1;99の対立
へと大きく分極化した世界の富は
産油国以外の国家財政を
ひとしく赤字体質へと移行させ
消費税率を引き上げさせただけでなく
赤字国債の増発までをも
促した
1%に帰属すべき最終所得が
どんどん積み上っていくようになり
99%がその負担に喘ぐ
という仕組みが形作られた
経済のもつ
ひどく
いびつな構造は
このようにして
太陽系の第三惑星へと定着
することとなった
エネルギーは地下資源に依存する
石油もガスもウランも
主要なすべての資源が
そうなっている
資源産出国はドルでの決済を指定し
資源輸入国は外貨準備を高めていった
自国の通貨を
ドルの供給者
である国際金融資本へと
為替市場を通じて
売り渡す
代わりに得たドルで
国内の経済を賦活する
というメカニズム
で国際経済は成り立っている
かつてドル資本と総称されていた
いまの金融資本に概括される巨大な勢力は
金融市場などで大量に仕入れたドルを
あらゆる外貨と交換することで
為替差益を確保するようになり
外貨を当該市場で効率よく運用することで
収益の上乗せと確保を図り
最終的にドルへと戻すサイクルを
時の経過とともに
より盤石なものにした
金融資本が引き取った外貨で
ローカル市場に投資して得た収益は
四半期単位で
ドルへとゆっくりと目立たずに戻され
為替相場を一定の範囲に制御しつつ
ドルの発行国である
アメリカの金融機関を経たのちに
投資家へと利潤の還元を行い
量の規模を募らせていくことにより
富の集積を
ひときわ高めることが
できるようになっている
地下資源を必要とする各国政府は
ドルでエネルギー資源の決済をするよう迫られ
自国の通貨を提供しただけでなく
国に固有の市場を
ドル資本の手へと明け渡す
外資に対する市場開放のプロセスは
このようにして始まる
外国市場に投資された大量の資本は
その国の経済を活性化しはするのだが
そこに固有の通貨が生む流動性の厚みを失い
枯れた市場となるよう誘導する
国民の暮らしは
潤沢だったカネが
枯れて回らなくなったことで圧迫され
貧困の地下茎を際限なく伸ばしていく
たった1%の勢力が
増幅された収益の殆んどを
投資家へと配当するために
短期間で持ち去り
自らの市場から
流動性と活性とを
同時に失っていくサイクルへと
嵌り込む
という仕組みが制度化されている
このメカニズムは地下の見えないところでおきており
その変化の実態を国民が察知するのは
貧困が既に蔓延した後になってからのこと
時すでに遅く
エネルギー資源を輸入した国は
貿易収支を悪化させながら
緩慢に沈んでゆく運命へと陥る
定め
経済活力が残されている国では
消費税の引き上げに慎重であり続けることはできるのだが
経常収支が急速に劣化した
経済規模の小さな国では
税率を俄かに高めて
国民の暮らしから
豊かさを一瞬で追い払う
更に歳入に重大な欠陥をもつ国では
国債を増発して
国家としての借り入れを増やさざるを得なくなってゆく
小さな国では国民の資産で
増発された国債を吸収することができず
ドル資本などからの海外投資を有難たがって
自国に固有の市場から
外資が利益を持ち去ることを
善と信じて
加速させるようになる
貧しさというものは
構造的な欠陥から生み出され
一旦劣化が始まると
その速度は一気に高まる
EUの一部では
最近
複数の国債の信用度が頓に低下してしまい
最終的に
大三者機関からの支援を
急遽必要とするようになった
世に言う
EU危機である
投資目的の公債保有者は
リスクに対して過敏なほどの反応をみせる
保有国債の売却損を回避するために
売り圧力を一気に強め
国債の価値を率先して引き下げると同時に
長期金利を反対に引き上げる
与信行為の喪失が生むそのメカニズムは
リスクの高さが変化することよって
全体の状況を
たちどころに制御不能なものにする
俗に言う 恐慌
というのがその代表的な過去の例
市場が単一化されればされるほど
原因が生む結果の度合いは
一瞬で全体へと波及する
ドル経済圏という現在の共通化された市場は
経済の連携協定を必要とするようになっていき
FTA や TPP
が不可欠の条件となる道理
その意味で
固有のリスクを常に孕む
枠組み
ということになる
IMFが神経をとがらせているのは
ドル経済圏が持つ
本質的な脆弱性に対する懸念があるからだ
既存の資産で対応できる規模では最早なく
ドル経済圏全体が陥る恐慌の嵐に
世界中が翻弄される修羅場がやってくる
リーマンショックのとき
G8では対応しきれずに
G20へと
枠組みを拡大しなければならなくなった
ドル経済圏の破綻は
共通市場の参加国のすべてにとって
壊滅的な破壊要因
として作用する
ドル資産を持っている国ほど
基軸通貨に対する信認の喪失
