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大阪での毎日

整形外科の仕事&「職」ではなく「食」へのこだわり

熊と戦う

2014年11月14日 | 仕事
今年は熊の出没がものすごいらくし、というのも、餌となるどんぐりが少ないとか

先日、熊と格闘した患者さんがうちにも来られました。もちろん、大阪に熊が
でたわけではなく、北陸に行った際に出会って戦ったそうです。

北陸の病院で顔をたくさん縫って、手の骨折の手術もしたそうです。

というのも顔を咬まれたので、右手で熊の顔をよけたら、今度は右手を咬まれたそうで。

おっちゃん、がたいの大きな人だったので、こういう戦い方、可能だったと思いますが
小柄な女性や子供やったら、と思うと恐ろしいですね

来院するたびに武勇伝を興奮して語ってくれるんですが、手術室に入っても
看護婦さんたちに熱く格闘ぶりを話してました・・・

話せるぐらいの状態でほんとよかったですね

整形外科希望の女子

2014年11月03日 | 仕事
先週は医学部5回生の女子が実習に来たので、私の手術に入ってもらい、その後
30分程度お茶をしながらお話しをしました。

まだまだ男社会の整形外科ですが、昔に比べたら器械もよくなっているし
力仕事自体は減っているので、若くてやる気があれば十分やっていけると思います。

ただ、自分の経験から35歳も過ぎると、人間、男も女も筋力が衰えてくるので、
正直、ハンマー叩きまくる手術や、長時間立っての手術は女性の方が
男性に比べたらつらくなります。

私は手外科を希望したので、ほとんどが座っての手術で、かつ手術創も
患者さんが一番気になる人目につきやすい手先なので、きれいに治るように工夫したり、
そういったことが好きなので、女性ならではのメリットではないかと思います。

先日、ニュースで、職人の世界に若い女性の進出が増えてきた、という特集をみました
紹介されていた塗装業のかわいい女性は、男性にはない漆喰の壁塗りのセンスがあるそうです
(壁の微妙な波のような模様)そこでも、整形外科と同じで、以前は重労働が
多かった世界だけど、器械がやってくれる部分が増えてるそうです

だた、整形外科は特にはじめの10年間は、外傷、つまり骨折の手術を担当
することが多いので、手術中に放射線を浴びることが多くて。でも、女性にとったら
一番子供を産みたい年齢なんですよね~ 

どうしても男性よりハンディはありますが、一度しかない人生なので、自分が
したいことを選択するのが最善の選択ではないでしょうか。

がんの10年生存率

2014年10月24日 | 仕事
先日「大阪府立成人病センターなどの研究グループが、大勢のがん患者のデータを元にして
がんの種類ごとに10年後の生存率をまとめました」というニュースをみました。

私もこの夏に突然、ガンかも知らんと言われまっさきにしたことは
「5年生存率」を確認することでした
というのも、今は10年後、20年後のことも考えながら生活しているので、
5年先はどれぐらいの確立で生存できているか、というデータは気になります


今までは、たくさんの患者さんのデータを元にしたものでは主に診断の「5年後」まで
しかまとまっていませんでしたが、医療技術の進歩により長期間、生存する患者が増え
てきてます

そこで、この研究グループが79万人の患者のデータを元に、23のがんの種類や、
性別ごとに計算して、近いうちにHPで公表するそうです。

例えば、肝臓がんの男性患者は、5年後の生存率は25%、10年後は10%
一方、胃がんの男性では、5年後も10年後も60%

あくまでも平均なので、必ずしも自分が生きている方にあてはまるわけではありませんが、
がんになってしまった場合の、今後の社会復帰や人生の計画を立てたりするには
少しは参考になるのではないでしょうか

もっともっと医療が進歩して難しいがんでも生存率が延びることを祈ります

薬の進歩

2014年10月06日 | 仕事
整形外科分野では、リウマチの薬と骨粗鬆の薬がどんどん進化していて
新薬についていくのに一苦労です

関節リウマチの治療薬は、炎症を抑えて痛みや腫れを軽くする「抗炎症薬」と
免疫に働きかけ病気の進行を抑える「抗リウマチ薬(DMARDs)」
新しい抗リウマチ薬として注目されている「生物学的製剤」の3つに分けられます。

