました。

これからは、綾里っ子たちが池や田んぼの中でドジョウと戯れることができそうです。長い冬を過ごし、来春にはドジョウやオタマジャクシたちが里山を賑わしてくれることでしょう。


思索にふけるヤマアカガエル

2012年09月03日 | 生き物

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水の枯れた小川の真ん中で、石のように固まって微動だにしないヤマアカガエルに出会いました。

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何を思索しているのでしょうか?

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小川の下流を見つめながら、雨の降らないこの夏の厳しさを憂えているようです。

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雨乞いの祈りをささげているようでもあります。

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正面からの厳しい顔つきのヤマアカガエル。

山道を歩いていると、草陰にいたヤマアカガエルが、足元を避けてピョンピョンと逃げまどう姿に良く出会いますが、こんなにも真剣な表情で思索するヤマアカガエルの姿を見るのは初めてです。写真はアングルを変えただけで、カエルは指一本も動かしていません。

干上がった小川の小石の上で、微動だにせず何の思索にふけっているのでしょう。

ふと今年の4月、代掻きを終えた田んぼに産卵したヤマアカガエルの卵が、大量に干上がってしまったことを思い出しました。大雨が降り、川が増水した時のことです。田んぼの取水は川に頼っていますが、大雨で取水パイプが機能しなくなり回復までに3~4日かかり、その間にかんかん照りの日が続き田んぼに水がなくなってしまったのです。雨が降るときにはドッと降り、降らないときは大干ばつが続く、猛暑の中、激しい気象の変化にヤマアカガエルも心痛めているようです。


水辺の生き物  その2

2012年08月14日 | 生き物

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カゲロウ

カゲロウは、交尾、産卵をするためにだけ成虫になるので、カゲロウの名は寿命の短さに由来。

成虫は数時間から数日生きるが、食べ物を食べることはなく産卵するとすぐに死んでしまうそうです。

はかない命の美しさとでもいうのでしようか、まるで川の妖精です。

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オニヤンマ

和名の由来は、恐ろしげな顔つきと黒と黄色の体の模様が、トラ柄のふんどしを連想させるためとか。

体長10㎝ほどのオニヤンマが、翅を広げ勇壮な姿で小川の上を行ったり来たりとパトロールしていました。エメラルドグリーンの複眼が宝石のようです。

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アメンボ

アメンボの出すにおいが、”飴のように甘く、体つきは棒のよう”と言うことからアメンボと呼ばれています。

水たまりでアメンボの共演 「手をつなごう! みんなで手をつなごう!♪」 アメンボたちが仲間と歌いながら踊っているようです。

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トウホクサンショウウオ

トウホクサンショウウオの名は、東北に生息し、体にサンショウに似た香りがある種がいるからとか。

5月の洪水でサンショウウオのたくさんの卵塊が海へと流されてしまい、心配していたのですが、小川の中流域の泥地に息づく幼生の姿がありました。

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幼生期は水中で過ごすために、エラが発達しています。

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水中からすくい上げると、幼生の体は透き通って見えます。目が大きく、なんともかわいい表情ですね。

サンショウウオの雌は産卵が終わると、早々に水辺を離れますが、産み落とされた卵のうに雄が放精し、体外受精を行い、雄はその後も卵のソバで過ごすそうです。

サンショウウオの幼生は、水中の小さな生き物を食し、成体になると昆虫の幼虫やクモなどを捕食して陸上で過ごします。

サンショウウオが生息する豊かな水辺環境を、今後も守り続けていきたいと思います。