活元運動のすすめ

野口晴哉(はるちか)氏の著書「健康生活の原理〜活元(かつげん)運動のすすめ」は、20数冊ある著書の中でも、最もよく読まれている本です。
小さめの本で、値段が手頃であることも一因でしょうが、なんといっても野口先生の『活元運動を普及させ、一人でも多くの人に日々の習慣として取り入れてほしい』という想いがこめられているからだと思います。

実際月刊誌「全生」でもたびたび取り上げられ、数ページを費やして、その都度異なる表現で、活元運動の如何に有用で大切であるかを述べられています。

今日現在も唯一品切れとなっている本で、品切れ状態が何日か続くと、“希少本”として高値で売られているので驚きます。
※ 先ほど調べたら、数年前に買われた古本が¥6.800で売られていました！
整体協会の出版部である「全生社」に問い合わせると、「申し訳ありません。印刷は頼んであるので、今しばらくお待ちください」と言われましたが、しばらく待てば¥500(＋税)で新刊本が買えるのです。

それはさておき、
「愉気(ゆき)」手当て
「体癖(たいへき)」体形や感受性による、身体の分類
「活元運動」
の３つは、“野口整体の３つの柱”です。

私が初めて活元運動をしたのは23歳のときで、友人と参加した「活元会」という整体の勉強会で、おしまいに少し活元運動をするのです。
宇部市の福祉会館(？)で、午後１時から３時までの会でした。
参加者の７割位が普段行なっている人らしく、詳しい説明はなくて.２分足らずの“準備運動”のあと、「力を抜いてぽかんとしてください。(ひとりでに)動き出します」と言われました。

約１年くらい前に、友人に「身体が勝手に動いて自動調整してくれる、不思議な体操がある」という話を聞いて、大いに興味をそそられました。
しかしどこで誰に教えてもらえるのか、その友人にもわからず、『どんな体操なのだろう？』と、時々思い出しながら、日々が経っていたのです。

待ちに待った日が来たわけです！

期待に胸を膨らませて参加したものの、はじめての体験者はすぐには動きにくいらしく、友人も私もその会場では動きませんでした。

しかし、人のあくびを見ていると自分にも移るように、その場で皆さんの“気”を頂いたのか、２時間後の夕方５時頃から、自宅の部屋で正座して準備運動をすると、上半身が反時計回りにぐるぐると回転を始めました！
意識ははっきりしているのですが、身体が勝手に動くのです。
２時間位してその動きが終わると、今度は右腕をぶんぶん振る運動に変わりました。
しばらくしてその動きも止まり、そのあと頭を上下にコクンコクンと振るように、首の運動が始まりました。
結局11時過ぎまで、６時間位動いていました。

不思議なことに疲れは全くなく、動いている間ずっと気持ちが良かったのです。

「健康生活の原理」には、活元運動のあと“反応期”があり、汗や尿など、排泄作用が盛んになると書かれてありました。

私の場合は、それほど強い反応というものはありませんでしたが、１週間経ったころ気がついたのは、小学５年生の頃からずっと続いていた不眠症と、それに伴う後頭部から首の後ろにかけての不快な貼り付き感が、嘘のように消えていたことです。
12年ぶりに、頭がすっきりしたのです！
不眠症が解消され、それからは寝台列車でもどこでも眠れるようになりました。

『活元運動とは凄いものだ！』という感動は、今でも変わりません。

腕を振る運動は今でも出ますが、最初はただ腕を振るだけだったのが、そのうち手首の運動も加わりました。
さらに続けているうちに、５本の指が皆動きながら、手首も動き、そして腕が動くのです。
続けていると、だんだん動きが精妙になってきます。つまり、“活元運動は進化する”のです。

この事は誰でも同じで、初めて一緒に活元運動をした友人も、あぐらをかいた状態で、股関節と腕の運動が同時に出る、綺麗な動きが出ます。
見ていて、本当に美しいと思います。

少しの準備運動するだけで、あとは身体が勝手に動いてくれる“楽ちんな”運動なので、体験した人にはぜひ続けてほしいと思います。

身体が楽になり、呼吸が深くなるのは毎度の事ですが、ずっと気になっている症状があれば、徐々にあるいはあるときを境に、急に身体が変化してきます。

最初になかなか動かないと諦める人もいますが、もったいない話です。
私自身も、なかなか動かなかったり、少し動いた後すぐに止まってしまう時期も何度かありました。
しかしそれでも続けてきて、今はそんな事はありませんし、終わるまでやっていたら３時間や４時間では足りなさそうです。

日々の習慣の一つにして、ある程度この運動で身体を整え深い呼吸になれば、一日の良いスタートが切れると思います。

※ 活元運動が「なかなか動かない」とか、「少し動いてすぐに止まってしまう」など、モチベーションの上がりにくい方は、動きがよく出るように誘導させていただきますので、ぜひご相談ください。