ほぼ週二 横浜の山の中通信

人と異なる視点から見る

東京ドームの何倍? わからない!

2015年05月31日 | メディアに物申す

噴火によって海の中から現れた西ノ島新島が旧西ノ島(面積は7ha)と合体した後もどんどん成長し、西ノ島が東京ドームの55個分の258haになったと先日のニュースが伝えていました。

 

東京ドームの55個分? さっぱり大きさがわからん。

東京ドーム2個分とか3個分なら何とか想像がつくが、55個分とはねえ。10個を超えると想像不能ですよ。せいぜい数個分になるように、もうすこし表現を考えるべきです。

 

比較対象となるような皆さんが知っている施設を選ぶのは難しいかもしれませんが、東京ドームだって実際に行った人がどれくらいいることやら。私も東京ドームへ行ったことが無いけど、私の知っている他の野球場の連想でおおよそ想像がつく。

 

そこで、皆さんが比較的知っていそうな施設を選んでみました。

なかなかぴったりの広さの施設が無いのですが、「西ノ島は皇居全体(外苑と北の丸地区とお濠を含む)になった」と言えば、まだ想像がつくと思う。

2015.05.31


浮体式洋上風力発電を応援19~福島沖第2期の7000kW風車の進捗は?~

2015年05月28日 | 洋上風力発電

福島沖では、現在は第1期の2000kW風車一基が運転中で、第2期実証研究事業は2013年度~2015年度(2016年3月まで)の期間に、「7000kW風車を乗せた浮体を2基」を設置し運転する予定です。

 

この7000kW風車の進捗は、以下のように発表されていました。

「風車・発電機の浮体への取り付けは、小名浜港で2015年2月上旬から」

 

2月6日の日本経済新聞には、次のように掲載されていました。

「7000kW風車は福島沖用に2基を製作予定。1基目の設置は2015年内の見通しだ」

 

ここまでは、今まで述べてきた話です。

5月1日発行の「浮体式洋上ウィンドファーム実証研究事業 研究通信vol.10」によると

「7完了予定です。5月中旬より、ナセルやブレードを小名浜港に輸送し搭載工事を開始する予定です。」「今夏実施予定の7MW風車浮体設置工事などに関して・・・」

とあります。

 

(コメント)

小名浜港での組み立て開始は、予定では「2月上旬から」となっていたので、3か月以上遅れています。また、7000KW福島沖への風車設置は今年の夏ということなので、風車の運転は来年3月までの約半年になります。これで十分なデータが集まるのでしょうか? 最低1年は必要と思います。

 

(前回の補遺)

浮体式洋上風力発電を応援18~日立製作所は5000kW風車を商用運転へ~で、日立製作所が第2期7000kW風車2台中の1台を製作する可能性に懐疑的でした。

 

ところが、「浮体式洋上風力発電を応援17~福島沖の7000kW風車は延期?~」に引用している2月6日の日本経済新聞に、「(三菱重工は)7000kW風車を福島沖用に2基を製作予定。1基目の設置は2015年内の見通し」とあるのを忘れていました。

 

日本経済新聞の記事が本当なら、福島沖第二期の7000KW風車は2台とも三菱重工製です。

2015.05.28

 

共同通信によると、「出力7千キロワットの発電設備の組み立て作業が7日、同県いわき市の小名浜港で行われ、高さが最大約180メートルの巨大な風車が姿を現した」そうです。

 「岸壁に設置してある高さ約200メートルのクレーンを使って風車の支柱部分に長さ82メートルの羽根を取り付け、最後となる3枚目がこの日、設置された」

 「実証研究ではこれまでに2千キロワットの発電設備1基が稼働しており、今回組み立てた風車は7月、楢葉沖に運ぶ予定。ほかにもう1基の設置を予定している」

この記事からすると、7000KW風車は、変更された日程に沿って進捗しているようです。

2015.06.07


大涌谷に爆音が轟いていた (続き)

2015年05月25日 | 地震・火山

「大涌谷に爆音が轟いていた」を書いた後、あるインターネットニュースサイトに、「観光客が危険な場所で大涌谷を見上げているのはいかがなものか」という主旨の記事が載っていました。ネタにしようと再度捜したが見つからない、削除されたのかな?