私が医者になったころは「抗炎症薬」と「抗リウマチ薬」の組み合わせしかなかったんですが
効果が出るまで数か月かかることと、効かない人もまあまあいて、そういった人たちの
リウマチによる関節の変形はどんどん進んでいたんですが

生物によって作られるタンパク質などを利用した新しいタイプの薬(注射薬)である
「生物学的製剤」は、効果は数週間で現れて、痛み、腫れ、こわばりを改善し、
さらに関節の破壊を止めるということで、画期的な薬なんですよね

この薬が出てから、いわゆるリウマチの人のひどい指の変形とかは見なくなりましたよね~

でも重症感染症などの副作用もある上に、お薬代がべらぼうに高い。

骨粗しょう症も今までは内服だけだったのに、重症骨粗しょう症に効果のある
注射薬が発売されるようになりました。

一つの薬に一つの会社だけが製造するなら、簡単なんですが、それぞれの製薬会社が
それぞれ改良して商品を出してくるので、この違いを勉強するのに必死です。

親が昔よく子供の頃の私に「今勉強しておけば将来、楽できるから~」といううたい文句で
私に勉強させようとしてましたが、「勉強すればすればするほど将来、勉強が待ってるから~
が正解じゃないでしょうか?母上様。

患者さんに対し責任ある仕事だけに、苦手でも「マスト」な勉強です

介護×腱鞘炎

2014年08月01日 | 仕事
男性の平均年齢もついに80歳を超えたそうです。

先日テレビで「老老介護の末、夫が妻を殺害してしまうケースが増加
という番組をちらっとみました。そういった男性は、ほとんどがまじめで、
人の手を借りず、なんとか一人で介護をこなそうと頑張っている人に多いそうです。

手を抜けず、人にも相談できず、でも、慣れないことをし、妻の状態は
変わらない

殺害してしまうまではいかないでも、私の外来にも、妻あるいは夫の介護
で腱鞘炎になってくる老人が結構います。ほとんどは意思疎通が難しい重度の
寝たきりの伴侶の面倒を見ているためか、腱鞘炎の診察なのに、
介護の愚痴をいって帰る人が多いです

腱鞘炎になるぐらいなので、相当大変な労働なんだろうと思いますが、
介護する人が身体的にも精神的にも元気じゃないと、いつまで続くかわからない
介護にやられちゃいますよね~

年いってから家事を身に着けるのは大変なので、若いときから家事を
楽しくこなせる技を習得したらいいんでしょうか


手外科の敵:組体操

2014年06月16日 | 仕事
この時期に運動会する学校、増えましたね。
運動会といえば組体操

ニュースで組体操賛成派の学校教師 VS 反対派の大学研究者のコーナーがありました

教師の言い分は、集団で一つのことを成し遂げることが大切、教え方次第で危険は
回避できる・・・の意見

一方で大学研修者は小中学生の事故のNo.1が跳び箱、No.3が組体操。しかも組体操による
身体的習得の意義がない・・・の意見

肘や手首を毎年、運動会の時期に治療している私からみたら、
「いい加減、組体操、抹殺してほしい

普段から運動している子ならばまだしも、まったく運動していない筋力ない子が
馬の姿勢で何分も~ そりゃ、倒れるし、骨も折るよー 倒れた子が骨折れるんやったら
まだしも、崩れて上にいる子が犠牲になったりで、親同士も微妙やしね~

実は、子供の肘の骨折って、整形外科でもあまりしたくない手術の上位にあげられます。
子供の骨折、というだけで受け入れない病院もあるぐらい。

というのも、一般的にはたがが骨折と思われがちですが、骨折が軽度であっても、肘変形が残ったりする
場合もままあるんですよね~

どうしても組体操したい!って言うんやったら、運動会の3か月前から
全員腕立て伏せを毎日100回するぐらいの努力してるんやったら、緊急の
骨折の手術もwelcomeですよ

なんでやめんの?

