【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(8月30日の動き) NHK 2024年8月30日 21時00分
ウクライナ軍の F16戦闘機墜落 原因究明の特別調査委員会設置
ウクライナ軍参謀本部は29日、ロシア軍によるミサイル攻撃の迎撃にあたっていたF16戦闘機が墜落し、パイロットが死亡したと発表し、これを受けてウクライナ国防省は特別調査委員会を設置し、原因を調べています。
墜落した原因について、アメリカメディア、「ボイス・オブ・アメリカ」のウクライナ語版は、ウクライナ空軍の関係者の話として、軍が運用する防空ミサイルの誤射や技術的なトラブル、それにパイロットの操縦ミスなど、さまざまな可能性を視野に調査が進められていると伝えています。
一方、アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は、数に限りのあるF16とパイロットの損失は、ウクライナ側にとって防空システム網の運用や空から地上部隊への支援の面で、深刻な影響を与えると指摘しています。
欧米メディアによりますと、ウクライナに欧米から供与されたF16は6機から10機ほどにとどまりますが、これまでロシア軍による無人機やミサイル攻撃への探知や排除にあたり、ウクライナ軍の防空能力の向上につながると、専門家の間で指摘されていました。
キーウ市民 “戦況への影響 最小限にしてほしい”
ウクライナ軍のF16戦闘機がロシア軍との戦闘中に墜落したことについて、首都キーウの市民は、亡くなったパイロットを惜しむとともに再発を防いで、戦況への影響を最小限にしてほしいと願っていました。
このうちキーウ市内でカフェを経営する女性は、「大きな悲劇だ。とてもとても残念に思う」と話し、ウクライナにとって大きな損失だとしています。
その上で「なにが起きたのかわれわれが理解できるように、今後、なんらかの説明がされるのではないか」と話し、ウクライナ軍が進めている調査の結果を待ちたいとしています。
また、キーウ市内で働く男性は、「パイロットの命が奪われたことが残念だ」と述べロシア軍の攻撃からウクライナを守ってくれたパイロットに哀悼の意を示していました。
そして「F16は敵と戦うためにきちんと活用され、このような大惨事がもう起こらないことを願っている」と話し、再発を防いで戦況への影響を最小限にしてほしいと願っていました。
ロシア側の地元政府 “有志による部隊 独自創設”と発表
ウクライナ軍がロシア領内での越境攻撃を続ける中、ロシア側の地元政府が地域の安全を確保するためとして、有志による部隊を独自に創設すると発表しました。
これについてアメリカのシンクタンクは、プーチン大統領がウクライナ軍による越境攻撃に対応するため、大規模な兵力の再配置を行う意向がないことを示していると指摘しています。
ウクライナ軍がロシア西部のクルスク州に大規模な越境攻撃を開始してから、来週で1か月となります。
こうした中、ロシア・クルスク州の知事代行は29日、SNSを通じて有志による新たな部隊を独自に創設すると発表しました。
隊員は訓練を受けて武器を供与され、ロシア軍と連携しながらインフラの警備などの任務にあたり、地域の安全を確保するとしています。
州独自の部隊の創設について、アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は「プーチン大統領が社会の不満が高まるのを嫌って、追加の動員を行わないことや、ウクライナ東部でロシア軍が続けている作戦に支障をきたす可能性があるため、大規模な兵力の再配置を行う意向がないことを示している」と指摘しています。
一方、ロシアの独立系の世論調査機関「レバダセンター」は29日、ロシア国内の最新の世論調査の結果を発表しました。
それによりますと、プーチン大統領を「支持する」と答えた人の割合は85%でほぼ横ばいで「支持しない」の12%を大きく上回り、高い支持を維持していることが伺えます。
ウクライナ “いまでも交渉は可能”2割 シンクタンク世論調査
