ドルを買ったことのある国は
売り渡した自国通貨を手段とする
ドル資本と呼ばれる一群からの
買収攻勢に晒される
資本を無駄に放置しておく余裕など
どこにもない
時 は カネ
ドルを売って得た外貨を有効利用するには
その国の市場に投資する以外の方法は ない
当該国の経済に活力があって
安定した成長を続けている限り
再投資の波が
還流する波よりも
総体的に増えてゆく
外国資本を経済成長に活かした国は
流動性の厚みを増やす循環にはいり
経済成長が低迷を続けている国では
利潤の回収を効率よく進める負の循環へと落ち込む
その国の市場に滞留する流動性は
時とともに
次第に薄っぺらなものになっていく
この貧困の連鎖反応がはじまると
健全だった産業に活力は戻らず
消費市場はデフレへと向かう落とし穴に嵌り込む
ドルを売って外貨を得た組織には
その通貨を使って
ドルを調達した金利よりも多くの利潤を
その国の市場から獲得してこなければならない
他人の資本でビジネスを行っている組織なのだから
投資家に還元するための収益を
四半期ごとに
計上する義務を果たさなければ
企業としての成長は ない
この組織は
ドル資本
または
国際金融資本
などという名で呼ばれている
ドルの需要はいたるところにあり
その取引は一瞬ごとに
それぞれの通貨価値の移動という形となって
数字の上に表れる
ドルの供給を絞れば
通貨価値は跳ね上がる
ドルの供給に即座に応じれば
通貨価値の移動に大きな変化はない
成長力のある市場をもつ国に投資しようとすれば
その国の通貨を買って
ビジネスに繋げなければならない
ドルを売ることと引き換えに
外貨を大量に手に入れるのだから
ドル金利を上回る収益源を最低でも確保しなければならない
ドルを積極的に売る行為を
ドル安政策という
ドルを売り惜しめば
ドルの通貨価値は勝手に高まる
通貨間の価値の移動を
変動相場制に移行したときから
FRBは制御する役割を果たしていた
その主な手段のことを政策金利という
ドル安を目指すことがG5で合意されたのは
85年10月のこと
この取り決めはプラザ合意と呼ばれている
この時を境に
日本市場にドル資本が大挙して押し寄せてくるようになった
理由の分からない円高に政府日銀は苦しみ
やむを得ず円を供給することによって
ドルの価値を元の水準へと押し戻す方法を模索した
この時に円を売って入手したドルの総額を
外貨準備高という
国が保有するドル建ての資産の90%が
アメリカの公債になっている
アメリカが過剰供給したドルを
国際金融資本が日本への投資として仕向けると
ドルを売って円を買う流れが確定する
アメリカはドルの需要水準そのものを高めることにより
ドルの合法的な追加発行が行えるようになっていく
米国債の需要が増えるのだから
米政府には
その場で過剰流動性が直接戻されるような仕組みになっていた
債券の販売益は議会の承認手続きを経ずに
政府の裁量で自在に支出することが可能な資本となる
中東地域に大量の米軍を展開させておく費用を
増税せずに2001年以降から安定的に得ていたその理由は
ドル安政策の国際的な励行にあった
主に石油を買うためにドルに手を伸ばしてきた国々では
ドル資本による投資攻勢が活発化して
資産の買収がより強力に進められるようになる
獲得した収益を元の通貨であるドルに戻すことによって
アメリカ本国へとそれを返す富の太い流れが
国際経済の中に生み出されている
ドル資本がやってきた国の市場では
そこで回るべき流動性の厚みが失われていき
貧困が貧困を生むプロセスへとより深く落ち込んでいく
経済成長率が調達金利よりも高くなっている国では
利潤の一部を回収するだけで十分なリターンが確保できる
このため
残りを再投資へと回すほどの余裕があった
富の漏出が起きても
市場には十分な量の流動性が残されていた
日本では86年から90年春まで
そのような状態が顕著に続けられていた
プラザ合意の直後から
ドル安政策の結果として
ドル資本が陸続として押し寄せてきた
土地神話を生み出したバブル経済の最盛期が
まさに この時代
バブルが潰れて日本市場が低迷していたさなかに
ユーロ経済圏が96年に発足し
中国では資本制度を活用する方式の
一国両制というあたらしい共産主義体制が
資本を集約するという効果をより際立たせるようになっていた
日本の経済的低迷が
ドル資本による利潤の回収を急がせ
