公営競技はどこへ行く

元気溢れる公営競技にしていきたい、その一心で思ったことを書き綴っていきます。

結論は今週日曜日

2006-12-12 08:00:16 | 競馬

Yahoo地方公営ギャンブル経営より

ニュースワイド2006:ばんえい競馬 「継続へ」一筋の光 /北海道

 ◇公営ギャンブル人気低迷など、構造上の課題も多く

 北海道の開拓時代をルーツとし、独自の文化として親しまれてきたばんえい競馬が先月末の存続断念表明から一転、情報技術(IT)企業大手「ソフトバンク」(東京、孫正義社長)の支援の申し出により、継続開催に向けて急展開している。競馬関係者は帯広1市開催による存続に望みをかけ、帯広市の砂川敏文市長へ働きかけを強めており、タイムリミットとされる今月17日前後に旭川市で開かれる北海道市営競馬組合正副管理者会議までに最終結論が出る見通しだ。【仲田力行】


 ◇支援企業

 「民間企業から存続に向けた提案があり、帯広市単独開催の可能性を検討したい」。7日の市議会での砂川市長発言で、一度は絶望的だった存続の可能性が一気に高まった。関係者によると、帯広、岩見沢両市が2市開催で協議に入った先月上旬ごろから、ソフトバンクなど複数の企業が存続への支援や協力を帯広市に提案していたという。

 中でもソフトバンクは、子会社の「ソフトバンク・プレイヤーズ」がインターネットの地方競馬総合サービスサイト「オッズパーク」を運営。ネット上で地方競馬の勝馬投票券の購入・払い戻しや、全レースのライブ映像の配信サービスを行っている。昨年12月からばんえい競馬のサービスも始めた。

 市のシミュレーションでは、帯広1市単独で開催した場合、07年度は120日間の開催で1日あたりの売り上げは約6300万円で、年間3億円の赤字が出る。しかし、これは08年度から三連単の導入やナイター設備の新設などを市が行うことを前提としており、こうした設備投資を同社が負担した場合は黒字に転換する可能性がある。

 ただ、道営ホッカイドウ競馬と同じく競馬人気の低迷による構造的な経営不振からどう脱却するのか、収益の社会還元を目的とする競馬法上、民間企業がどこまで経営に参加出来るか――などの詳細についてさらに検討が必要だ。

 ◇高まる存続の声

 2市開催案で協議していた帯広、岩見沢の両市長が「存続断念」を記者会見で表明した11月27日以降、最後まで存続の意向を示した帯広市には、道内外から726通の存続を求める電子メールが届いた。馬主協会など競馬関係者団体や市内の団体など7団体から要望書、市民団体から4063人分の署名も届いた。ばんえい競馬馬主協会と北海道ばんえい競馬調騎会の2団体は、存続した場合に計1億4000万円を寄付する意向を砂川市長に伝え、さらに上積みする意向だ。

 ある帯広市議は「存続を求める声がこれほど寄せられたら、市長ももう後に引けない」と話す。市民やファン、関係団体からの要望や陳情は最後の「望み」となった同市に集中しており、日に日に盛り上がっている。

 ◇膨らむ赤字

 旭川、帯広、北見、岩見沢の4市が市営競馬として競馬を始めた1953年から94年までの間、収益の一部の224億円が4市の財源として入った。帯広市でも計52億円が一般会計に繰り入れられ、小学校や福祉施設などの建設に役立った。しかし、91年度の322億円をピークに売り上げは漸減。バブル崩壊後の景気低迷や、公営ギャンブル人気の低落などの影響で入場人員は91年をピークに減少を続け、05年度はピーク時の65%の約55万人に落ち込んだ。

 89年に4市で設立した北海道市営競馬組合は99年度に事業推進5カ年計画、05年に経営再建5カ年計画を策定したが、99年度から出た赤字は年々増え、今年度末の累積で約40億円に膨れ上がる見込み。

 

 ◇存廃問題の経緯

 10月20日の組合正副管理者会議で旭川と北見両市の来年度以降の撤退と組合の解散を決定。以降、札幌に近く集客が期待できる岩見沢と冬季を含めた通年開催が可能な帯広の2市開催を軸に調整が進められた。

 しかし、岩見沢市が最終的に撤退を決断した背景には、帯広市が示した収支案の素案に懐疑的だったことがある。岩見沢市は11月10日に送られてきた素案を検証し、同14日に疑問点9項目を並べた文書を帯広市に返送した。

 帯広市農務部の幹部は「岩見沢市が真剣に協議する意思は全く感じられなかった」と不信感をあらわにする。一方、岩見沢市農政部の幹部は「開催の前提となる収支を安定させる方策を見いだせなかった。どう取られても反論するつもりはない」と話した。

 ◇存続願い「限界までやる」--現役最年長騎手・坂本東一さん(53)

