こ と の 端

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拘 束 思 考

2008-10-12 08:04:30 | Weblog
宇宙の大きさを 

高い精度で

光学的に確認するための方法が

人類に与えられるようになった

二年ほど前のことである


この宇宙の年齢が

約137億であるということが 確定した


ビッグバンは その更に前へと遡るのだが

確認することは困難だ

宇宙の年齢を 140億年とする表現も 決して不当なものではあるまい

これまでは 150億年というのが通説になっていた


宇宙の始まりが何故おきたのかということは

まだ わからない


分かっていることは 

原子をつくっている素材が 誕生すると同時に

すぐさま消滅した ということ

そして 急激な膨張(インフレーション)があった ということ


ビッグバンの直後に

対生成と対消滅が同時に発生した 

はずだったのだが

なぜか片方の成分だけが 消え残ったのだった


それがこの宇宙を構成している物質のことである


宇宙創成期におきた謎を解くカギの一つが 

原子核をつくっているクォークの中に潜んでいた

今年のノーベル物理学賞は この一連の発見とその証明手段の提供に対して

授与されたもの


137億年の光学的広がりをもつこの宇宙が

その最も小さな粒子であるクォークを調査することで

明らかとなった


ビッグバンでは

物質と反物質とが対生成したとされるが

物質だけが 対消滅から逃れてこの宇宙空間に残された

ここに 

壮大な謎とその答えとが隠されている


本来なら真空が存在するだけの宇宙であったはずなのだが

対象性が「偶然」失われていたために

物質が存続することを許されたのだ


その結果 宇宙には様々な物理現象が生じ

中でも 

地球には 生命が誕生することとなったのだった


この物質からなる宇宙を 現象界と呼び

真空だけからなる宇宙を 実相界と呼ぶ考え方がある

 
さまざまな現象が顕れる反応場でなければ 生命は存在することができない

ここに未知の謎を解くヒントが あるように思われる


クォークの素がひも様のものだとする仮説が 超ひも理論(超弦理論)

なかでもM理論と呼ばれるものが導いた解からは

宇宙は11次元構造でなければならない

ということが数式によって示されている


ここから先は 証明する手だてが与えられていない分野

最先端の科学は その手段であった証明を超越するところにまで達した

現在の規範では 証明できないものは 一切が科学ではないとされる


クォークまでは加速器を使って確認することができたのだったが

「ひも」に関する仮説を実証する装置は 未だ開発がなされていない


思考力が自由であれば アインシュタインや南部陽一郎のように

自在に アイデアを飛翔させることができる

だが 人類はその能力を失いつつある


証明に拘る教育モデルで育てられた頭脳は 

即物的な制約の内側に留まろうとする


このような姿勢を標準化してきた

という歴史が

科学をつまらないものにし 

こども達の理科離れを促している



思考空間は 137億年のこの宇宙の外をさえ


包摂する容量をもっている  
コメント
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