過剰流動性と呼ばれるドルの安全な捨て場所として
機能するようになったのは
丁度この頃のこと
ホリエモンがもてはやされていた時代は
ドル資本による過剰投資が市民権を得ようとして
マスコミを大いに賑わせていた
日本の貧困化が急速に進んだのは
イラク戦争を早期決着させるための戦費を調達する目的で
原油相場に資源の供給不安を呼びおこし
投機資金が集まるような戦術が横行していた時代
大統領はブッシュであり首相はコイズミだった
アメリカが希望するドル安政策を一層進める目的で
当時の内閣は外資導入政策を率先して採用する決定を行った
しかし
この選択は
外資の流入による市場の活性化を起こさなかった
逆に資産の流出を早め
日本市場をカネの回らない貧弱なものへと換えてしまったのである
外資系の保険会社が日本の市場へと食い込み
売り上げを急速に伸ばしていたのだったが
国民に還流させるべき資本の余沢が
大挙してアメリカへと流出していったことから
国民は生活の質を落とさざるを得なくなり
消費市場は一方的デフレへと陥ってしまうこととなった
労働市場の劣悪化というプロセスもこの頃に進んだもの
貧困は時の政権が行った政策の誤りに原因をもっている
昨年夏の政権選択の選挙結果は
当然すぎるほど当然の
酬いであった
政権が代わってもアメリカの通貨戦略に乗せられたままでいると
経済成長は緩慢な衰弱を続け
税収不足が財政政策を制約するような状況をより強める
国の赤字総額はほどなく千兆円の大台に達しようとしているのだが
その原因となったメカニズムを調査した事実はどこにもなく
ただ消費税を増税することにより
難局が常套手段で乗り切れる
と安直に決め込んでいる
この方法は赤字を累増させてきた方法そのものに
ひとしい
出血しているときに緊急に必要な処置は
止血なのだ
破れた血管に流動性を注入しても
それは貴重な資本を地へと捨てる行為
日本の現状は
このレベルにある
財務体質の劣化は国政の在り方にその原因をもっている
問題の抜本的解決は
ドルを基軸通貨としてきた制度そのものを見直すことで可能
欠陥のある個所からの出血を直ちに止めることだけが
喫緊の課題
有効な対策は他にない
売り渡した自国通貨を手段とする
ドル資本と呼ばれる一群からの
買収攻勢に晒される
資本を無駄に放置しておく余裕など
どこにもない
時 は カネ
ドルを売って得た外貨を有効利用するには
その国の市場に投資する以外の方法は ない
当該国の経済に活力があって
安定した成長を続けている限り
再投資の波が
還流する波よりも
総体的に増えてゆく
外国資本を経済成長に活かした国は
流動性の厚みを増やす循環にはいり
経済成長が低迷を続けている国では
利潤の回収を効率よく進める負の循環へと落ち込む
その国の市場に滞留する流動性は
時とともに
次第に薄っぺらなものになっていく
この貧困の連鎖反応がはじまると
健全だった産業に活力は戻らず
消費市場はデフレへと向かう落とし穴に嵌り込む
ドルを売って外貨を得た組織には
その通貨を使って
ドルを調達した金利よりも多くの利潤を
その国の市場から獲得してこなければならない
他人の資本でビジネスを行っている組織なのだから
投資家に還元するための収益を
四半期ごとに
計上する義務を果たさなければ
企業としての成長は ない
この組織は
ドル資本
または
国際金融資本
などという名で呼ばれている
ドルの需要はいたるところにあり
その取引は一瞬ごとに
それぞれの通貨価値の移動という形となって
数字の上に表れる
ドルの供給を絞れば
通貨価値は跳ね上がる
ドルの供給に即座に応じれば
通貨価値の移動に大きな変化はない
成長力のある市場をもつ国に投資しようとすれば
その国の通貨を買って
ビジネスに繋げなければならない
ドルを売ることと引き換えに
外貨を大量に手に入れるのだから
ドル金利を上回る収益源を最低でも確保しなければならない
ドルを積極的に売る行為を
ドル安政策という
ドルを売り惜しめば
ドルの通貨価値は勝手に高まる
通貨間の価値の移動を
変動相場制に移行したときから
FRBは制御する役割を果たしていた
その主な手段のことを政策金利という
ドル安を目指すことがG5で合意されたのは
85年10月のこと
この取り決めはプラザ合意と呼ばれている
この時を境に
日本市場にドル資本が大挙して押し寄せてくるようになった
