朝日新聞の記事
朝日新聞6月13日付のWebRonzaで「新潟親子遭難死は救えた命かもしれない 矛盾点を検証した結果見えた捜索の問題点」という記事(後半70%は有料)が載っています。
新潟の親子(37歳の父親と小学1年生の長男)が、今年5月5日から新潟の五頭連山に登山に出掛けて遭難し、24日後に遺体で発見されたという事故です。
上記WebRonzaの記事に、5月13日の五頭連山付近の登山道の写真が載っていますが、あたり一面雪に覆われています。多分10cmくらいの残雪でしょうか。この付近の山は1000m弱と初心者~中級者向けで、春や秋なら快適そうな山道ですが、雪道ではそうはいかない。(遭難当時の5月5日、尾根付近や日陰だけに雪があったのか、それとももっと広範囲に残雪があったのか不明です)
この朝日新聞の記事には、
新潟県警は、7日に赤安山周辺、8日以降に山葵山から松平山に至る登山道周辺を捜索し、時間を浪費したと書いています。そして、
「『地図を見る限りだと、周回コースを縦走する際にここが最も迷い込みやすいポイントの一つかもしれない』と簡単に推測できます」
と書いている。この「最も迷い込みやすいポイントの一つ」の先に、遺体発見場所があります。しかし、添付の地図やGoogleマップの地形図を見ましたが、ここが「最も迷い込みやすいポイントの一つ」かどうか、私にはわからなかった。
記事に出ていたルートをGoogle地図に落とし込んでみました。黄色線内が迷い込みやすいと記事に書いている範囲。(記事では隣接する2か所を迷い込みやすい場所と指摘していますが、ここではまとめて一つにしています)白線は親子が歩いたと推測されるルートです。
この付近の山は、小さな谷や尾根が入り組んだ複雑な地形で、どこでも迷いやすい感じがするのでしますが、黄色線内が「最も迷い込みやすいポイントの一つ」と言えるかどうか? 現地を歩いたことが無いので、これだけの地図では何とも判断しようがありません。
残雪があると、登山道を見つけるのがさらに難しくなる。ネットでは、登山道を実際に歩いたビデオも存在しますが・・・。
ぐ~たらハイカーの私の一言
この親子が地図を持っていたのか、持っていなかったのか、報道ではわかりません。もし地図を持っていたとしても、それで正しい登山道を見つけられたかと言うとそうでは無い。地図を持っていても道に迷うことがある。5万分の一や2万5000分の一地図の登山道は実際ほど詳しくない。「ここで道が二股に分かれているけど、どっちかな?」と言う時、地図を見てもどちらかわからない。昔読んだ本には、高圧送電線などの位置からおおよそわかると書いてあったけど、そんな都合の良いところに高圧送電線は無い。結局、登山道にテープなどの目印が無いと、あとは自分の勘に頼るしかないが、これには経験が必要。
私は京都観光に大文字に登るのを勧めています。(ブログ「京都事情その29~大文字への散策~」参照)
大文字の登山道は明確で、そこを辿れば絶対に迷わないのですが、大文字で遭難する人が結構いると京都新聞に出ていた。下山する時「私の勘では、この道は近道なので、こっちへ行こう」と違う道に入って迷うのかな? 都市近郊の山には、正規の登山道以外の踏み跡が結構あるので、下山する途中にこういう踏み跡に迷い込んでしまう可能性がある。
この遭難事故のもう少し詳しい状況を次回で調べてみます。
2018.07.24
続きはこちら。「新潟の親子の山岳遭難を考える ㊦」
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