公営競技はどこへ行く

元気溢れる公営競技にしていきたい、その一心で思ったことを書き綴っていきます。

バルサはなぜ負けたのか

2006-12-18 14:22:16 | スポーツ

はっきりいって、昨日のクラブワールドカップ決勝は大番狂わせもいいところ。

対クラブアメリカ戦での圧勝を考えると、UEFAチャンピオンズリーグ王者のバルセロナ断然優位は揺るぎのない事実と思われたが、結果は今年のリベルタ・ドーレス杯王者ではあるが、06年W杯出場選手は一人もいないというインテルナシオナルに零敗という「完敗」を喫した。

そもそも前半からバルセロナは、ゴール前に詰めるシーンがほとんど見られず、苦し紛れにミドルシュートを放つだけ。対してインテルナシオナルは、タテ突破を中心に再三に亘ってチャンスを作るも、いずれもオフサイドに阻まれていた。

しかし後半に入っても、ロナウジーニョ、デコといった選手の個人技にほとんど頼りっきりで、単調なリズムのままだったバルセロナに対し、インテルナシオナルは後半に入ってもタテパスからチャンスを再三作り、ついに後半37分、イアルレイのパスから途中出場のL・アドリアーノが決め均衡を破り、そのまま押し切った。

バルセロナはこれまで、「インターコンチネンタルカップ」、「トヨタカップ」と称されていた世界クラブ選手権時代においても優勝がなく、一度も世界一に輝いたことがない。しかし今回はロナウジーニョというスーパースターを擁し、悲願の「世界一」は目前と見られていたが・・・

そもそもバルセロナは今シーズン、国内リーグでは現在トップにいながらも、レアル・マドリードの追撃を受けて昨年ほどの勢いにはなく、先日まで行われていたUEFAチャンピオンリーグの予選ラウンドも、辛くもブレーメンを退けて漸く予選突破するなど、これまた昨年のような強さはなかった。

その上、ロナウジーニョの移籍問題が再三報じられるなど、チーム内におけるモチベーションの低下は懸念されていたところであった。しかし。

準決勝のクラブアメリカ戦では完璧な試合運び。ロナウジーニョの変幻自在なプレーは面白いように決まるし、過去、トヨタカップなどを通じても最大得点差となった4点差をつけて勝ったことを考えると、ましてや、南米のクラブといっても、昨年「世界一」に輝いたサンパウロやボカ・ジュニオルズといった地力のあるチームではなかったことを考えると、決勝戦でも「何点差」つけて勝つかに焦点が行っていたはず。それが・・・

それにしても、南米、特にブラジル勢の世界クラブ王者にかける意気込みは以前から並々ならぬものがあり、FIFA主催のクラブ世界大会においては、2000年のコリンチャンスも優勝しており(この際は世界クラブ選手権と銘打たれた)、昨年のサンパウロも含め、これまでブラジル勢が「全勝」している。

対して欧州勢は何といってもチャンピオンズリーグのステータスが非常に大きく、トヨタカップのときから世界クラブ選手権についてはモチベーションが上がらないということを懸念されていたが。

ま、来年の大会は欧州勢も多少は目の色を変えてくるのかもしれないが、激戦が続くチャンピオンズリーグ予選リーグや国内リーグの合間に行われるという日程上の問題も前々から懸念されていたこと。

できれば欧州勢からすれば、日程の「前倒し」も希望されるところかもしれない。


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気になるビッグレース売上げ激減

2006-12-18 04:29:39 | 公営競技論

公営ジャアナルの今月号の見出しは、ビッグレースの売上げ激減のニュース。

いよいよ19日の賞金王シリーズを皮切りに30日のKEIRINグランプリまで、恒例の「グランドチャンピオンシリーズ」に突入する公営競技界であるが、少なくとも、前年と比較して、売上げアップが見込める開催など恐らく「ない」といっても過言ではないような様相。

そこでジャアナルにも書いているが、日々ビッグレースを場外発売化していることに加え、3連単導入による客の豆券買いの横行が災いしていると分析がなされている。しかしもっと根本的な問題というか、果たして、これから開催される年末のビッグ開催において、この馬からどうしても買いたいとか、この選手をどうしても狙ってみたいと思うケースが果たしてあるのかどうかということを考えねばなるまい。

そう考えると今年の場合、ディープインパクトと、オートレースの田中茂ぐらいなもの。

昨日、サテライト阪神に井上茂徳氏が来場するということもあって行ってきたのだが(というか、来年のカレンダー目当てもあったが)、井上氏の話を色々と聞いていく中で、井上氏が対戦してみて一番強かったのは滝澤正光であり、さらにいえば滝澤選手の1987年の勝率はなんと80%であるという話が出てきた。

確かにその通り、滝澤先生のその年の勝率は80%で、2着までの連対率まで含めると確か95%近くまで行っていた。ちなみに競輪で年間勝率80%というのは過去に滝澤選手と高原永伍選手しか果たしていない。

あの中野浩一さんでさえ全盛期でもそこまでは行かなかった。それでも年間勝率で70%近く行ったことがある。井上氏も年間最多勝率で50%を超えたことがある。少なくとも50%の勝率を超えるということであれば、その選手にほとんど全幅の信頼を置くことができる。

それが今や競輪の場合、今年の場合だと年間S1在籍者に限れば小嶋敬二の42.3%が最高であり、以下市田佳寿浩40%、手島慶介37.2%、平原康多36.7%といった具合であるが、このうち今度のグランプリに出場するのは手島だけ。ということは、例え小嶋が42%の勝率を誇ろうが、G開催では実績が薄く、ひいてはグランプリの出場も叶わなかったということになる。

ひとえに、確固たる軸というか、そういった選手がいないと、最初から興味など沸くはずもあるまい。

競艇にしても、現在賞金トップの山崎智也はここ2ヶ月ぐらい、G戦線ではほとんど音沙汰なしの状態が続いているし、さらに競艇については今年、初タイトル選手が結構出たけど、7SG中5SGまでが「1号艇・1コース」選手による、いわゆる「イン逃げ優勝」というケースであり、大会直前にかかる展望など全く「無意味」な流れ。

今年の大会にしても、はっきりいえば、「蓋を開けてみないと分からない」状態であり、そうなるとかつての野中や植木のような、大会前からこの選手が軸という選手は今年もいないということになる。

そのような状況がもう何年も続けば、それこそ「通常の」ビッグ開催と何ら変わりがないということになろう。ちなみに私も「グランドチャンピオンシリーズ」とはいっても、5年前ぐらいだったらワクワクしたものだが、今やそうした感情ってものはないね。

そんな中、昔は軸不在の混戦ムードであれば売上げも上がるという神話もあったが、今はそんな時代じゃない。むしろ、ディープインパクトのような確固たる軸がいたほうがまだ売れる。

ということは、今年もどうやら期待はできない「グランドチャンピオンシリーズ」。さらにいえば、こうしたわずか10日間ちょっとの間に立て続けに各競技で大きなレースばかり行うということ自体時代にそぐわなくなってきているのかもしれない。

コメント (4)
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