 岩見沢市との2市開催を断念した帯広市が存続に前向きな姿勢を示したことを競馬関係者は歓迎している。しかし、ソフトバンクの支援について正式な発表はまだなく、どんな方向性が打ち出されるのか注視している。

 現役最年長騎手、坂本東一さん(53)は「廃止決定」と報道されていた間も普段と変わらず、午前2時から馬の調教をしてきた。02~04年度は3年連続リーディングジョッキーに輝き、6月には史上2人目の通算2500勝を達成。今年度も首位を走る。

 北見開催が終わった直後の11月27日に岩見沢、帯広両市が「2市開催断念」を表明。2市開催を信じていただけに裏切られた気分だった。「ソフトバンクは私たちと比べたら雲の上の存在。本当に実現するのか心配な部分もある」と正式な発表を待ち望む。

 青森県木造町(現つがる市)出身。小学5年の時に農耕馬で地元の草ばん馬に出場し、馬に慣れ親しんだ。18歳の時にスカウトされ道内の厩舎(きゅうしゃ)で厩務員として働き、21歳で初めて手綱を握った。しばらく芽が出なかったが、30歳の年に年間30勝を挙げ、自信がついた。

 「体力の限界までやりたい。ダメだと思った時が引退だ」。レースへの思いは誰にも負けない。賞金の5%が収入となる騎手にとって売り上げの低迷は生活を直撃する。年収300万円に届かない若い騎手もいる。

 「民間企業の発想で黒字にしてもらいたい。私たちがこれまで通り生活できるように砂川市長に頑張ってもらいたい」。今はただ存続を願いながら帯広競馬場でレースに打ち込んでいる。

 

………………………………………………………………………………………………………
 ◆ばんえい競馬の流れ◆
46年    地方競馬施行規則により公営となる
47年    北海道馬匹組合連合会主催で旭川、岩見沢でばんえい競馬始まる
53年    旭川、帯広、北見、岩見沢のそれぞれで市営競馬馬発足
89年    4市による北海道市営競馬組合が発足
92年    91年度の売り上げが最高の322億円
00年    99年度決算で3億2000万円の赤字。以後毎年赤字が続く。00年度から事業推進5カ年計画スタート
04年    ばんえい競馬など「北海道の馬文化」が北海道遺産に選定される
05年 2月 経営再建5カ年計画を策定
   10月 ばんえい競馬を舞台にした映画「雪に願うこと」が東京国際映画祭で最高賞など受賞
06年 3月 市営競馬組合が改革検討チームの協議開始
   10月 組合4市での07年度以降の廃止と組合の解散を決定。帯広と岩見沢の2市開催の協議始まる
   11月 帯広、岩見沢の両市長が会見で廃止を表明
   12月 帯広市長が単独開催の検討中と発言
………………………………………………………………………………………………………
 ■ことば
 ◇ばんえい競馬
 サラブレッドの2倍近い体重のペルシュロンやブルトンなど欧州原産種の重種馬が、騎手を載せた最大1トンの鉄製そりを引いて競走する。200メートルの直線コースで2カ所の障害を乗り越える。明治末期から農耕馬で行われてきた「お祭りばんば」が発祥とされ、北海道独自の馬文化の一つとして北海道遺産に選定された。1946年に公営化。53年に旭川、帯広、北見、岩見沢の4市がそれぞれ市営競馬を主催。89年に4市が北海道市営競馬組合を設立した。

12月10日朝刊

この記事はこれまでの経過のみならず、今後のばんばのあり方についても簡潔にまとめられており、一読に値するもの。

ところで今年は、坂本、鈴木の両騎手が節目の勝利数に達したが、ばんばの騎手が2000勝を達成するというのはそう簡単にはできないこと。それだけ技量に長けているという証拠であり、言い換えれば、「名巧」に値するほどのものである。

さて、現段階ではソフトバンク・プレイヤーズの支援が有力視され、来年度からは帯広単独開催の見通しが強いばんえい競馬だが、一方で12月の帯広シリーズはこれまで売上げが不振で、目標売上げに対して85%程度しか到達していない。

新たに生まれ変わるばんばを期待する向きが膨らむ一方で、現実にはそうした厳しい状況がいまだ続いているということを深く認識せねばなるまい。

コメント (2)
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大量落車WEEKLY Vol.42

2006-12-12 00:02:30 | 競輪

11日の日に競輪恒例の「洪水開催」が終わったことから、本日アップすることになった。さて、どんな「大量落車」があったのかなぁ?

