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『残暑バテ』:冷たい食べ物の過剰摂取 → 消化酵素の働きを低下:エアコンが効いた部屋に長居 → 自律神経がうまく働かなくなる

2024-09-05 07:00:00 | 災害情報
9月も暑い? “残暑バテ”対策どうすれば NHK 2024年9月4日 18時35分

最高気温40度以上を観測するなど、猛烈な暑さが続いた、ことしの夏。

体調を崩してしまった、という方もいたのではないでしょうか。

暑さは9月も続く見通しですが、日中と朝晩の寒暖差も出てくるこれからの時期にはこれまでと違った注意も必要になります。

どう過ごしたらいいのでしょうか。

“残暑バテ”に注意?!
9月に入り、専門家はこれからの時期の過ごし方として注意が必要な点があると指摘しています。

それが、“残暑バテ”です。

熱中症対策に詳しい済生会横浜市東部病院の谷口英喜医師
谷口医師
例年、「夏バテ」とか「残暑バテ」という言葉で言われることがありますけれども暑さに備えた対策によって逆に、体調を崩しやすくなってしまうことがあります。

谷口医師が指摘する「残暑バテ」の主な症状です。

熱中症になってしまったときは冷たい物をとるべきですが、私たちの胃腸にある消化液は37度という体温に近い状態でよく働くようにできているので、冷たい物をとり過ぎることで消化酵素の働きを低下させてしまうおそれがあります。

また、必要以上にエアコンが効いた部屋に長時間居続けてしまうと、自律神経がうまく働かなくなり、体調不良につながります。

このような影響で、胃腸障害や便通が悪くなったり睡眠の質が低下したりして、免疫が下がって感染症などの病気にかかりやすくなる可能性があります。

ことしの記録的な暑さ 街の人は
記録的な暑さとなったこの夏について、東京 新橋で聞いてみると…。

40代女性(1歳半の子どもが熱中症に)
「子どもが夕方に夏祭りに行ったあと汗が止まらず熱が出て吐いたりもしました。とても怖かったです。それからは保冷剤を持ち歩く対策をしています。クーラーもつけっぱなしです」

20代の会社員男性(通勤途中に倒れた経験)
「熱中症になって電車の中で倒れてしまいました。意識がなくなってお客さんや駅員さんに運ばれました。びっくりしました」

暑さで熱中症を経験したという声も聞かれました。

9月も暑さは続く
9月も暑さは続きます。

今週末にかけては、気温が上がる見込みで、気象庁は「高温に関する気象情報」を発表して、熱中症に注意するよう呼びかけています。

東日本では6日から7日にかけて、西日本では8日にかけて、最高気温が35度以上の猛暑日となるところがある見込みです。

各地の日中の予想最高気温は、
▽名古屋市では6日から8日にかけて36度
▽大阪市と広島市では7日が35度
▽高松市では6日から8日にかけて35度などとなっています。

このほか、
▽東京の都心では6日から7日にかけて34度
▽仙台市では6日が33度と予想されていて、
平年よりも4度から6度ほど高くなっています。

近くへの買い物でも熱中症の危険
8月には、高齢の男性が近所に買い物に出かけた際に急に倒れて搬送され、熱中症と診断されたケースも。

東京 世田谷区に住む木村聡子さんによりますと、近くのコンビニへ1人で買いものに出かけた80代の父親が、自宅のマンションのドアの前でうずくまっているのを木村さんが見つけ、その後、救急車で病院に搬送されました。

父親は、帽子をかぶり長袖長ズボンで肌を露出しないようにしていて、屋外に出ていたのはコンビニまで往復する20分程度でした。

しかし、この日、午前10時時点の東京・都心の気温は32.6度と厳しい暑さとなっていて、コンビニまでの道には日陰がほとんどなかったほか、父親は歩行に手押し車が必要なためふだんあまり歩いておらず、トイレに行く回数を減らそうと水を飲む回数を減らしていたということです。

これ以降、父親は外出は控えていて自宅では冷房をつけてこまめに水分補給を行っているということです。

木村聡子さん
木村さん自身もこのあと日傘を差すようになったということで「まさかコンビニに歩いていって戻るだけで熱中症になってしまうのかと驚いた。今後は油断せずに水分補給をするなど家族で気をつけていきたい」と話していました。

9月の過ごし方 注意とポイントは
これからの過ごし方について、谷口医師に聞きました。

Q. 9月は、引き続き各地で猛烈な暑さが予想されています。熱中症対策のポイントについて教えてください。

谷口医師
ことしは6月ぐらいからずっと暑い日が3か月以上も続いてきました。
例年ですと涼しい日が時折ありましたが、ことしは少なく、体に蓄積されたダメージを取り戻す時間があまりありませんでした。
こうした中で、9月は引き続き暑くなるということで、日中の時間帯を中心に適切な水分補給とエアコンなどを使った環境整備が求められると思います。

特にご高齢の方は、体の中の水分量が少なく暑さにも弱い傾向がありますので気温が高くなっている場合は短時間の外出でも熱中症になるおそれがあり注意してください。

Q. 7月には最高気温が40度を超える記録的な高温となったところもありましたが、9月の予想最高気温は35度前後と一段下がったようにも思えます。この時期の暑さに対してどう警戒すればいいでしょうか。

谷口医師
ことしの夏はびっくりするような暑さになりました。
9月も35度前後の気温が予想され油断してはならず、まだまだ私たちの体温に近い気温で非常に危険な状態です。
天気予報や熱中症警戒アラートが発表されているかを確認し、例年以上に注意してもらいたいと思います。

Q. “残暑バテ” どのように対策していけばいいでしょうか。

谷口医師
9月に入り、だんだんと寒暖差が出てきていて体を慣れさせなくてはいけない時期にさしかかってきました。
冷たい物を多くとることは少し控えていただくこと、気温が25度を下回るような朝晩の涼しい時間帯はエアコンを止めて外の風を入れたり、外へ出て散歩したりして慣れさせていく必要があります。

また、湯船につかることで血行が促進され、自律神経が活発になります。
体温より少し高い38度くらいのぬるめのお湯で10分から20分ぐらいを目安に入るといいと思います。

天気予報の予想気温を確認してもらい、日中の暑い時間帯は熱中症に警戒し、朝や夜などの時間帯で涼しいときはエアコンを止めるなどの対応をとって、二重の対策を進めてもらいたいと思います。
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