2014年05月29日 | 仕事
以前、ばね指(腱鞘炎)のため指がほとんど動かなくなったおっちゃんが来ました。
どうも1年前からひっかかりがあったそうですが、動かなくなってからも
だいぶたつんだとか。なので、切って治してほしい、

ここまでひどいばね指というのは、だいたい糖尿病を患っている人が多くて、
おっちゃんもその1人。

糖尿病はその日の血糖値も重要ですが、食べるものやその日の体調なので
血糖値の変動が大きので、だいたいこの人の糖尿病はどんなもんかな?
というのをみるには「HbA1c」というものをはかります。

「どれぐらいですか?」
「7.5%やったかな?」
あまりいいとは言えないけど、創が膿んでひっつかない、というまでの値じゃないので
本来なら手術してもいいんですが、なんだかこのおっちゃんおやしい・・・

「じゃ、今から計ってみて、あまり悪くなければ手術予定しましょう」

1時間後、
「採血結果、11%超えてますよ!!」
「やっぱりな~ 薬やめたらてきめんやな~」

って薬やめてんの?感心している場合じゃないねんけど。

「今から糖尿病の教育入院します?入院のレベルですよ」
「いや、忙しいねん」

結局、かかりつけで糖尿病の治療を再開してよくなったら来てもらうことになりましたが、
果たしてよくなるんかな~

自分の健康に無関心な人みるたび、世の中にはいろんな人がおんねんな~
とまだまだ私の勉強不足を感じます。

おばあちゃんの髭

2014年03月05日 | 仕事
この仕事していると、かなりの数の老人と出会ってるんですが、
前から不思議に思ってたのが、「おばあちゃんの髭」

いくら歳とったからって、髭ほっとく?!
と若いときには思ったもんですが、自分が歳をとると
わからんでもなくなってきました、

多分、それは「ほったらかし」ではなく、気づいてないんですよ。
視力が悪くなっているから!

先日も、鼻と口の間に髭が生えているおばあちゃんが来てたんですが、
50歳ぐらいの娘さんと一緒に来院されたので
「髭、きれいにしたらどうですか?」
といらんこと言ってみたら、
娘「私たち親子、ものすごい近眼で気づきもしませんでした」とのこと。

でも、鼻の下触ったら気づきそうなもんやけどな


婚活には大学病院?!

2014年02月21日 | 仕事
私が医者になった頃は、卒業後、どの大学のどの医局(専門科)かを選択して
1年目から医局から派遣された病院で自分の専門の修業を積んでいく、
というスタイルでしたが、
10年前から「新研修医制度」が開始

これは、2年間、幅広い知識を獲得するため、いろいろな科を回って
勉強しながら仕事をした後、3年目から専門の修業をするスタイルです。

なので、どこかの大学の医局に所属するのではなく、自分で研修したい病院
を探して面接して就職するんです。

そうすると、「医者は多くて手術などはさせてもらえないのに、雑用だけは
ものすごく多い大学病院」は嫌煙されがちで、当初は大学に研修医がいない!
困った状態、と聞いてましたが、最近は、大学病院で研修をしたがる女医さんが
多く、特に、阪大や京大などの一流大学が人気なんだとか。

そうです、婿探しを兼ねているそうです。

大学には圧倒的に独身男性医師がたくさんいます

医者としてどういう研修を積んでいきたいか、ということも大切ですが、
研修医の頃から幅広い人生設計をたててるんやな~とほんと、感心

医者になっただけで魅力が200%にアップしてしまう男性医師と違って、
女医はこれぐらいの気合いが必要なんかもね。

乳がん検診

2014年01月23日 | 仕事
職場の中の「お気に入りトイレ」の一つに検診などをしている部署があります。
がん検診で来院されている人を見るたびに「自分もやらなな~」と思うんですが・・・

今年3月まで市の検診対象なので、意を決して予約。
行ってきました、箕面保健センター

このセンターのすばらしさに感動
たまたまかもしらんけど、待ち時間ゼロ、みんな笑顔の対応。
しかも、触診の先生も女医さんで、ほんときめ細かい指導をしてくれます。

1か月に1度自分で触診すること、できれば生理が終わった乳房のやわらかいときがベター
手に石鹸つけてすべりやすくして、乳がんができやすいところがどこか、
腕をあけてもすること、そして、模型の乳がんでどんなしこりであるかを触る
などなど

しかも、箕面は40歳代にはマンモグラフィーだけでなくエコーもしてくれます。
なぜなら、閉経前では乳腺が多いので、マンモではわかりにくいらしい。
マンモもエコーも一長一短なんでどちらもする方が発見しやすいんでしょうね

60歳台まで女性のがんの第1位は乳がんで、
8人に1人にかかる、とも言われているそうです。

検診の大切さを学びました