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ニュースの隅をつつく その35 ウクライナの反転攻勢と「トルコのもう一つの顔」

2023年05月30日 | ニュース その2

ウクライナの反転攻勢

 

激戦地のバフムトについて、ロシアは制圧したと言っているし、ウクライナは未だ留まっていると言っているので本当のところは分からない。

 

前から言われているが、ウクライナはこれから反転攻勢を仕掛けるようです。ウクライナ戦争の開戦前にロシアが実効支配していた地域より、現在の方が支配地域は拡大している。ウクライナとしては和平交渉をするにしても、開戦前の状態に戻したいと思う。

 

ロシアは支配地域の境界に三重の防御を築いているとか。一列目は、戦車がはまってしまう堀、二列目は戦車を爆破する地雷原、三列目は戦車の進行を邪魔する三角錐のような障害物。このような厳重な防御線を突破するには大きな犠牲が伴う。ただし、前線の全域に厳重な防御線が張られているわけではないでしょうが。

 

ここで素人の私が考えた反転攻勢の作戦。それは、クリミア半島のロシア軍の手薄な場所のどこかに上陸する。そしてウクライナ軍に対峙しているロシア陣地の背後から攻撃する。ただし、ウクライナが兵士を輸送し上陸できる十分な海軍力を持っていればの話です。そしてロシア本土との間に掛けられたクリミア大橋を破壊してロシアからの援軍を防ぐ。義経の鵯越えのようにかなりのリスクを伴いますが。

 

「トルコのもう一つの顔」

 

今回のトルコ大統領選挙では、現職のエルドアン氏と野党統一候補クルチダルオール氏の決選投票になった。その結果、エルドアン氏が選ばれたが接戦だった。

 

私はエルドアンが選ばれると思っていた。なぜなら野党統一候補のクルチダルオール氏はイスラム教の中でもかなり異端な「アレウィー教徒」だから。

 

2021年08月24日の「横浜市長選と『小島剛一』氏の『トルコのもう一つの顔』」に書いたように、小島剛一氏の著書「トルコのもう一つの顔」によると、「アレウィー教徒」はイスラム教だと自ら言っているが、小島氏によるとイスラム教ではない。その理由は、「魂は輪廻転生する」と信じており、「1日5回の礼拝はしない」、「断食のやり方が異なる」、「アルコールを飲む」、「女性はベールを被らない」、「女性は男の人と自由に話ができる」と、イスラム教の多数派からするとかなり異なる。これが理由で、アレウィー教徒はイスラム教の多数派から迫害を受けている。

 

こういう状況なので、アレウィー教徒の野党統一候補クルチダルオール氏はかなり苦しい選挙だったと思われるが、得票が約48%になったのは健闘したと思います。

 

もっとも、小島剛一氏がアナトリア半島東部を調査したのは1970年から1980年代で、この本の出版は1991年であり、約40年経った現在の状況は分からないが、宗教的習慣がそう簡単に変わると思えない。

 

「トルコのもう一つの顔」はこの地域の複雑な背景を知るには興味深い本なので、一読をお勧めします。中公新書なので、手軽です。

 

2023年5月30日

 


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