こ と の 端

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通 底 泥 流

2018-04-01 09:39:29 | Weblog
鳩首は烏合のなれの果

そんな事例が歴史を満たす

過去についてはいざ知らず

今の時代は経緯に残る


平均的に優れた国民がもつであろう

一定水準に達した認識が

生み出した選択の結果

ではないと言うところに

禍の種が多くある


国家を代表する元首

となった者の行い

に見られる変化

に通底する一連の劣化

こそ

なによりのその証拠


代表的なものの筆頭となるべきは

単純思考の強迫神経症を病む

典型的なアメリカ人患者が

転がり込んできた大統領職へと

想定外の展開で就くこととなり

世界の混乱がそこから始まった

ということなのだ


中国大陸に於いては

新皇帝の地位に等しい

新たな国家主席が誕生した

という事実


ユーラシア大陸では

批判票を認めない制度を固めてきた旧守勢力が

新体制となる枠組みの更なる保守化を

同じタイミングで成立させたその事実


一定の期間で集中的に発生した

これら総ての変化の経過は

そのいずれもが

内政問題の帰結

として与えられたローカルな結果

という点で同一視することが可能


国家を成り立たせている国民のもつ

認識能力の劣化という負の変化は

このところ

著しいほど急速に

退行するための速度を

俄かに増しはじめている


学力重視の高等教育

に特化する競争を重ねてきた

ということが

思考力を涵養するための時間

を惜しませ

更なる高度化を目指すことが

善だと定め

教育の場に於ける差別化を競い

一路邁進するという変化

を急速に生み出した


判断能力の糧となる知識を

他者の差別化という手段へと使い分け

健全な批判精神が果たすべき

重要な機能を

それと意識させることなく

抹殺する経過を

次代を担う役割をもつ

世代へと

次々に押し付けてきた

ということが

これら世界規模で同時進行するようになった

一連の変化の

共通起源


大量の知識を獲得する競争

に明け暮れすることで

教育投資の失敗

による損失の現認を意図的に避け

資本調達能力の優越性

のみを価値評価の基準

として改める気風を生み育てた


現在成り立っている信用経済

を齟齬なく成り立たせているのは

世界規模にまで拡大した

集団的共同幻想に他ならず

新自由主義に基づく市場経済の普遍化が

共に支え合う複数の経済圏

の協働を誘発することにより

かろうじて成り立っている

かのように見せかけている


その危うさを真っ先に顕在化させたのが

ビットコインに代表される

仮想通貨の台頭

とその後の電子的手段で行われた

盗難と盗掘などの行為による

資産の一斉喪失を起点とする

信用失墜が導く

頓挫


それはあたかも核が分裂

する時の有り様にも似た

信用収縮への

連鎖的傾斜とその反応プロセス

を記録として歴史に残した


信用で成り立っているシステムのすべて



根拠を失った段階で

一瞬にして

崩れ去る


現在機軸となっているドルも

その神通力を失う時を

いずれどこかで

迎えることだろう


銀本位制で成り立っていた

近世までの国際経済が

第一次世界大戦でハイパーインフレ

をドイツに与えたことを起点とし

第二次世界大戦欧州戦線

の拡大へと

最終的に繋がっていき

ほぼ同時に

日本が関わった第二次世界大戦太平洋戦線

に於いては

核の破壊力を行使したアメリカが

富を失った英国

に代わって台頭することとなり

戦後復興の指導的役割を果たす

機会を得たことにより

終戦の13ヶ月前の段階で

ブレトンウッズ体制の成立

を金本位制で実施する締約

を予め取りまとめていた

とする史実が既に確定している


戦闘能力の高い航空機を多用するようになった

近代以降の戦闘は

その使い勝手の良い

便利な燃料となった石油の確保

が生命線となったことにより

その供給確保を至上命題

と心得るようになった国家を

地下資源の利権確保へと

一律に奔らせた


連合国を形成した主要各国は

石油の供給路を

アメリカによって断ち切ることで合意し

産油国を支配する必要に

急遽迫られた日本をして

五族協和と八紘一宇の名目を押し立て

旗幟を闡明にして掲げるよう

干渉による方向づけを

意図的に行った


それまで植民地主義の犠牲とされていた

弱小の被支配国家群を糾合し

共存と繁栄を導く

とする壮大な戦略を立てはしたものの

アメリカの常套手段である引き技に乗せられ

大義名分のない先制攻撃で

手順を踏まずない戦闘を

真珠湾で開始した

ということが

アメリカの国民に対し

戦闘に参加するための後ろ盾

を与える効果を難なく引き出していた


肉を切らせて骨を断つ

というのが新大陸国家の

一般的な対外戦略の共通手段

ベトナム戦争でも先に

アメリカの艦船が犠牲となる

よう仕向けたのみならず

掃討作戦を合法化する北爆を強行し

却って敗戦を自ら急ぐ

とした皮肉な結果を

自発的に手に入れた


この同じ手法が同時多発テロでも使われ

米国民をイラク戦争へと

引きずり込んだことは

記憶に未だ新しい


戦費調達を増税抜きで実施しようとして

自然災害による石油精製施設の停止

を理由とする米エネルギー省長官

によるメッセージを連発し

石油価格決定機関となっていた

アメリカのWTIで

相場を高騰させるよう誘導し

石油の決済で使われるドルの需要

も同時に高めるという戦略

で対応してきた


石油市場を高騰させれば

ドルの需要増を引き出せただけでなく

機軸通貨の発行権(シニョレッジ)の拡大

をも合法化することができ

八年に及んだイラク戦争の莫大な戦費を

エネルギーコストの高値誘導で

人知れず賄っていた

とする事実が記録にある

世界経済のデフレ化という現象は

エネルギーコストの連綿たる増加

が原因となって始まっている


9.11以降急増するようになった

ドルの世界規模の需要増大で

大量に発行されたドルの過剰流動性が

巡り巡って

中国へと流れ込んでいったことから

世界の製造工場にする

というアメリカの目論見により

共産党政府に余ったドルを押し付け

ドル売り政策を推進する目的で

元高誘導を執拗に行い続け

中国政府に大量の人民元売り

を継続的に実施させる経過を導いた


ドル売り政策で中国が買った大量のドルで

ドル建ての長期債を買う

という行為が中国を

世界最大のドル資産保有国

へと押し上げた

僅か三年という短い期間で

日本を抜いた中国は

債権大国へと上り詰め

人民元の大量発行の根拠

となった大量に獲得したドル資産で

不足していた海軍力を

たちまちにして補強した


国際社会はこうして

アメリカの力による

見えない支配体制の圧力下

で統合されることとなり

ドルを基軸とする

価値の裏付けを必要としない

信用経済による

青天井と化した

経済体制を

アメリカの本音

を誰にも悟られることなく

円滑に成り立たせるよう

裏に回って今も尚

仕向けているその姿が

状況証拠となって残存している


ソ連崩壊で眼前の敵を

90年代初めに失った立場のアメリカは

北朝鮮が核放棄で帰順した

その段階で

敵を新たに必要とするようになる筈だ

それが軍産複合体制の宿命

であるからだ


現在の仮想敵

とアメリカによって

そう位置付けられている

中国共産党政府による

現体制の存続それ自体が

敵視の強化となることを

過去の一連の所業から判断できる


経過の推移を見る限り

アメリカの行動規範の前提となっている

創敵行為を

肯んじることは即ち合理


アメリカという国家は

これから先の未来も常に

敵という名の存在を

絶対的に必要とする

ひどく重い泥流

を基底条件として

保ちつづけることとなる
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