こ と の 端

散文でロジックを
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偕 老 同 穴

2009-02-10 05:43:07 | Weblog
ドル経済圏を基盤とする資本主義が残したものは 

信用収縮という経過を伴う不良債権の山脈だった

世界中の国々が

ドル通貨を前提とするIMF体制に組み込まれ

市場経済の美名の下に

アメリカにだけ富を積み上げる枠組みの構築へと

こぞって参加していったのだった


アメリカは石油を必要とする国にはドルで決済することを条件に

惜しみなく

その取引き行為を許してきた

ドルの需要が増えることは

ドル建ての資産が増えるということ

を意味していたからである


アメリカの繁栄は

ドルを求めてやってきたあらゆる国の通貨によって齎されたもの

基軸通貨となったドルを提供するだけで

その他の国の通貨が自動的に手に入る仕掛けが作られていた

ドルを供給した組織は

応分の価値を持つ外貨を手に入れ

当該国の市場でこれを積極的に運用することによって

獲得した収益を

悉く

米本国へと送金するようになっていった


ドルを買った国では

ドル資本に利益を吸い上げられていったことにより

カネの回らない市場となることを強制される


これが

ドル資本がやってくると

国が貧しくなる

というメカニズムの実態にあったもの


エネルギー資源を買うことが

アメリカを富ませて

自らの国と国民を貧困の淵へと追いやったのだ

南北問題とは

このようにして生み出されてきた もの

十分な資産をもたない南側に位置する国の多くが

真っ先に干上がってしまったことで

貧困化した国と

富の移転を引き受けた北側に位置する国との間に乖離が生じ

その幅がどんどん拡大するようになっていったことで

語源となった貧富の差現象を生み出したのだ


ドルを発行すればするほど

アメリカの得る富は増幅する

このからくりに誰も気づかなかったということが

原因者であったアメリカという国に

金融システムを破綻させるという最終結果を与えたのだった


ドルの追加発行を可能ならしめるには

石油価格の上昇を促せばよい

破局の直前には

原油相場の極端な急上昇がおきていたことを忘れてはならない


この石油とドルとの間にできていた相関関係を知っていたら

イラクへの侵攻の準備が進められるようになったあとで

原油相場の上昇が始まっていたというその経過から 

アメリカの懐いていた思惑というものが

明瞭にみえるようになっていなければならない


五年以上に亘って原油価格を引き上げ続けてきたのだったから

ドルは世界中で大きく余りだすようになってしまったのである

その一部がサブプライムローンの市場へと流入し

一時は 市場創出に成功したかにみえたのだったが

利益の回収を急いだ金融資本が

僅か2年で利息を引き上げる決定を実行してしまったため

収入が伸びていなかった低所得者にとっては

債務の不履行を強制されるという拙い結果だけが残されたのだった


過剰発行されたドルの巨大さは

みえないところで

不良債権を何層倍にも嵩上げするほどの規模になっていた


多くの債務者が支払い困難に陥ったことから

債権者自体も大量の不良債権を抱え込んでしまうこととなった

金融資本そのものがデフォルトを引き起こしたために

今回の金融危機が惹き起こされた

信用収縮はその結果として二次生成したもの

症状の一つに過ぎない

問題は

不良債権の規模が誰にも予想できないほど

巨額なものであったということ


資金の出し手であった銀行を

救済する方向で調整が進められているのだが

この方法は

日本で先行していた事例でもあった


その結果

日本経済の回復にどれほど多くの時間を要したのか

という記録をみれば

アメリカ経済が今後どうなってゆくのかという大体の予測が たつ

ただし

日本の場合は

中国という巨大な消費市場に支えられていたのに対し

今回の米国のケースでは 

世界中が不況という病に苦しんでいるという違いが 存する

この差を統計的に処理する有効な変数があればよいのだが

その可能性は

とても 

低い

運命共同体は 死なばもろともという関係にある


前大統領ブッシュの心がけの悪さというものが

世界同時不況という結末を

地表へと与えたのだった


※ 夫に殉じなかった妻を その昔 未亡人と呼んだ
  未だ 亡びざる ひと という意味からだ
  アメリカの経済は終焉を迎えたのだが
  生き残りを図ろうとする未亡人国家の代表が集い
  対策を話し合うようになった
  それは G20 と呼ばれている
  これからの国際経済は 未亡人国家の代表である日本が
  創り上げていかなければならない
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