公営競技はどこへ行く

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緩和曲線とは

2006-08-13 00:00:12 | 競輪

競輪大量落車の特別編。但し落車の原因を探る内容ではない。

現在競輪場で採用されている緩和曲線は、

・マッコーネル(マッコンネル)

クロソイド

レムニスケート

の3つがある。

このうち圧倒的に多いのはマッコーネル。

ところがこのマッコーネルに関する記述というのはほとんど見られない。

そして緩和曲線とは何か?

例えば車に乗っていて、直線を走行していて急に曲線部分(カーブ)の箇所が訪れたとしよう。そんな場合は一定の速度(等速)で走行したとしても、急にハンドルを切っても曲がれない。もし曲がろうとしても転倒するのがオチだし、電車なら脱線必至。(モト(オートバイ)の愛好家が「ハングオン」をやってそうしたところを回ろうとするケースもあるみたいだが、大概は失敗するから絶対にやめるように。)

そこでカーブの部分を意図的に(当然、計算に基づいて)緩くして、徐々にハンドルを切るような形にすれば曲がれるのではないかということで考え出されたものである。

例えば高速道路などは、見た目は大きなカーブの箇所であっても運転者はほとんどハンドルを切らないような形で曲がることができる(実際には相当数切っているのだが、運転者は走行中ほとんどそう感じない)。もちろん、一定以上の速度(加速度)を出して走行した場合には曲がりきれなくなり、そうなると当然のことながら悲劇が待っているだけ。

とりわけ緩和曲線で有名なのがクロソイドであり、日本では群馬県と新潟県の境目にある一般国道17号線・「三国峠」で使用されたのが最初。この曲線を導入する以前は死亡事故が絶えなかったといわれる同峠での死亡事故が一気になくなったといわれている。

以来道路ではこのクロソイドカーブが利用されることになり、はたまた鉄道やロードコースターにも使用されている。

クロソイドカーブとよく似ている考え方だが、原理は違うレムニスケートカーブというものがある。クロソイドカーブは曲線の長さに比例して曲線半径が変わるが、レムニスケートカーブは曲線の弦の長さに比例して曲線半径が変わる、という点で違いがある。

実際にグラフィックで見てみると、クロソイドとレムニスケートが互いに描く軌跡は全く違うことが分かる。

クロソイド

レムニスケート

しかし実際の運用面においてはほとんど変わらないので、扱いが容易なクロソイドが使われるのが一般的だという。

そして、競輪場における緩和曲線も、当初はクロソイドを採用したところが圧倒的だった。しかし、「ローリング」という問題点が出てきたのである。

ローリングとは、直線から曲線に入るときに、片勾配をつける関係で、車が進行方向を軸にして回転するというもので、等速ではない、常に加速度運行を行う場合には活発となり、とりわけ「超速走行」を行う場合には回転路においてハンドルがスムーズに切れないとか、はたまた走行者の目が回るという現象が生じるわけである。

それを極力防ぐようにしたのが「マッコーネル(マッコンネル)カーブ」というわけ。

マッコーネルカーブは、ローリングの角速度と、角加速度までが、一定以内になるようにするよう設計され、クロソイドが等速運行に適しているとしたら、このマッコーネルは加速度運行に適している緩和曲線といえる。但しクロソイドと比較すると計算基準がややこしく、当然のことながら設計も難しい。あくまでも競輪やはたまた自動車会社の新車のテスト走行といった、「特殊な事情」がある場合にのみ用いられる曲線であるようだ。

クロソイドカーブだとハンドルを取られるような気分となる、と言った選手が少なくなく、非常に選手に評判の悪い緩和曲線であるが、マッコーネルだと非常に走りやすいし、癖がないというのが専ら。

だとすると、大半の競輪場は今、選手にとって走りやすく、それこそ「ルール通り」の走行を行えば、「大量落車」が頻発することなどない「はず」。

にもかかわらず「毎日どこかで」なんてことを考えたら明らかにバンクコンディションに責任転嫁などできるわけがなく、ひいては選手に半ばゴマをすらねばならない?マスコミも大量落車の問題を取り上げようとしないというわけか?


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