ウクライナでは29日、ロシアのプーチン政権との和平交渉をめぐってポドリャク大統領府顧問がSNSで「現時点でむだだ」と述べたほか、国防省のブダノフ情報総局長も「いかなる妥協もわなだ」と述べるなど、政府の高官から否定的な意見が相次いで示されました。
こうした中、ウクライナにあるシンクタンク「民主イニシアチブ基金」は29日、8月8日から2000人以上の市民を対象に行った世論調査の結果を発表しました。
それによりますと、戦争終結に向けてロシアと交渉を始める条件について、「占領されたすべての領土を奪還すること」と回答した人は32%、「交渉はまったく不可能だ」と回答した人は18%でした。
一方、「いまでも交渉は可能だ」と答えた人は20%で、ロシアによる軍事侵攻が2年半を超えて長期化する中、戦争終結に向けた道筋を模索すべきだと考える人も一定数いることが分かりました。
プーチン大統領 9月にICC加盟国のモンゴルを公式訪問へ
ロシア大統領府は29日、プーチン大統領が9月3日にモンゴルを公式訪問すると発表しました。
今回の訪問は、1939年に旧日本軍とモンゴルを支援した旧ソビエト軍が武力衝突したノモンハン事件から85年となるのに合わせた式典に出席するためだとしています。
ロシアによるウクライナヘの軍事侵攻を受けて、ICC=国際刑事裁判所は、プーチン大統領に戦争犯罪の疑いで逮捕状を出していて、モンゴルはICC加盟国のため、プーチン大統領が入国した場合、逮捕する義務があります。
ただ、今回の訪問はモンゴル側からの招待によるものだということで、プーチン大統領を逮捕しないことで両国が事前に合意しているものとみられます。
ICCが2023年3月に逮捕状を出して以来、プーチン大統領が加盟国を訪問するのはこれが初めてです。
プーチン大統領は、2023年8月に南アフリカでBRICS=新興5か国の首脳会議が開かれた際、ICC加盟国である南アフリカを訪問するか注目されましたが、結局、対面での出席は見送っていました。
ウクライナ軍 F16戦闘機が墜落 米メディア「大きな打撃」
ウクライナ軍参謀本部は29日、ロシア軍によるミサイル攻撃に対応していたF16戦闘機が、交信が途絶えたあと墜落し、パイロットが死亡したと発表しました。
F16が欧米側から供与されて以降、ウクライナ軍が墜落を発表したのは初めてです。
この発表に先立ち、アメリカの有力紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」は、F16が墜落したのは8月26日で、原因については、アメリカ当局者の話として「敵に撃墜されたわけではないようだ」とした上で、F16の操縦経験が浅いパイロットを実戦に投入する危険性を指摘しています。
F16をめぐってウクライナ側は、ロシア軍と戦う上で不可欠だとして欧米側に供与を求め続けてきました。
ゼレンスキー大統領は8月4日、F16がウクライナに到着したことを発表したのに続いて、27日にはロシア軍による大規模攻撃を受けて戦闘任務に就いたことを明らかにしていました。
「ウォール・ストリート・ジャーナル」は、ウクライナにとって数少ないF16の1機を失ったことは「大きな打撃だ」と伝えています。
ロシア 石油製品生産量の統計の公表を停止 無人機攻撃相次ぐ中
ロシア連邦統計局は28日に公表した統計の中で、ディーゼル燃料や重油などの石油製品の生産量に関する月別の統計を公表しませんでした。
5月のガソリンの生産統計の公表停止に続くもので、連邦統計局は「ロシア政府の決定に基づく措置だ」としています。
地元メディアは「このような情報の開示によって市場操作が行われるおそれがある」とするエネルギー省の説明を伝えていて、生産量の低下による市場の混乱を防ぐ目的があるとみられます。
ロシアでは28日、ウクライナとの国境からおよそ1200キロ離れた中部キーロフ州などで石油貯蔵施設へのウクライナ軍の無人機による攻撃が相次いだと、地元の知事が明らかにしました。
イギリスの公共放送BBCは23日、ロシア国内やロシアが掌握しているウクライナの地域にある石油貯蔵施設や製油所へのウクライナ軍による攻撃は、ことしに入り少なくとも64回に上ったと伝えています。