を強く恐れるものなのだ
経済成長が
エネルギー消費の増加
を前提とするものである以上
構造的な欠陥は増幅され
その結果である環境の劣化は急速にすすむ
世界は富の偏在がもつ脅威に
まだ
気付かない
目先の利益に囚われているからだ
決済通貨となったドルの供給者が
その回収を急がずに
意図的に
ローカル市場に資本を滞留させるようになりさえすれば
市場のもつ潜在能力を
流動性が高めることを可能ならしめ
豊かな市場から得られる収益も
充実した状態で
より多く
回収することができるようになる
収益の確保にのみ専念してきた
ということが
ローカル市場から流動性の厚みを奪うこととなり
当該市場の活性を自らの手で損ない
世界中をやがて貧困化させる
その原動力となっていく
国際金融資本が目先の効率を手控えて
市場の深耕を図るようになるならば
枯れない富に
世界の経済は公平性を取り戻し
収益のボリュウムを
数年程度で最大化させることができるようになる
エネルギーは地下資源がなくても
工夫次第でいくらでも取り出せる
ここに気付くことができれば
ドルの需要を緩和させ
ドル経済圏を含む複合経済圏の成立が
固有の欠陥を排して
経済構造を健全化させるその基本的要因
となるだろう
望ましいのはドル資本による投資の健全化と
エネルギーの健全化とが
同時に起きるということにある
富の偏在を赦してきた経済の枠組みが
二酸化炭素の量産を促し
気候の変動を現実化させてきた
貧困化というプロセスもまた
同時進行するようになり
環境の劣化と経済の劣化が
帯同して起きる
いまのこの状態が形成された
狩猟と漁猟などの分野では
かつての乱獲によって
種の絶滅が危惧されるようになり
収益をもたらす生きものの数が減り
富の減少を引き出したという事例が
あまた記録に残っている
ドルの供給と回収についても
収益の確保と効率の向上に特化した挙句
99%を貧困へと追い込み
豊かな市場から流動性という名の
緩衝機能を持つ推進装置を奪い
負のサイクルを形成させた
問題の所在を知れば
対応するための術を絞り込むことはできていた
問題自体が見えていなかったのであれば
有効な対策を導くことなど何一つとしてできず
終幕へと向かう緩慢な歩みを
時の経過と共に
より急がせる
現況は実に雄弁な証人なのだ
現実から正しく学べば
未来は
とても明るい
へと大きく分極化した世界の富は
産油国以外の国家財政を
ひとしく赤字体質へと移行させ
消費税率を引き上げさせただけでなく
赤字国債の増発までをも
促した
1%に帰属すべき最終所得が
どんどん積み上っていくようになり
99%がその負担に喘ぐ
という仕組みが形作られた
経済のもつ
ひどく
いびつな構造は
このようにして
太陽系の第三惑星へと定着
することとなった
エネルギーは地下資源に依存する
石油もガスもウランも
主要なすべての資源が
そうなっている
資源産出国はドルでの決済を指定し
資源輸入国は外貨準備を高めていった
自国の通貨を
ドルの供給者
である国際金融資本へと
為替市場を通じて
売り渡す
代わりに得たドルで
国内の経済を賦活する
というメカニズム
で国際経済は成り立っている
かつてドル資本と総称されていた
いまの金融資本に概括される巨大な勢力は
金融市場などで大量に仕入れたドルを
あらゆる外貨と交換することで
為替差益を確保するようになり
外貨を当該市場で効率よく運用することで
収益の上乗せと確保を図り
最終的にドルへと戻すサイクルを
時の経過とともに
より盤石なものにした
金融資本が引き取った外貨で
ローカル市場に投資して得た収益は
四半期単位で
ドルへとゆっくりと目立たずに戻され
為替相場を一定の範囲に制御しつつ
ドルの発行国である
アメリカの金融機関を経たのちに
投資家へと利潤の還元を行い
量の規模を募らせていくことにより
富の集積を
ひときわ高めることが
できるようになっている
地下資源を必要とする各国政府は
ドルでエネルギー資源の決済をするよう迫られ
自国の通貨を提供しただけでなく
国に固有の市場を
ドル資本の手へと明け渡す
外資に対する市場開放のプロセスは
このようにして始まる
外国市場に投資された大量の資本は
その国の経済を活性化しはするのだが
そこに固有の通貨が生む流動性の厚みを失い
枯れた市場となるよう誘導する
国民の暮らしは
潤沢だったカネが
枯れて回らなくなったことで圧迫され
貧困の地下茎を際限なく伸ばしていく
たった1%の勢力が
増幅された収益の殆んどを
投資家へと配当するために
短期間で持ち去り
自らの市場から
流動性と活性とを
同時に失っていくサイクルへと
嵌り込む
という仕組みが制度化されている
このメカニズムは地下の見えないところでおきており