理由の分からない円高に政府日銀は苦しみ
やむを得ず円を供給することによって
ドルの価値を元の水準へと押し戻す方法を模索した
この時に円を売って入手したドルの総額を
外貨準備高という
国が保有するドル建ての資産の90%が
アメリカの公債になっている
アメリカが過剰供給したドルを
国際金融資本が日本への投資として仕向けると
ドルを売って円を買う流れが確定する
アメリカはドルの需要水準そのものを高めることにより
ドルの合法的な追加発行が行えるようになっていく
米国債の需要が増えるのだから
米政府には
その場で過剰流動性が直接戻されるような仕組みになっていた
債券の販売益は議会の承認手続きを経ずに
政府の裁量で自在に支出することが可能な資本となる
中東地域に大量の米軍を展開させておく費用を
増税せずに2001年以降から安定的に得ていたその理由は
ドル安政策の国際的な励行にあった
主に石油を買うためにドルに手を伸ばしてきた国々では
ドル資本による投資攻勢が活発化して
資産の買収がより強力に進められるようになる
獲得した収益を元の通貨であるドルに戻すことによって
アメリカ本国へとそれを返す富の太い流れが
国際経済の中に生み出されている
ドル資本がやってきた国の市場では
そこで回るべき流動性の厚みが失われていき
貧困が貧困を生むプロセスへとより深く落ち込んでいく
経済成長率が調達金利よりも高くなっている国では
利潤の一部を回収するだけで十分なリターンが確保できる
このため
残りを再投資へと回すほどの余裕があった
富の漏出が起きても
市場には十分な量の流動性が残されていた
日本では86年から90年春まで
そのような状態が顕著に続けられていた
プラザ合意の直後から
ドル安政策の結果として
ドル資本が陸続として押し寄せてきた
土地神話を生み出したバブル経済の最盛期が
まさに この時代
バブルが潰れて日本市場が低迷していたさなかに
ユーロ経済圏が96年に発足し
中国では資本制度を活用する方式の
一国両制というあたらしい共産主義体制が
資本を集約するという効果をより際立たせるようになっていた
日本の経済的低迷が
ドル資本による利潤の回収を急がせ
過剰流動性と呼ばれるドルの安全な捨て場所として
機能するようになったのは
丁度この頃のこと
ホリエモンがもてはやされていた時代は
ドル資本による過剰投資が市民権を得ようとして
マスコミを大いに賑わせていた
日本の貧困化が急速に進んだのは
イラク戦争を早期決着させるための戦費を調達する目的で
原油相場に資源の供給不安を呼びおこし
投機資金が集まるような戦術が横行していた時代
大統領はブッシュであり首相はコイズミだった
アメリカが希望するドル安政策を一層進める目的で
当時の内閣は外資導入政策を率先して採用する決定を行った
しかし
この選択は
外資の流入による市場の活性化を起こさなかった
逆に資産の流出を早め
日本市場をカネの回らない貧弱なものへと換えてしまったのである
外資系の保険会社が日本の市場へと食い込み
売り上げを急速に伸ばしていたのだったが
国民に還流させるべき資本の余沢が
大挙してアメリカへと流出していったことから
国民は生活の質を落とさざるを得なくなり
消費市場は一方的デフレへと陥ってしまうこととなった
労働市場の劣悪化というプロセスもこの頃に進んだもの
貧困は時の政権が行った政策の誤りに原因をもっている
昨年夏の政権選択の選挙結果は
当然すぎるほど当然の
酬いであった
政権が代わってもアメリカの通貨戦略に乗せられたままでいると
経済成長は緩慢な衰弱を続け
税収不足が財政政策を制約するような状況をより強める
国の赤字総額はほどなく千兆円の大台に達しようとしているのだが
その原因となったメカニズムを調査した事実はどこにもなく
ただ消費税を増税することにより
難局が常套手段で乗り切れる
と安直に決め込んでいる
この方法は赤字を累増させてきた方法そのものに
ひとしい
出血しているときに緊急に必要な処置は
止血なのだ
破れた血管に流動性を注入しても
それは貴重な資本を地へと捨てる行為
日本の現状は
このレベルにある
財務体質の劣化は国政の在り方にその原因をもっている
問題の抜本的解決は
ドルを基軸通貨としてきた制度そのものを見直すことで可能
欠陥のある個所からの出血を直ちに止めることだけが
喫緊の課題
有効な対策は他にない