ウクライナ軍の F16戦闘機墜落 原因究明の特別調査委員会設置
ウクライナ軍参謀本部は29日、ロシア軍によるミサイル攻撃の迎撃にあたっていたF16戦闘機が墜落し、パイロットが死亡したと発表し、これを受けてウクライナ国防省は特別調査委員会を設置し、原因を調べています。
墜落した原因について、アメリカメディア、「ボイス・オブ・アメリカ」のウクライナ語版は、ウクライナ空軍の関係者の話として、軍が運用する防空ミサイルの誤射や技術的なトラブル、それにパイロットの操縦ミスなど、さまざまな可能性を視野に調査が進められていると伝えています。
一方、アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は、数に限りのあるF16とパイロットの損失は、ウクライナ側にとって防空システム網の運用や空から地上部隊への支援の面で、深刻な影響を与えると指摘しています。
欧米メディアによりますと、ウクライナに欧米から供与されたF16は6機から10機ほどにとどまりますが、これまでロシア軍による無人機やミサイル攻撃への探知や排除にあたり、ウクライナ軍の防空能力の向上につながると、専門家の間で指摘されていました。
キーウ市民 “戦況への影響 最小限にしてほしい”
ウクライナ軍のF16戦闘機がロシア軍との戦闘中に墜落したことについて、首都キーウの市民は、亡くなったパイロットを惜しむとともに再発を防いで、戦況への影響を最小限にしてほしいと願っていました。
このうちキーウ市内でカフェを経営する女性は、「大きな悲劇だ。とてもとても残念に思う」と話し、ウクライナにとって大きな損失だとしています。
その上で「なにが起きたのかわれわれが理解できるように、今後、なんらかの説明がされるのではないか」と話し、ウクライナ軍が進めている調査の結果を待ちたいとしています。
また、キーウ市内で働く男性は、「パイロットの命が奪われたことが残念だ」と述べロシア軍の攻撃からウクライナを守ってくれたパイロットに哀悼の意を示していました。
そして「F16は敵と戦うためにきちんと活用され、このような大惨事がもう起こらないことを願っている」と話し、再発を防いで戦況への影響を最小限にしてほしいと願っていました。
ロシア側の地元政府 “有志による部隊 独自創設”と発表
ウクライナ軍がロシア領内での越境攻撃を続ける中、ロシア側の地元政府が地域の安全を確保するためとして、有志による部隊を独自に創設すると発表しました。
これについてアメリカのシンクタンクは、プーチン大統領がウクライナ軍による越境攻撃に対応するため、大規模な兵力の再配置を行う意向がないことを示していると指摘しています。
ウクライナ軍がロシア西部のクルスク州に大規模な越境攻撃を開始してから、来週で1か月となります。
こうした中、ロシア・クルスク州の知事代行は29日、SNSを通じて有志による新たな部隊を独自に創設すると発表しました。
隊員は訓練を受けて武器を供与され、ロシア軍と連携しながらインフラの警備などの任務にあたり、地域の安全を確保するとしています。
州独自の部隊の創設について、アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は「プーチン大統領が社会の不満が高まるのを嫌って、追加の動員を行わないことや、ウクライナ東部でロシア軍が続けている作戦に支障をきたす可能性があるため、大規模な兵力の再配置を行う意向がないことを示している」と指摘しています。
一方、ロシアの独立系の世論調査機関「レバダセンター」は29日、ロシア国内の最新の世論調査の結果を発表しました。
それによりますと、プーチン大統領を「支持する」と答えた人の割合は85%でほぼ横ばいで「支持しない」の12%を大きく上回り、高い支持を維持していることが伺えます。
ウクライナ “いまでも交渉は可能”2割 シンクタンク世論調査