●12月2日

平・全日本選抜5レース

1名失格、2名落車、1名車体故障。

ダイジェストは12月2日、5レースをクリック。

http://www.tairakeirin.com/01live/index.html

●12月6日

一宮5レース

4名落車(動画なし)

●12月7日

広島10レース。8車立て。

1名失格、2名落車。

mms://202.210.162.25/hiroshima/061207_061209/06120710.wmv

●12月8日

広島9レース

5名落車(内1名失格)。

mms://202.210.162.25/hiroshima/061207_061209/06120809.wmv

●12月9日

宇都宮8レースA級決勝

1名失格、3名落車、2名車体故障。

mms://miyakame.hyper-nets.com/miyakame_digest/06120908.wmv 

連日の大量落車が発生してしまった広島だが、その煽りを受け、なんと最終日は7車立てレースが2つも登場する羽目になった。

http://keirin.jp/pc/dfw/dataplaza/guest/paymentlist?KCD=62&KBI=20061209

また、宇都宮のやつは2回落車が発生し、その上とばっちりを受けての車体故障選手も2名。

まだまだなくなりません、大量落車。撲滅されるまで、このコーナーは生き延び続けます?


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香港国際レース回顧

2006-12-12 00:00:42 | 大レース回顧集

この時期、日本馬にとってみても恒例のレースとなった香港国際レース。

4レース全てG1レースという豪華版は変わりがないが、レース直前にハプニングがあった。

まずヴァーズに出走予定だった今年の欧州年度代表馬で、G1 7勝の名牝・ウイジャボードが引退レースをここにと決めていたにもかかわらず故障のため無念の出走断念。さらに思いがけないことが。

スプリンターズSなどを勝ち、今年のグローバルスプリントシリーズの王者である豪州のテイクオーバーターゲットにステロイド系の禁止薬物が検出され、レース当日も陽性反応が出たことから出走できなくなった。

以上前置きとして、まずはヴァーズから。

ヴァーズには日本から、菊花賞馬・ソングオブウインドと、日本ダービー2着、菊花賞3着のアドマイヤメインが出走。レースはアドマイヤメインが主導権を握り、ソングオブウインドは隊列から少々離れた最後方と、武兄弟が両極端な乗り方をしたわけだが、3~4角でソングが大捲りといってもいい競馬。対してメインは直線入り口で脚がなくなった。

しかし直線に入って終始4番手にいたコリアーヒルが抜け出し、ソングも一旦は2番手まで上がるも直線半ばで失速。後方待機から一気に直線だけでものすごい脚を伸ばしてきたカストリアがきわどく追い詰めるもコリアーが粘った。

ソングは4着、メインは8着に終わる。

続いてスプリント。去年までは直線レースだったが、今年から1200M戦になった。

テイクオーバーターゲットの不在により、「超特急」サイレントウイットネスの走りに注目が行ったが、日本からも、スプリンターズS 2着のメイショウボーラーと、今年のサマースプリントシリーズ覇者のシーイズトウショウが参戦。しかし。

スタートでメイショウボーラーが大きく立ち遅れ、なんとそのまま競走中止。シーイズトウショウも後方のまま見せ場なく10着。レースは中団をキープしていた地元のアブソリュートチャンピオンが直線に入ってビューンとつき抜け圧勝。2着にサイレントウイットネスが入った。

続いてマイル

このレースが引退レースとなるダンスインザムードが、日本ではとうとう果たせなかった牡馬混合G1レース制覇に挑んだ一戦。

中団より幾分後ろ目に位置したダンスだが、直線に入ってもサッパリの競馬で12着大敗。勝ったのは昨年同レース2着だったザデューク。逃げるラモンティを直線半ばで捕らえて先頭に立ち、直線でものすごい脚を使ってきたアルマダの追撃を退けた。なお、今年安田記念を勝ったブリッシュラックも出走していたが4着だった。

ここまでは惨憺たる結果の日本勢。最後のカップもどうなることやらと思われたが、アドマイヤムーンがもうちょっとという競馬を見せてくれた。

カップには今年の凱旋門賞2着で、今年G1を2勝し、内容的には同じ牝馬のウイジャボードよりも上の内容を見せつけているプライドがこのレースをラストランと決め出走。また日本勢はムーンの他、ディアデラノビアも出走した。

ムーンは後ろから3頭目ぐらい、ディアデラもそのあたりと日本勢は後方待機。道中はゆったりとした流れだったが、3~4角にかけてヴェンジャンスオブレインが一気に勝負をかけ、直線に入って先頭に立つ。そこを冷静に見ていたのがプライドで、直線半ばあたりから中を衝いて一気にヴェンジャンスを交わして先頭。しかし後方からムーンがものすごい脚。

脚色はムーンが断然よかったが、わずかにプライドが押し切って引退の花道を飾った。ムーンは本当に惜しい2着。ディアデラノビアは7着だった。

今年は残念ながら日本馬の優勝はなかったが、例年になく接戦のレースが目立ち、見ているだけでも興奮度大であった。今やすっかりアジア最大の国際レースと化した香港国際レースであるが、日本でも、ジャパンカップシリーズをこういった形で盛り上げていく術を身につけねば、ますます日本国内における国際レースは「形骸化」の一途を辿るのではないかという気がしてならない。


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