 

この記事が言いたいのは

①観光客がいる付近は危険なので、規制すべき

②取材の邪魔になるので、観光客はあっちに行け

のどちらでしょう? 多分この記者は②のつもりで書いたのでしょうが、事前に規制区域の予習もしないで大涌谷に来た感じです。

 

この記事が危険と言っていたのは、県道734号線(強羅から芦ノ湖岸の湖尻へ至る道で、最も大涌谷に近い側を通っている)の下湯バス停付近のことです。ここは大涌谷のすぐ下ですが、もちろん規制区域外です。下の写真の茶色の矢印看板(「3Km先大涌谷」と書いてある)にあるように、2Kmほど行って左折すると大涌谷の展望台へ続く道になりますが、現在は規制されています。

 

この写真の左の茶色い柱に「箱根温泉供給株式会社」と書いてあるように、大涌谷の温泉造成施設を管理している会社の事務所が、バス停のすぐ右手にあります。

 

次の地図は国土地理院25000分の一の「箱根」の一部です。使用許可申請不要にするため、小さくしているのはご容赦ください。

この地図で、下湯バス停から10mほど強羅側へ戻ったCが「下湯」バス停の写真を撮影した場所、下湯バス停から県道734号線を100mほど強羅方向に戻ったDには、大涌沢にかかる橋があり、そこから大涌沢の堰堤が見えます。

 

 

Cには、砂や砂利を保管する「コ」の字形の高さ1mほどのコンクリートの囲いがあります。ここは規制区域外では大涌谷の噴気が最も近くに見える場所で、私もこの付近で撮影し、神奈川県知事もここから視察しました。TVでもここからの映像をよく見るので、ここに観光客が来ると邪魔ということでしょう。

 

地図のD地点の大涌沢の堰堤(正面)と橋(赤いポールの先)で、手前が強羅方向です。

 

 地図を見ての通り、Dは大涌谷のすぐ下にあり、小さい水蒸気爆発でも岩石が転げ落ちてくるかもしれないので危険です。今は規制区域外ですが、規制区域になってもおかしくない。もし爆発があれば、県道734号線も通行止めにして、大涌沢周辺から避難する必要があります。

この近くには旅館(地図で「上湯場」の文字の上側の建物群、今は入口にロープが張ってあり、休業中のようです)もあるし、地図のすぐ右側の枠外には別荘や企業の保養所もあるが、大涌沢から少し離れているので、噴火の影響は少し小さいかな?

 

ついでに「新噴気域」の話です。

Aは噴気が上がっていないが倒木のある場所、Bは県道脇から噴気が上がっている場所で、下湯バス停の次の上湯バス停の100mほど先にあって、樹木が立ち枯れしています。

 

県道脇には「立入禁止」の看板が立っています。

 

このような新しく噴気が出た場所は、これ以外にも数か所あって、県道脇にあるのは、ここともう1か所あります。これらの噴気している場所は、今回の火山活動で噴き出たのではなく、2001年の火山活動が活発だった時期の後に噴出した場所で、箱根の火山活動が活発化している証拠として、今までも何回かTVで取り上げられています。インターネットで捜すと以前はもっと噴気の出ていた時期があったようですが、今はわずかに見える程度です。

初めて見る人(私もそうです)は、立ち枯れしている林の中から噴気が出ているので、ビックリするかもしれませんが、この新噴気域は一時と比べて平穏化しているというべきです。

 

(まとめ)

大涌谷は火山活動が活発な場所と居住域が近く、噴火したら被害が出る可能性が高い。しかし、生活している人たちが実際にいるわけで、今以上の規制は難しいかもしれません。

噴火の兆候があったら、直ぐに逃げられるようにしておいて、とりあえず通常通りの生活をすることになるのでしょう。

ただし、場所によっては噴気の爆音が大きいので、この周辺に宿泊しようとする人は宿に状況を聞くべきです。噴気音は風評被害ではなく、本物の被害です。

2015.05.25

(追加)

インターネットを検索していたら、大涌谷近くの山を歩いた人が「ヘリコプターが飛んでいる」と書いていましたが、おそらく噴気音だと思います。

2015.05.25

2015.05.27 未確認のため、一か所削除しました

2015.06.07 一か所削除しました。

 

続きはこちら


ついに発見!地震予知に新手法!

