世界はどこまでも道を誤り続け
止まることさえできなくなっている
軍拡をやむを得ないとする姿勢は
緊張をより高め
いつ果てるとも知れない
力の競争を当事国に強いるのみ
その累は周辺諸国にまで及び
経済成長を犠牲にして
軍事力の強さ
高さを
誇示する状態から
あらゆる国家を離れられなくする
安全を力に頼って維持しようとするのは
最悪の結果を生む行為
繁栄を誇示して
豊かさを
どこよりも先に
手に入れることが
世界の手本となる国を作るただ一つの
道
バブル期の日本がそうであった
ソ連の指導者たちに
計画経済の限界を突き付けたのは
突出した隣国の繁栄ぶりだったのだ
その後
チャンスは何度も日本市場へとやってきていたのだが
繁栄を導くことは
ついに
できなかった
円高は
ドルの過剰流入
という経過と一対になっている
ここが分かっていないと
ドル資本の手に
日本の富を欲するがまま与え
それを持ち去らせるという結果を生む
国の貧困化には訳がある
ドルと交換に与えた円の最初の使い道は
85年秋以降
不動産市場へと流れ込んでいったのだった
土地の価格は絶対に下がらない
という神話を梃子に
ドル安政策を推進する必要のあったアメリカの要望で
G5の合意に基づき
各国のローカル通貨を一斉にドルと交換する
という協調介入が実施されたことがある
世にいうプラザ合意である
その結果
過剰発行されたドルを売って円を買うと
土地の売買を手段とする
安全有利な投資が
日本市場で成り立つ
という状態が生まれ出た
その推進役となってバブルを呷ったのが
投資コンサルタントの顔をした
所謂経済評論家たち
バブルの弊害が
僅か四年で余りにも大きなものとなっていったことから
土地価格の高騰状態を止めようとして
不動産融資に対する総量規制が実施されたのだ
各界の指導者たちはこの処方箋が
劇薬であることをまったく理解していなかった
安直な対策を
安易に実施してしまったことが
失われた10年と
それに続く後の低迷する10年を作り上げることとなった
バブルがはじけたのは1990年春のこと
来年の春には
丸二十年を経過する
この間に日本で起きたことの一切は
誤った政治判断を下した
当時の政治指導者たちの責に帰す
経済評論家たちはバブル崩壊後
一斉にその口を噤み
街から自称ケインジアンたちが
完全に消え失せた
ケインズの理論に誤りがあった訳では決してない
下された政策判断の方に重大な誤りがあったのだ
国家が直面するさまざまな困難は
淵源を求めて川を遡ると
そこへと辿りつく
無知が招いた単純な事案だったのだが
当事者たちにはその自覚がまったくない
日本の不幸はここに根本的な種をもつ
蒙昧という指導者たちの症状は
未だに続いている
反省の不在がその証拠
貧困と就職難は
当然すぎるほど当然の帰結であった
日本の再生を急ぐには
ドル売り円買いの圧力を利用して
日本で流入資本が長期滞在できるよう
投資基盤を整えてやる必要があったのだ
有効な投資先が日本になくなっていたということが
流入してきたドルの
本国への帰還を急がせている
この流出段階で円が売られてドルが一時的に高くなると
価値の上がったドルを
世界中から回収するメリットが生まれ
価値の下がって魅力を増した円が
繰り返し買われる
というサイクルを成り立たせるようになっている
日本市場は
ドルに付着した過剰流動性という汚れを落とす目的で
アメリカとドル資本に利益を同時に与えるための
洗濯工場にさせられている
ということになるはなし
現実の状況すらこの国の指導者たちは理解できずにいたのだから
繁栄がこの国に再び訪れるはずはなかった
分かってしまえば実に愚かで
救い難い不毛なことであった
モンダイのもつ意味が分かっていないと
同じ経過を何度でも果てしなく繰り返す
そして次第に国を衰弱させていく
現実の相に思い当たる節はないだろうか
ドル資本の活用法を生み出してやれば
資本の還流は起きない
再投資へと向かう太い流れができるのだから
ドル資本はホリエモンを使って
投資市場の再育成を試みたことがあった
だがそれは失敗に終わっている
利益の回収を急ぎ過ぎたことが
違法行為へと
ホリエモンを奔らせることになったからだった
ドル資本は
過剰流動性を日本で捨て去りながら
投資効率を高めるという役割をこれからも果たさなければならない
石油の価格が上がるとドルの需要も連動して増加する
また地下資源の需要水準が高まることでも
決済通貨であるドルの需要は同じ比率で高まる
ドルを供給しなければドル高が募り
供給し過ぎれば過剰流動性の始末が急務となる
ドルと石油との間で生じるドル余り現象は
ドル安政策と密接不可分の関係にある
ドルを売って特定の外貨を買う行為は
その解消を目的としたものであった
先進諸国にドルを売りつけると
当該国の政府は独自の通貨を売ることによって
ドルの通貨価値を買い支えなければならなくなっていた
この時に買い取ったドルを
外貨準備高という
ドルの安全な運用先は
米国債と相場が決まっている
このことから
ドル資本が過剰流動性をどこかの国に売りつければ
アメリカの国債が自動的に売れるようになるシステムができていた
アメリカにある抜きがたい赤字体質は
長期債の買い手が支えているということなのだ
すべてのことには限界が設けられている
この状況が
いつまでも続けられると米政府は思うべきではない
道の選択を誤ると
最後まで祟ることになっている
問題の所在に気付いたとき
