
五輪自転車コース、全容決定 男子は1都3県を通過:日本経済新聞 https://t.co/1Qli0mddPC
— Naoya Sano (@109Yoroshiku) 2018年8月9日
2018/8/9 19:15
2020年東京五輪の自転車ロードレースについて、大会組織委員会は9日、武蔵野の森公園(東京都調布市など)を出発し、富士スピードウェイ(静岡県小山町)をゴールとするコースの全容を発表した。距離は男子が約244キロ、女子は約147キロ(いずれも10キロのパレード走行を含む)。後半に富士山周辺の起伏のあるルートを通る、難易度の高いコースになったとしている。
男子は東京都と神奈川、山梨、静岡の3県の15市町村を通る。東京都西南部の多摩ニュータウンや山中湖を経て富士山麓に入り、静岡県裾野市でコース中で最高の標高1451メートル地点を通過。女子も山中湖までは男子と同じコースで1都3県の13市町村を通る。ほぼ周回のない片道コースで、組織委によると過去の大会では例がないという。
自転車ロードのコースを巡っては、15年の国際オリンピック委員会(IOC)理事会で皇居外苑を発着する案が承認されたが、その後に国際自転車連合がコース全体の高低差の少なさなどを指摘。競技性や景観の美しさも重視し、組織委が富士山周辺を活用したコースへの変更を検討していた。
■競技会場なくとも「開催地」
2020年東京五輪の自転車ロードレースのコースは最大1都3県15市町村にまたがる。競技会場がなくても「開催地」となる自治体からは「自転車の聖地にしたい」と歓迎の声が上がった。住宅地や観光地の交通への影響などは課題で気を引き締める関係者もいた。
「より多くの自転車愛好家が訪れ、大いに盛り上がるはず」。山梨県山中湖村では、オリンピック推進室の小林正宏室長が歓迎の声を上げた。
山梨県は16年、自転車による来県者の増加を目指す「山梨サイクルネット構想」を策定。村も近年の自転車ブームが後押しし愛好家は増えている。小林室長は「五輪後も村が自転車の聖地となるようレガシー(遺産)を残したい」と意気込む。
静岡県側は富士山の麓を巡る。NPO「富士山ごてんばサイクリングプロジェクト」(御殿場市)の永井誠一代表(56)は「日本を象徴する富士山を望みながら一流選手が走る姿を観戦するのが楽しみ」と心待ちにする。5月には同市や周辺自治体の54.7キロを巡るイベントを企画。「若い世代のロードレースが盛り上がるきっかけになれば」と期待を寄せる。
ロードレースが市内で唯一の競技となる東京都多摩市でも、担当者は「市民に直接見てもらえる」と喜ぶ。ただ市内では多摩ニュータウンなど多くの人が暮らす住宅地も通る。交通規制時の救急車の運用など具体的な検討はこれからで「『負の遺産』と言われないよう丁寧に準備したい」と気を引き締めた。
行楽地の交通への影響は大きな課題だ。ゴール地点の富士スピードウェイがある静岡県小山町では大会期間中、夏の行楽シーズンと重なる。主要幹線道路は例年、富士山に向かう登山客や観光客で激しい渋滞が起きる。担当者は「組織委などと話し合い、迂回路への誘導や交通量の抑制策などを検討したい」としている。
当初のロードのコースは、皇居周辺を中心としたコースを周回する、ほとんど平坦なコースが予定されていたが、最終的に決定されたコースは、道志みち、富士山麓や三国峠といった、山岳カテゴリで言うところの、HC~1レベルという、アップダウンの激しい箇所が設けられる。
これは世界選手権で概ね行われるコース設定とあまり変わりがなく、オールラウンダー型の選手が有利になりそうだ。