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大小迫 つむぎの家

よみがえれ!大小迫の里山。 人と人、人と自然をつなぎ、つむぐ「つむぎの家」

クルミの木は、リスたちの暮らしの舞台

2014年08月24日 | 動物

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今年も裏庭のクルミの木に、ニホンリスたちがやってきて、クルミを食べたり、遊んだり、昼寝をしたりと楽しそうに、過ごしています。

昼下がりのこと、セミの鳴き声と共に、「ショリショリ ショリショリ」とクルミの薄皮をかじる音が連続的に聞こえ、見上げるとリスがあちこちで食餌中、その音が里山にリズミカルに響いていました。

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このリスは、両前足でクルミを押え、縫合線に沿って鬼殻を前歯で上手に削っているところです。


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その後、「パカッ」ときれいに二つに割れたクルミの中身を美味しそうに食べていました。

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クルミを割って食べるしぐさの愛らしさに見とれていた6分後、ニホンリスは、食べ終えた場所で「ころり」と横になって休み始めました。開いている目も「とろ~ん」として眠たそうです。

赤ちゃんリスでしょうか?口の周りには食べかすがついたままです。


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こちらのリスは、太めの幹の安定した場所で、クルミを懸命に食べていました。


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しばらくして、満腹になったのか体をいっぱいに伸ばして昼寝を始めました。5分後にのぞいても同じ格好で、「ここはわれらの餌場」とでもいうように、すっかり安心しきってくつろいでいる様子でした。

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一方、うしろ片足を上にあげ、毛づくろいでもしているかのようなニホンリスもいました。

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こちらは、クルミを十分に食べ終えた親リスでしょうか?クルミを2つ同時にくわえ、せっせこと森の中に運んでいきました。

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日暮れ時、カラスの鳴き声に目をやると、リスを追うカラスの姿が目に入りました。追われたリスは枝から枝へと素早く逃げ回る一方、もう一匹のリスは、クルミの裏側の木肌に「ぺたー」とへばりつき身動きをせずにかたまっていました。これも外敵から身を護る策略のようで、その滑稽な姿に見とれました。

可愛いニホンリスの、暮らしの一コマです。


アカタテハの羽化

2014年08月23日 | 昆虫

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虫に食われてぼろぼろになったイラクサに、アカタテハの幼虫がいました。その近くには、葉を糸でつづった中ですでに蛹になった巣が二つありました。

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葉の一部をはがしてみると、中から白い蛹が顔を出しました。透明感のある美しい色合いです。

一つ家に持ち帰り、羽化の様子を観察することにしました。


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机の上の花瓶に挿して、観察をしていた2日目の夕方、蛹は、うっすらと赤みを帯び、色の変化に気づきました。

翌朝5時半、蛹から突然「パサツ」と、アカタテハが飛び出してきました。セミやトンボの羽化とは違い、一気に殻を破って現れびっくりです。


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約1時間ぐらいかけてゆっくりと翅を伸ばしてきました。

指を差し出すと手に移り、翅は閉じたままですが触角をV字に広げ、翅と触角の直線美を演出。


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そのまま外に連れ出し、自然光に映し出された裏翅の複雑な模様と色彩に引かれました。


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まもなく翅を広げて飛び立ち、近くの葉上に止まりました。

羽化したての色鮮やかなアカタテハの表翅にもうっとり。

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その後、アカソの葉裏にアカタテハの終齢幼虫らしきものを見つけました。

葉を綴って巣をつくる様子もなく翌日には葉裏にぶら下がった形で蛹になりました。


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蛹の背中が、点々と金色に輝き、幼虫とはまるで違う神々しさに見とれました。

巣をつくらないで蛹になるアカタテハもいることが分かり、どこにその違いがあるのだろうと疑問が残りました。(単なる手抜き?)