2015年05月19日 | 地震・火山

本屋に行って、地球科学や地震・火山に関する本棚を見ていると、うんざりします。まじめな学術書に混じって、地震は常温核融合で起きるとか、爆縮で起きるとか、訳の分からない理解不能な本が数冊あって、あきれてしまいます。こういう本の著者に理工系の退職者が多いのは、老後の楽しみなのでしょうか。こういう本には自分の主張を数式や数字に出来ないので、必然的にややこしい数式が載っておらず、スラッと読めるという数式や数字の嫌いな人にはうってつけの本です。ただし、理解に苦しむ部分もありますが、学術書だって似たようなもの。こういう本がいつも置いてあるのは、それなりに買って行く人がいるからでしょう。しかし、その知識をどこで披露するのでしょうか? うっかりしゃべると、マズイことになるかも?

 

突然ですが、私もついに地震予知の新手法を発見しました。ただし、小さい地震ではダメで、大きい地震のみ有効な方法です。思いがけない真実を言われて、初めは理解できず、つい笑ってしまう人もいますが、絶対に笑わないように、厳かに読んでください。

 

「首相に自民党以外の人がなると大地震が起きる」

これは、真実です。過去には

淡路・阪神大震災 ⇒ 村山首相は社会党

東北大震災 ⇒ 管首相は民主党

次に起きる大地震は、総選挙で自民党が負けた時なので、しばらく大地震は起きません。

これは真実です。信じる者は救われる!

 

文句あっか! なに!事例が二つしかない!?

事例は二つもあれば十分。東北沖地震だって有史以来2回目だぞ!

2015.05.19


大涌谷は爆音が轟いていた

2015年05月17日 | 地震・火山

もっと早くに大涌谷の展望台に行こうと思っていたら、規制がかかってしまい行けなくなりました。やっと5月15日に大涌谷の見える場所を地図で捜して噴気の様子を見て来ました。この日は火山性地震がこれまでで最多の455回あった日です。

 

すごかったなあ! のべつ幕無しに爆音(厚木の飛行場近くを低空で飛ぶ米軍機のようです。経験した人でないとわかりませんが半端でなくうるさい)が聞こえていたので、今日も取材のヘリコプターが飛んでいるのだろうと空を見ると何もいない。たまにヘリが1機見えたが、それにしても常に爆音が聞こえているのはおかしいなあ?と思っていたら、しばらくして気がついた! 爆音と思っていたのは、噴気の吹き出る音でした。ただし、大涌谷から少し離れると音に気が付かなくなる。

 

音が無い映像だけのTVでは、すごさがわからないし、爆音を録音して流したTVもあったが、音量を下げているのか、機器の性能不足か、あまり緊迫感が出ない。

 

撮ってきた写真の一部を紹介します。

これは、大涌谷の下部の大涌沢(地図には、噴気域は「大涌谷」、沢全体を「大涌沢」と書かれています)の県道脇にある堰堤です。空に赤っぽいモヤが漂っているのは噴気が流れてきたもので、硫化水素の臭いがします。

 

 

大涌沢を流れる川です。白く濁っています。以前から白濁していたのでしょうか? 県道に架かる橋から撮影。

 

 

一枚目の堰堤の上の方で、大涌沢の上部、つまり大涌谷の噴気域で、温泉造成施設があるところです。県道から撮影していると、消防士のような防火服を着て盾を持った人が二人通って行きました。温泉のメンテナンスに行った人でしょう。この時、TV関係はいませんでしたが、映像の角度から判断すると、NHKや民放など多くのTV画像はここから撮影していることがわかります。

この場所は、小規模の水蒸気爆発なら、写真右手の尾根が防いでくれそうですが、大規模爆発になるとどうなるかわかりません。

 

 

ここは、2001年の箱根群発地震活動以降に林の中から噴気が出ている場所で、大涌沢の近くの県道の直ぐ脇にあり、多くの木が枯れて倒れています。その上を、わかり難いと思いますが、わずかに白い噴気が漂っています。この噴気に関して、下記の温泉地学研究所の報告の中に「新噴気域」と書いてあります。

http://www.onken.odawara.kanagawa.jp/files/PDF/houkoku/44/houkoku44-p55-62.pdf

この論文の写真を比較すると、噴気の範囲が広くなっているとか、噴気が多くなっているなどの変化は無いようです。

 

 

ここは、箱根の外輪山の中腹で、大涌谷の噴気域全体が正面に見えます。大涌谷まで直線距離で2km強しかないので、若干弱まっていますが爆音は聞こえます。私以外にはNHKだけがいて、中継車1台と数人の体制でカメラをスタンバイしていました。定点観測するつもりでしょう。*それに、3枚目の写真を撮影した場所は大涌谷に近すぎて危険と判断したのかもしれません。 民放は別の場所でやっているのかな?

