こ と の 端

散文でロジックを
環境 経済 エネルギー 電気 教育 などの "E" に関するちょっと気になったこと

貧 困 過 程 ①

2010-12-19 08:39:11 | Weblog
世界はどこまでも道を誤り続け

止まることさえできなくなっている

軍拡をやむを得ないとする姿勢は

緊張をより高め

いつ果てるとも知れない
 
力の競争を当事国に強いるのみ


その累は周辺諸国にまで及び

経済成長を犠牲にして

軍事力の強さ

高さを

誇示する状態から

あらゆる国家を離れられなくする


安全を力に頼って維持しようとするのは

最悪の結果を生む行為

繁栄を誇示して

豊かさを

どこよりも先に

手に入れることが

世界の手本となる国を作るただ一つの




バブル期の日本がそうであった

ソ連の指導者たちに

計画経済の限界を突き付けたのは

突出した隣国の繁栄ぶりだったのだ


その後

チャンスは何度も日本市場へとやってきていたのだが

繁栄を導くことは

ついに

できなかった

円高は

ドルの過剰流入

という経過と一対になっている

ここが分かっていないと

ドル資本の手に

日本の富を欲するがまま与え

それを持ち去らせるという結果を生む


国の貧困化には訳がある


ドルと交換に与えた円の最初の使い道は

85年秋以降

不動産市場へと流れ込んでいったのだった

土地の価格は絶対に下がらない

という神話を梃子に

ドル安政策を推進する必要のあったアメリカの要望で

G5の合意に基づき

各国のローカル通貨を一斉にドルと交換する

という協調介入が実施されたことがある

世にいうプラザ合意である


その結果

過剰発行されたドルを売って円を買うと

土地の売買を手段とする

安全有利な投資が

日本市場で成り立つ

という状態が生まれ出た

その推進役となってバブルを呷ったのが

投資コンサルタントの顔をした

所謂経済評論家たち



バブルの弊害が

僅か四年で余りにも大きなものとなっていったことから

土地価格の高騰状態を止めようとして

不動産融資に対する総量規制が実施されたのだ

各界の指導者たちはこの処方箋が

劇薬であることをまったく理解していなかった

安直な対策を

安易に実施してしまったことが

失われた10年と

それに続く後の低迷する10年を作り上げることとなった


バブルがはじけたのは1990年春のこと

来年の春には

丸二十年を経過する


この間に日本で起きたことの一切は

誤った政治判断を下した

当時の政治指導者たちの責に帰す

経済評論家たちはバブル崩壊後

一斉にその口を噤み

街から自称ケインジアンたちが

完全に消え失せた

ケインズの理論に誤りがあった訳では決してない

下された政策判断の方に重大な誤りがあったのだ

国家が直面するさまざまな困難は

淵源を求めて川を遡ると

そこへと辿りつく

無知が招いた単純な事案だったのだが

当事者たちにはその自覚がまったくない

日本の不幸はここに根本的な種をもつ


蒙昧という指導者たちの症状は

未だに続いている

反省の不在がその証拠

貧困と就職難は

当然すぎるほど当然の帰結であった


日本の再生を急ぐには

ドル売り円買いの圧力を利用して

日本で流入資本が長期滞在できるよう

投資基盤を整えてやる必要があったのだ

有効な投資先が日本になくなっていたということが

流入してきたドルの

本国への帰還を急がせている


この流出段階で円が売られてドルが一時的に高くなると

価値の上がったドルを

世界中から回収するメリットが生まれ

価値の下がって魅力を増した円が

繰り返し買われる

というサイクルを成り立たせるようになっている


日本市場は

ドルに付着した過剰流動性という汚れを落とす目的で

アメリカとドル資本に利益を同時に与えるための

洗濯工場にさせられている

ということになるはなし


現実の状況すらこの国の指導者たちは理解できずにいたのだから

繁栄がこの国に再び訪れるはずはなかった

分かってしまえば実に愚かで

救い難い不毛なことであった

モンダイのもつ意味が分かっていないと

同じ経過を何度でも果てしなく繰り返す

そして次第に国を衰弱させていく

現実の相に思い当たる節はないだろうか


ドル資本の活用法を生み出してやれば

資本の還流は起きない

再投資へと向かう太い流れができるのだから


ドル資本はホリエモンを使って

投資市場の再育成を試みたことがあった

だがそれは失敗に終わっている

利益の回収を急ぎ過ぎたことが

違法行為へと

ホリエモンを奔らせることになったからだった


ドル資本は

過剰流動性を日本で捨て去りながら

投資効率を高めるという役割をこれからも果たさなければならない

石油の価格が上がるとドルの需要も連動して増加する

また地下資源の需要水準が高まることでも

決済通貨であるドルの需要は同じ比率で高まる

ドルを供給しなければドル高が募り

供給し過ぎれば過剰流動性の始末が急務となる


ドルと石油との間で生じるドル余り現象は

ドル安政策と密接不可分の関係にある

ドルを売って特定の外貨を買う行為は

その解消を目的としたものであった

先進諸国にドルを売りつけると

当該国の政府は独自の通貨を売ることによって

ドルの通貨価値を買い支えなければならなくなっていた

この時に買い取ったドルを

外貨準備高という

ドルの安全な運用先は

米国債と相場が決まっている

このことから

ドル資本が過剰流動性をどこかの国に売りつければ

アメリカの国債が自動的に売れるようになるシステムができていた


アメリカにある抜きがたい赤字体質は

長期債の買い手が支えているということなのだ

すべてのことには限界が設けられている

この状況が

いつまでも続けられると米政府は思うべきではない


道の選択を誤ると

最後まで祟ることになっている

問題の所在に気付いたとき

有効解は手の届く距離にある
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