こ と の 端

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誤 謬 再 生

2017-03-26 09:07:41 | Weblog
不具合の源流を探ってゆくと

エネルギー資源にまつわる権益の確保



その決済を行うための統一通貨

機軸通貨としての機能を賦与されたドル

を起源とする諸問題へと辿りつく


ローカル通貨に過ぎなかったドルの発行権(シニョレッジ)

は世界大戦終結後

ブレトンウッズで基軸通貨となることが決定し

その後のドルショックで

金本位制から離脱したことによって

変動相場制へと移行した


二度のオイルショックで

石油の価値にプレミアがつくようになり

ドルの通貨価値は自動的に高まった


経済成長に伴って
エネルギー資源に対する

デマンドサイドからの供給圧力が高まり

地下資源を燃やすことによって生じる

二種類の異なった酸素化合物

つまり

炭素系酸化物であるCO2

並びに

水素系酸化物H2O

を大量に合成することとなり

その相乗効果が気候変動を加速させ

温室効果を持つそれぞれに異なった

二種類のガスを大量に副生したことで

温暖化現象と呼ばれる

気候を変動させる機能主因が

生態系に重大な悪影響を及ぼしている

という困った事実が

地表へと人知れず

産み落とされるようになっていた


石油産出国の利権と

機軸通貨の制限のない発行を

随時可能な状態にした

ドルに備わる特別な権能が

温暖化現象に備わる各種の機能

を増長させる原因へと成長した

ということが

エネルギーコストを高値へと引き上げて

可処分所得を圧迫する状況を

世界中の市場へと与えるようになった

ということが

そこから派生した様々なその他の不具合

例えば富の偏在とか

それによる貧困の蔓延

などを生み育て

テロを志向する

単純な思考回路で判断する若者を

宗教の名に於いて洗脳し

破壊活動を先鋭化する潮流に

巨大なうねりとなって現れた


こうした歴史的事実の連鎖的な関与

が不具合の程度を

時系列でより高いものにした


9.11で始まったテロとの戦いは

テロ組織の首謀者二名をその年の暮れ

アフガニスタンの禿山

に追い詰めておきながら

取り逃がすという失態を敢えて演じたことで

後のイラク戦争へと発展する糸口を

アメリカへと与えることとなり

その後五年以上に亘る原油相場の長期高騰を許し

エネルギーコストを引き上げながら

決済通貨であるドルの発行権を強化し

ドル余り現象を導いて

後のリーマンショックへと繋がった


過去の経過のそれぞれが起点となり

金本位制から離脱した信用経済

を30年以上の時を経て追い詰め

資本の移動を

たった一夜で成り立たないようにして

G20を創設するよう世界を追い詰めたことにより

ドル経済圏の一斉崩壊を

辛うじて食い止めることに成功した


これら一連の変化はすべて

因果律

と呼ばれる概念

で説明することができる

という点で

一括りにすることが可能な事実

でできている


資本の論理と呼ばれる

ウネリを伴った巨大な潮流は

万物をそこに巻き込みながら

利益の高低差がつくる傾斜を利用して

投資の波を増幅して形成したり

収益の回収を急ぐ返す波

を目立たせずにカタチ作ったりして

波動が生む経済収支の差



投資を投機と再投資へと

振り向けるよう仕向け

獲得した収益を

還元する以外の別の方法を探りだし

分散投資を繰り返す動因の形成に

こぞって寄与してきた

とする形跡が残された


不具合を導いたこの歴史的経過が

1%の資本を制御する組織と

それを支えている

残り99%の成分とを

明確に乖離させ

多数派を貧困に喘がせながら

納税意欲を失わずに

恒産に励ませ

国家を破綻の危機から

救い続けている健全で温和な人々を

大いに苦しめることを通じて

経済格差の拡大が

乖離の幅をかつてないほど

拡大させた


国民の納税意欲が衰えたとき

日本では税収不足

という切実な問題に直面することとなり

膨大な金額

へと達した債務を

年ごとに更新するこの現状

を停止させ

財政破綻へと最終的に負い落す


国民の恒産が続いている限り

国家破綻が現実化するようなことは

おきないのだが

国民が国家体制に批判的となったとき

不幸な結果が音もなく訪れる


ドルを基軸とする既存の通貨メカニズムが

このまま将来も

経済成長を牽引し続ける

とする保証はない


大量の通貨発行益で

米中二か国の

それぞれに異なった姿の

経済圏経営を成り立たせてきた

双方の国家のうちのどちらか一方が

躓いたとき

世界中の市場で

巨大な経済変動が

一斉に立ち上がる


アメリカの新大統領が