ウクライナでは29日、ロシアのプーチン政権との和平交渉をめぐってポドリャク大統領府顧問がSNSで「現時点でむだだ」と述べたほか、国防省のブダノフ情報総局長も「いかなる妥協もわなだ」と述べるなど、政府の高官から否定的な意見が相次いで示されました。
こうした中、ウクライナにあるシンクタンク「民主イニシアチブ基金」は29日、8月8日から2000人以上の市民を対象に行った世論調査の結果を発表しました。
それによりますと、戦争終結に向けてロシアと交渉を始める条件について、「占領されたすべての領土を奪還すること」と回答した人は32%、「交渉はまったく不可能だ」と回答した人は18%でした。
一方、「いまでも交渉は可能だ」と答えた人は20%で、ロシアによる軍事侵攻が2年半を超えて長期化する中、戦争終結に向けた道筋を模索すべきだと考える人も一定数いることが分かりました。
プーチン大統領 9月にICC加盟国のモンゴルを公式訪問へ
ロシア大統領府は29日、プーチン大統領が9月3日にモンゴルを公式訪問すると発表しました。
今回の訪問は、1939年に旧日本軍とモンゴルを支援した旧ソビエト軍が武力衝突したノモンハン事件から85年となるのに合わせた式典に出席するためだとしています。
ロシアによるウクライナヘの軍事侵攻を受けて、ICC=国際刑事裁判所は、プーチン大統領に戦争犯罪の疑いで逮捕状を出していて、モンゴルはICC加盟国のため、プーチン大統領が入国した場合、逮捕する義務があります。
ただ、今回の訪問はモンゴル側からの招待によるものだということで、プーチン大統領を逮捕しないことで両国が事前に合意しているものとみられます。
ICCが2023年3月に逮捕状を出して以来、プーチン大統領が加盟国を訪問するのはこれが初めてです。
プーチン大統領は、2023年8月に南アフリカでBRICS=新興5か国の首脳会議が開かれた際、ICC加盟国である南アフリカを訪問するか注目されましたが、結局、対面での出席は見送っていました。
ウクライナ軍 F16戦闘機が墜落 米メディア「大きな打撃」
ウクライナ軍参謀本部は29日、ロシア軍によるミサイル攻撃に対応していたF16戦闘機が、交信が途絶えたあと墜落し、パイロットが死亡したと発表しました。
F16が欧米側から供与されて以降、ウクライナ軍が墜落を発表したのは初めてです。
この発表に先立ち、アメリカの有力紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」は、F16が墜落したのは8月26日で、原因については、アメリカ当局者の話として「敵に撃墜されたわけではないようだ」とした上で、F16の操縦経験が浅いパイロットを実戦に投入する危険性を指摘しています。
F16をめぐってウクライナ側は、ロシア軍と戦う上で不可欠だとして欧米側に供与を求め続けてきました。
ゼレンスキー大統領は8月4日、F16がウクライナに到着したことを発表したのに続いて、27日にはロシア軍による大規模攻撃を受けて戦闘任務に就いたことを明らかにしていました。
「ウォール・ストリート・ジャーナル」は、ウクライナにとって数少ないF16の1機を失ったことは「大きな打撃だ」と伝えています。
ロシア 石油製品生産量の統計の公表を停止 無人機攻撃相次ぐ中
ロシア連邦統計局は28日に公表した統計の中で、ディーゼル燃料や重油などの石油製品の生産量に関する月別の統計を公表しませんでした。
5月のガソリンの生産統計の公表停止に続くもので、連邦統計局は「ロシア政府の決定に基づく措置だ」としています。
地元メディアは「このような情報の開示によって市場操作が行われるおそれがある」とするエネルギー省の説明を伝えていて、生産量の低下による市場の混乱を防ぐ目的があるとみられます。
ロシアでは28日、ウクライナとの国境からおよそ1200キロ離れた中部キーロフ州などで石油貯蔵施設へのウクライナ軍の無人機による攻撃が相次いだと、地元の知事が明らかにしました。
イギリスの公共放送BBCは23日、ロシア国内やロシアが掌握しているウクライナの地域にある石油貯蔵施設や製油所へのウクライナ軍による攻撃は、ことしに入り少なくとも64回に上ったと伝えています。