有効解は手の届く距離にある
止まることさえできなくなっている
軍拡をやむを得ないとする姿勢は
緊張をより高め
いつ果てるとも知れない
力の競争を当事国に強いるのみ
その累は周辺諸国にまで及び
経済成長を犠牲にして
軍事力の強さ
高さを
誇示する状態から
あらゆる国家を離れられなくする
安全を力に頼って維持しようとするのは
最悪の結果を生む行為
繁栄を誇示して
豊かさを
どこよりも先に
手に入れることが
世界の手本となる国を作るただ一つの
道
バブル期の日本がそうであった
ソ連の指導者たちに
計画経済の限界を突き付けたのは
突出した隣国の繁栄ぶりだったのだ
その後
チャンスは何度も日本市場へとやってきていたのだが
繁栄を導くことは
ついに
できなかった
円高は
ドルの過剰流入
という経過と一対になっている
ここが分かっていないと
ドル資本の手に
日本の富を欲するがまま与え
それを持ち去らせるという結果を生む
国の貧困化には訳がある
ドルと交換に与えた円の最初の使い道は
85年秋以降
不動産市場へと流れ込んでいったのだった
土地の価格は絶対に下がらない
という神話を梃子に
ドル安政策を推進する必要のあったアメリカの要望で
G5の合意に基づき
各国のローカル通貨を一斉にドルと交換する
という協調介入が実施されたことがある
世にいうプラザ合意である
その結果
過剰発行されたドルを売って円を買うと
土地の売買を手段とする
安全有利な投資が
日本市場で成り立つ
という状態が生まれ出た
その推進役となってバブルを呷ったのが
投資コンサルタントの顔をした
所謂経済評論家たち
バブルの弊害が
僅か四年で余りにも大きなものとなっていったことから
土地価格の高騰状態を止めようとして
不動産融資に対する総量規制が実施されたのだ
各界の指導者たちはこの処方箋が
劇薬であることをまったく理解していなかった
安直な対策を
安易に実施してしまったことが
失われた10年と
それに続く後の低迷する10年を作り上げることとなった
バブルがはじけたのは1990年春のこと
来年の春には
丸二十年を経過する
この間に日本で起きたことの一切は
誤った政治判断を下した
当時の政治指導者たちの責に帰す
経済評論家たちはバブル崩壊後
一斉にその口を噤み
街から自称ケインジアンたちが
完全に消え失せた
ケインズの理論に誤りがあった訳では決してない
下された政策判断の方に重大な誤りがあったのだ
国家が直面するさまざまな困難は
淵源を求めて川を遡ると
そこへと辿りつく
無知が招いた単純な事案だったのだが
当事者たちにはその自覚がまったくない
日本の不幸はここに根本的な種をもつ
蒙昧という指導者たちの症状は
未だに続いている
反省の不在がその証拠
貧困と就職難は
当然すぎるほど当然の帰結であった
日本の再生を急ぐには
ドル売り円買いの圧力を利用して
日本で流入資本が長期滞在できるよう
投資基盤を整えてやる必要があったのだ
有効な投資先が日本になくなっていたということが
流入してきたドルの
本国への帰還を急がせている
この流出段階で円が売られてドルが一時的に高くなると
価値の上がったドルを
世界中から回収するメリットが生まれ
価値の下がって魅力を増した円が
繰り返し買われる
というサイクルを成り立たせるようになっている
日本市場は
ドルに付着した過剰流動性という汚れを落とす目的で
アメリカとドル資本に利益を同時に与えるための
洗濯工場にさせられている
ということになるはなし
現実の状況すらこの国の指導者たちは理解できずにいたのだから
繁栄がこの国に再び訪れるはずはなかった
分かってしまえば実に愚かで
救い難い不毛なことであった
モンダイのもつ意味が分かっていないと
同じ経過を何度でも果てしなく繰り返す
そして次第に国を衰弱させていく
現実の相に思い当たる節はないだろうか
ドル資本の活用法を生み出してやれば
資本の還流は起きない
再投資へと向かう太い流れができるのだから
ドル資本はホリエモンを使って
投資市場の再育成を試みたことがあった
だがそれは失敗に終わっている
利益の回収を急ぎ過ぎたことが
違法行為へと
ホリエモンを奔らせることになったからだった
ドル資本は
過剰流動性を日本で捨て去りながら
投資効率を高めるという役割をこれからも果たさなければならない
石油の価格が上がるとドルの需要も連動して増加する
また地下資源の需要水準が高まることでも
決済通貨であるドルの需要は同じ比率で高まる
ドルを供給しなければドル高が募り
供給し過ぎれば過剰流動性の始末が急務となる
ドルと石油との間で生じるドル余り現象は
ドル安政策と密接不可分の関係にある
ドルを売って特定の外貨を買う行為は
その解消を目的としたものであった
先進諸国にドルを売りつけると
当該国の政府は独自の通貨を売ることによって
ドルの通貨価値を買い支えなければならなくなっていた
この時に買い取ったドルを
外貨準備高という
ドルの安全な運用先は
米国債と相場が決まっている
このことから
ドル資本が過剰流動性をどこかの国に売りつければ
アメリカの国債が自動的に売れるようになるシステムができていた
アメリカにある抜きがたい赤字体質は
長期債の買い手が支えているということなのだ
すべてのことには限界が設けられている
この状況が
いつまでも続けられると米政府は思うべきではない
道の選択を誤ると
最後まで祟ることになっている
問題の所在に気付いたとき
有効解は手の届く距離にある