 

 

少し場所を移動しました。

 

 

今日来て良かったと思うのは、爆音が聞けたことです。爆音のような噴気の音はすごかったですね。これは来ないとわからない。

*3枚目の写真を撮っていた時、箱根の近くの某施設の地方公務員の人(所属が車に書いてあった、防災と直接関係のない部署の人)が来て写真を撮っていたので、爆音が噴気音だと教えてあげたらびっくりしていた。

 

ところで、この活動は収束するんでしょうか? 轟音を轟かせる噴気現象が過去にもあって、水蒸気爆発に至らなかった例はあるのでしょうか?

 

大涌谷など箱根の過去の火山活動の状況は下記の温泉地学研究所の報告にあります。

http://www.onken.odawara.kanagawa.jp/files/PDF/houkoku/41/houkoku41-p23-32.pdf

 

この論文によると、明治初期に大涌谷を訪れたお雇い外国人は、「蒸気の音は驚くようなとどろきで」あったと書いているので、この時も噴気の音は大きかったと思われますが、現在との比較はわかりません。その後も、噴気が盛んという記述がありますが、どの程度だったかはわかりません。案外、記録が残っていない。

 

昔起きた大涌谷の水蒸気爆発は12.13世紀と言われていますので、いかなる過程をたどって水蒸気爆発に至ったのか、詳細はわかりません。したがって、現在の噴気活動が水蒸気爆発に結びつくのか、それとも徐々に平穏になって行くのか、誰にもわからない。

 

ただ素人考えですが、あの爆音を聞いて噴気の強さを実感すると、あと少し噴気が強くなると、少なくとも小さな水蒸気爆発は起きても不思議では無いと思いました。数か月して何事もなく収束するかもしれませんが・・・

2015.05.17

 

(追加)

 黒岩神奈川県知事は、私が訪れた日の翌日の16日に、約900メートル離れた場所(TVの映像で見ると、3枚目の写真を撮った場所と同じ)から大涌谷を視察して、「ジェット機が真上を飛んでいるようなごう音だった」と言ったとメディアは伝えています。あの音を聞いて、「ジェット機が真上」というのは表現が甘い。

 

一方で「風評被害は防がないと」と言っているが、あの噴気音が聞こえている範囲に泊まるのは、ちょっとねえ。温泉が良くても、ゆっくり眠れないと思います。この範囲以外の箱根は大丈夫です。

 

また、ある週刊誌が5月13日付で「気象庁は御嶽山で予測できなかったので、大涌谷では過剰反応だ」というような主旨の記事を載せています。観光協会の立場に立つとそうでしょうが、今の大涌谷の状態を「レベル1」のままということはありえない。現状は少なくても「レベル2」で、火山活動に何かさらなる変化があると直ぐに「レベル3」になって当然の状態と思います。某週刊誌の記者も是非現地を見に行った方が良い。

 

なにしろ大涌谷のすぐ下には旅館や別荘地があるので、他の火山と比べて「火口周辺」と「居住地域」が近すぎる。他の火山では火山活動がレベル2であっても、大涌谷ではレベル3かレベル4でも良いくらいです。

 

(参考)レベル2と3と4とは

レベル2(火口周辺規制)は、

「火口周辺に影響を及ぼす噴火が発生、あるいは発生すると予測される」

レベル3(入山規制)は、

「居住地域の近くまで重大な影響を及ぼす噴火が発生、あるいは発生すると予測される」

レベル4(避難準備)は、

「居住地域に重大な影響を及ぼす噴火が発生、あるいは発生すると予測される」

 

2015.05.17

 

(さらに追加)

あるニュースサイトに、「ルール違反の観光客」という記事が載っています。私が県道脇の噴気を撮影していた時も、道の真ん中に急停車した車から降りて一眼レフで撮影している爺さんがいました。停まった場所がカーブの少し先なので、危ないったらありゃしない。案の定、後続の車が急ブレーキをかけて、避けて行きました。年を取ると「危ない感」が衰えるのでしょう。

私は、撮影場所までテクテク歩いて移動しています。ダンプの舞い上げる埃を浴びながら。

2015.05.18

2015.06.07 *印を付けた2か所を追加しました

 

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