活元運動をお勧めする、整体師のブログです

体は自然の一部であり、季節ごとに特徴があり、調整点が異なります。

(活元)「相互運動」のすすめ

2021-09-15 21:14:00 | (活元)「相互運動」のすすめ
私が初めて野口裕介先生の整体(指導/操法)を受けたのは、もう随分昔になりますが、世田谷にあった本部道場に於いてでした。

整体を受ける前に、皆さん活元運動をしているので、私もその中に入って活元運動をしましたが、研究生が後ろから手を当てて、誘導してくれました。

整体の時間が近づくと、研究生が「そろそろお支度ください」と声をかけてくれるので、活元運動をやめて、順番を待ちました。

こんなわけでその頃の私は、野口整体を受ける人は皆、普段から活元運動をしているものだと思っていました。

なぜなら、毎月「活元会(かつげんかい)」という整体の勉強会があり、そのおしまいに必ず皆で活元運動をするからです。

今はどうなっているのか分かりませんが、以前は整体を受けられる正会員になるためには、「活元会」に最低1度は出席することが必須で、当然「活元会」のおしまいに行なう活元運動を体験します。

私の恩師であった故高野亨(とおる)先生は、この点は厳しくて、「活元会」に数回出席しないと、正会員には成れず、それまでは整体指導を受けられませんでした。
しかしその所為で、会員になれた頃には、その人はもうだいぶ活元運動が動くようになっていました。

この制度は、なかなか会員になれず整体を受けられないので、一見遠回りのように思えますが、実際は逆でした。

活元運動をしている人の身体は、そうでない人よりも敏感になっているので、同じ整体指導(整体操法とも云います)を受けても、変化の度合いが大きいのです。
同じ症状でも、活元運動を長くやっている人の方が、変化が速く、変化の度合いも大きいのです。

野口先生は、「依頼心で整体を受ける人は、なかなか身体が変わらないし、(野口)整体がどういうものか、理解していない人です」と仰っていましたが、あなたご自身も、健康であるために、積極的に食事や栄養に気をつけたり、運動やストレッチをしたり、あるいはヨガや瞑想などをしていらっしゃると思います。

しかしせっかく整体を毎月1度か2度(あるいは数度)受けられるのですから、活元運動である程度身体を整え、活元運動だけでは変わらないところを、整体を受けることで変えていく、そういう本来の野口整体のスタイルが望ましいと思います。

普段から活元運動をしている身体とそうでない身体は、一見しただけでは分かりにくいものです。
しかし例えばその人に正座してもらい、右手の親指をその人のL5(腰椎五番)に当て、左の掌をその人の胸の上部に当てて、右手の親指と左の掌の力の向きを、互いに合わせるようにすると、普段から活元運動をしている人なら、すっと腰が持ち上がります。
力はほとんど要りません。
敏感な身体とは、そういうものです。

世田谷の本部道場にはよく通いましたが、毎月20日が、初めて活元運動を体験する人のために用意してあり、いろんな方をお連れしました。
最初に活元運動の説明があり、研究生8人から10人くらいがデモンストレーションをして、どんなものなのかを見せてくれました。そのあと初体験の人を、研究生が運動を誘導するために、愉気(ゆき:手当て)をして回っていました。

一番楽しみだったのは、毎月“9のつく日”に行なわれる「相互運動」でした。
9日.19日、29日に行なわれるのですが、参加者は普段から活元運動を行なっている人で、ある程度自在に運動が出る人です。
野口晴哉先生の奥様(昭子夫人)も、よく出ておられ、私は顔を覚えてもらいました。

相互運動の良いところは、自分1人だけでは出ない運動が出るところで、いつもとは違った変化が起こせることです。

また不思議なのは、相手の身体の怪我や不調について、頭では知らないのに身体ではなぜか分かり、その“手当て”を行なうことです。

実際にあった経験ですが、ある日相互運動の会に出かける前、うっかり右の肘を強くぶつけてしまいました。

整体協会の本部道場に行き、いつものように適当に相手の人を選び、二人で組んで相互運動を始めました。
最初は私が前に座り、相手の人に後ろに回ってもらいました。
後ろの人の左右の手が、私の肩や腰などに適当に当てられた状態で、二人とも目をつぶってぽかんとします。
すぐにひとりでに運動が出て、二人ともいろんな動きをします。
その時に、相手の左手は私の肩や背中や腰に移動して動くのですが、右手は私の右肘にピタッと当たったまま、位置を変えないのです。
私は来る前に右肘をぶつけたことなど一言も話していませんから、相手の人は知識としてそのことを知らないのです。
しかし実際には、その人の右の掌がずっと当たっているので、ちょうど愉気(ゆき)をしてもらっているのと同じです。
気持ちがよくて、だんだん痛みが引いていくのがわかります。
しばらくして、今度は前後を入れ替わりました。
後ろに回った私の掌が、左右どちらだったか覚えていませんが、片方の手が相手の腰にぴたっと当たったまま、位置を変えないのです。
しかしもう片方の手は、相手の後頭部や背中・腰など、次々と移動していきます。

だいぶ時間が経って、相互運動が終りました。
( 誰かが声をかけたりはせず、それぞれの組が適当なところで終えていました )

お互いにお礼を言うのですが、二人とも驚いたのは、それぞれの痛いところに相手の手のひらがピタッと当たっていたことです。

私は相手の人に、「実はここに来る前に、右の肘をうっかりぶつけてしまい痛かったのですが、あなたの掌がずっと当たっていて、随分楽になりました」とお礼を言いました。
すると相手の人も、「いや実は私も腰が辛かったのですが、あなたの手がずっと当たっていて、おかげさまでだいぶ楽になりました」と言われました。

不思議ですが、頭では知らないのに、何も言わずとも身体では分かるのです。

この現象は最初は不思議でしたが、何度も経験するうちに次第に“当たり前”になっていきました。
身体は、我々が考えている以上に凄いもののようです。

“癌の早期発見”などと云いますが、もしも身体のどこかに癌ができていたら、本人はもちろん一緒に組む人も、知識としてそれを知らないのに、身体は分かるのだろうと思います。
おそらく後ろの人の掌が、その癌のできた部分にひとりでに当たって、愉気(手当て)をするのだろうと思います。

こんなわけですから、1人でも多くの人が活元運動をするようになれば、さらに云えば相互運動をするようになれば、病気や怪我は格段に減るでしょうし、今の健康保険の大赤字も、簡単に黒字に転換することでしょう。

これからも「試してみたい」と言われる方に、活元運動を伝えていき、1人でも多くの方に元気で笑顔になっていただきたいと思います。

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