2日後に見に行くと、蛹はありませんでした。野鳥の餌になってしまったのでしょうか。

白い蛹は目立つだけに、葉裏の陰とはいえ、葉を綴って巣を作りその中で蛹になった方が安全のようです。


嫌われ者の 「マイマイガ」

2014年08月21日 | 昆虫

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先日、ガラス戸にへばりついて、我が家の様子を覗き込む生きものがいました。

ウサギの耳のように立ち上がった触覚にかわいい目、マントを羽織ったおしゃれな生きものに見つめられ、ドキドキしながら、カメラを向けました。

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すると、ほんのり体を斜めにし、ポーズをとってくれました。初めての出会いです。


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外に出て表側の姿を写真を撮り終えると、ひらひらと上の方に飛んでいきました。

この生き物が、あらゆる草花、樹木の葉を食い荒らす森林害虫として嫌われているマイマイガ(オス)の成虫でした。

昼間、ひらひらと飛びまわる姿が名前の由来とか。幼虫はドクガに分類されていますが、一齢幼虫にわずかに毒があり、二齢以上の幼虫や成虫には毒はないそうです。

マイマイガのオスとメスは体色も触覚も違いますが、マイマイガのオスとの出会いは、ドクガとか害虫のイメージから親しみさえ感じる出会いでした。



卵のうを護るアオグロハシリグモ

2014年08月20日 | 生き物

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アオグロハシリグモ

朝の散歩中のこと、沢筋の鬱蒼とした草陰に大きなクモの姿が見えました。葉っぱで陽射しが遮られ、うす暗い環境でしたが、とりあえずシャッターを切りました。

家に帰ってから、PCに写真を起こして見ると、左上の方には卵のうがあり、孵化を待つアオグロハシリグモでした。

このクモに初めて出会ったのは2012年の9月、http://blog.goo.ne.jp/yukitixyann/d/20120912 目の前で瞬時に水の中にもぐって身を隠した技に驚きました。その最初の出会いの川から上を見上げた草陰が、偶然にも今回アオグロハシリグモがいた位置です。

アオグロハシリグモは、産卵すると卵のうを口に加えて移動しますが、孵化が近づくと、網を張り卵のうを固定して飲まず食わずで卵を見守るそうです。孵化を間近にひかえた子育て中のアオグロハシリグモは、警戒したのか、カメラを睨んでいるようでした。


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アオグロハシリグモがいた数cm先には、もう一匹の大きなクモが卵のうを抱えていました。卵のうを抱えたコモリグモやハシリグモは、田んぼや畑でよく見かけるのですが、こんなにも大きな卵のうを抱えたクモを見るのは初めてです。

アオグロハシリグモと隣り合わせでいたので同種かと思っていましたが、よく見るとアシダカグモの仲間のようです。

アシダカグモは、人家周辺に多く住み、台所やトイレなどでよく見かけるクモのようですが、今回の発見場所は、森の中です。

家の周りでふつうにみられるクモを始め、水田や里山、山林や水の中まで、さまざまな環境で生活しているクモの世界の奥深さを感じます。


ビニールハウスで狩り 「フタモンベッコウ」

2014年08月19日 | 昆虫

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フタモンベッコウ(ベッコウバチ科)

ハウスの中でオニグモを捕獲した狩人蜂のフタモンベッコウ。

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フタモンベッコウは、日本最大のベッコウバチで、腹部に黄色の横帯と頭部に黄色の2つの縦斑を持っているのが特徴です。

黄色の2つの縦斑が恐い目つきの顔に見えます。


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フタモンベッコウの体の3倍もあるようなオニグモを襲い、麻酔をかけて巣穴に引きずり込もうとしています。

懸命に引っ張ったり、後ずさりしたり、獲物を置いて飛び去ったり、再び獲物に戻ってきたりと大物に四苦八苦している様子でした。しばらく観察を続けていれば巣穴を見ることができるのではと粘ったが、フタモンベッコウはあきらめたのか、そのうち獲物を置いて去ってしまいました。

翌日ハウスに行くと、何とフタモンベッコウが日を改めて再度、獲物を運ぼうと挑戦しているではありませんか。巣穴がハウスの外にあり、ハウスの出入り口は、一か所だけに難儀していたようです。

巣穴を確認することはかないませんでしたが、2日がかりでオニグモを幼虫の餌として巣穴へと無事に運んだことでしょう。フタモンベッコウは、全国的に数の少ない希少種のようで、環境省の第4次レットリストでは準絶滅危惧種に選定されているそうです。

我が家のハウスには、ハシリグモやコモリグモなどのクモ類やアマガエルを主としたカエル類が多く住んでいますが、マムシが住み着いてから、これらの生き物が少なくなってきました。「来るもの拒まず」の信念が揺れ動くこの頃です。