その変化の実態を国民が察知するのは
貧困が既に蔓延した後になってからのこと
時すでに遅く
エネルギー資源を輸入した国は
貿易収支を悪化させながら
緩慢に沈んでゆく運命へと陥る
定め
経済活力が残されている国では
消費税の引き上げに慎重であり続けることはできるのだが
経常収支が急速に劣化した
経済規模の小さな国では
税率を俄かに高めて
国民の暮らしから
豊かさを一瞬で追い払う
更に歳入に重大な欠陥をもつ国では
国債を増発して
国家としての借り入れを増やさざるを得なくなってゆく
小さな国では国民の資産で
増発された国債を吸収することができず
ドル資本などからの海外投資を有難たがって
自国に固有の市場から
外資が利益を持ち去ることを
善と信じて
加速させるようになる
貧しさというものは
構造的な欠陥から生み出され
一旦劣化が始まると
その速度は一気に高まる
EUの一部では
最近
複数の国債の信用度が頓に低下してしまい
最終的に
大三者機関からの支援を
急遽必要とするようになった
世に言う
EU危機である
投資目的の公債保有者は
リスクに対して過敏なほどの反応をみせる
保有国債の売却損を回避するために
売り圧力を一気に強め
国債の価値を率先して引き下げると同時に
長期金利を反対に引き上げる
与信行為の喪失が生むそのメカニズムは
リスクの高さが変化することよって
全体の状況を
たちどころに制御不能なものにする
俗に言う 恐慌
というのがその代表的な過去の例
市場が単一化されればされるほど
原因が生む結果の度合いは
一瞬で全体へと波及する
ドル経済圏という現在の共通化された市場は
経済の連携協定を必要とするようになっていき
FTA や TPP
が不可欠の条件となる道理
その意味で
固有のリスクを常に孕む
枠組み
ということになる
IMFが神経をとがらせているのは
ドル経済圏が持つ
本質的な脆弱性に対する懸念があるからだ
既存の資産で対応できる規模では最早なく
ドル経済圏全体が陥る恐慌の嵐に
世界中が翻弄される修羅場がやってくる
リーマンショックのとき
G8では対応しきれずに
G20へと
枠組みを拡大しなければならなくなった
ドル経済圏の破綻は
共通市場の参加国のすべてにとって
壊滅的な破壊要因
として作用する
ドル資産を持っている国ほど
基軸通貨に対する信認の喪失
を強く恐れるものなのだ
経済成長が
エネルギー消費の増加
を前提とするものである以上
構造的な欠陥は増幅され
その結果である環境の劣化は急速にすすむ
世界は富の偏在がもつ脅威に
まだ
気付かない
目先の利益に囚われているからだ
決済通貨となったドルの供給者が
その回収を急がずに
意図的に
ローカル市場に資本を滞留させるようになりさえすれば
市場のもつ潜在能力を
流動性が高めることを可能ならしめ
豊かな市場から得られる収益も
充実した状態で
より多く
回収することができるようになる
収益の確保にのみ専念してきた
ということが
ローカル市場から流動性の厚みを奪うこととなり
当該市場の活性を自らの手で損ない
世界中をやがて貧困化させる
その原動力となっていく
国際金融資本が目先の効率を手控えて
市場の深耕を図るようになるならば
枯れない富に
世界の経済は公平性を取り戻し
収益のボリュウムを
数年程度で最大化させることができるようになる
エネルギーは地下資源がなくても
工夫次第でいくらでも取り出せる
ここに気付くことができれば
ドルの需要を緩和させ
ドル経済圏を含む複合経済圏の成立が
固有の欠陥を排して
経済構造を健全化させるその基本的要因
となるだろう
望ましいのはドル資本による投資の健全化と
エネルギーの健全化とが
同時に起きるということにある
富の偏在を赦してきた経済の枠組みが
二酸化炭素の量産を促し
気候の変動を現実化させてきた
貧困化というプロセスもまた
同時進行するようになり
環境の劣化と経済の劣化が
帯同して起きる
いまのこの状態が形成された
狩猟と漁猟などの分野では
かつての乱獲によって
種の絶滅が危惧されるようになり
収益をもたらす生きものの数が減り
富の減少を引き出したという事例が
あまた記録に残っている
ドルの供給と回収についても
収益の確保と効率の向上に特化した挙句
99%を貧困へと追い込み
豊かな市場から流動性という名の
緩衝機能を持つ推進装置を奪い
負のサイクルを形成させた
問題の所在を知れば
対応するための術を絞り込むことはできていた
問題自体が見えていなかったのであれば
有効な対策を導くことなど何一つとしてできず
終幕へと向かう緩慢な歩みを
時の経過と共に
より急がせる
現況は実に雄弁な証人なのだ
現実から正しく学べば
未来は
とても明るい