一部で夙に知られていたように

たった二ヶ月で馬脚を露呈することとなり

株式市場は軟弱化する展開へと陥った


市場が経済政策の実効性に疑念を抱き

警戒心を強め始めた

ということが

航海に旅立ったばかりの新大統領に

予測されていた壮大な試練の日々

を与えはじめた


中国共産党政府に

アメリカの代わりを務める

資質と能力がある筈もなく

世界規模の混乱が

新たな紛争の火種となって

世界中に拡散すると

人口は増殖から

縮退へと向かい

さらに多くの不具合が

一斉に芽を出して族生し

地表の全域へと

やがて繁茂する


温室効果ガスの生産は

人口の減少に伴って

下火となり

温暖化は新大統領が明言した如く

あってなきが如きものとなる

という経過の実現は

まことに皮肉な展開を記録に残す


愚か者の運命とは

要するにこのようなもの


文明のメカニズムが

資本の集約を急がせ

貧困の蔓延に輪をかける

産業革命を導いた蒸気機関は

軍需の拡大を急がせ

物資の輸送効率を際立って高めた

その後開発された内燃機関が

石油を必要とする体制を世界中に敷き

軍産複合体制の確立を急がせ

資本に求心力を与えて方向づけ

侵略するための破壊のコスト

を投資コストへと置き換え

支配する方の側に対して

権益の拡大を齎した


地表のシステムが機能不全を引き起こし

ソ連を消滅させた内部崩壊を経て

枠組みの転換を促す経過が

またしても繰り返される

という循環構造が

文明の世代交代を生み落す


ローマ帝国が滅亡したのは

繁栄のメカニズムを無視して

破壊して支配するための権益の獲得強化

を無批判に推し進めてきたからに他ならぬ

植民地化が生む便益の拡大

を急ぐようになったとき

そこで生じた禍が

我とわが身へと緩慢に跳ね返る

指導者に求められるのは

責任を引き受けるその覚悟

無知な指導者ほど

思いつきに過ぎない無意味な判断に

殊更強く執着して

失敗を積み重ねる


ソ連崩壊がロシアの登場を急がせて

地下資源の利権確保を巡る思惑が

支配体制の具現化を方向づけ

対立の種を育てる


ウクライナとロシアによる

クリミア半島の帰属を巡る争いが

そのなによりの好例

シリアでの攻防戦を複雑なものに変え

イスラム国の関与を第三国の介入が高め

難民の急増へと繋げてしまった


ソ連の内部崩壊がロシアを誕生させ

それがドル経済圏の拡大

に寄与した

これら90年代に起きた

すべてのことが

双子の赤字で長年苦しんでいた

米政権の財務状況を黒字化させ

民主党政権から共和党政権

へと変わったばかりの2001年

その新会計年度の最初の月に

同時多発テロでアメリカ本土が

一斉攻撃されたのだった


米国民の報復感情に火がついて

イラク戦争へと繋がっていったのだった


米政権の予期に反する

長期化したイラク侵攻作戦が

黒字化を実現したばかりのアメリカの財政を

再び赤字へと追い落とすこととなり

増税抜きで戦費の調達を

急がざるをえなくなった

ブッシュジュニアは

ハリケーン・カトリーナの上陸や

石油精製施設の老朽化などの

様々な理由をつけて

エネルギー資源の流通を阻害する諸要因を

エネルギー省長官に

事ある毎にテレビを通じて

神妙な顔つきで語らせていたものだった


原油相場はアメリカの市場である

WTIの実績で決まることから

アメリカでの原油価格の高騰要因が

世界中の原油相場に影響を与え

五年に亘る原油相場の長期的高騰が

意図的に続けられるという経過を生み

それがエネルギーコストを一入高め

個人の可処分所得を押し下げただけでなく

ドルの供給を強く促すことともなり

ドル余り現象を

世界中に産み落とした


過剰流動性の回収

を急がざるを得なくなった

サプライサイドの米政権は

サブプライムローンの証券化を急ぐよう

国際金融資本を方向づけ

償還時期を迎えたその直後

2008年秋に

あのリーマンショックを引き起こすに至った


国際経済に重大な一撃を与えたこの時のことは

記憶に未だ新しい


テロリストが仕組んだとされている9.11が

イラク戦争を派生させ

宗派間の対立を誘導したテロ組織に

イラク大統領だったフセインという重石

を失ってから後の過程で

軍閥を宗教的な鋳型

へと立て続けにはめ込むことにより

イスラム国を自称する組織へと再統合させ

内戦状態を至る所で支援する体制を築かせ

大量の難民を欧州へと追いやって

ユーロ圏経済をそれが強く圧迫した

ということが

イギリスのEUからの離脱

ブレグジットを急がせた


まこと因果は巡るもの
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